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別名 | デイル、ジラ(蒔蘿) |
分類 | セリ科 イノンド属 |
原産地 | インドから中近東 日本へは江戸時代に渡来したようです。 |
食用 | 利用部分 花、茎葉又は果実 成 分 精油(カルボン、リモネンなど) 適 用 若い茎葉・花は刻んでスープやサラダにいれ 果実はソースやピクルスの香味料とします。 |
薬用 | 種実の浸出液は、駆風剤として消化不良によるお腹の張り解消に薬効があります。 |
名前の由来 | <イノンド> スペイン語の呼称、イネルド(eneldo)がなまったものが、 日本の 漢方名となり、中国の生薬名”蒔蘿”の字を充てた。 スペイン船サン・フ ェリペ号が、1596年(慶長元年)土佐浦戸に 漂着しており、その頃の渡来と思われている。 <デイル> 英語名で古代ノルウェー語のジーラ(Dilla:なだめる、和らげるの 意)が語源です。 <ジラ> 中国名の”蒔蘿”の音読みです |
イノンドの 歴史 |
古代文明のメソポタミア(現イラン、イラク)地方から、紀元前3000年頃のスメル粘土刻板が出土した、それには当時スメル人が薬用、香料植物約200種が刻まれていました。 そのリストの中に、ディルはアニス、コリアンダー、クミン、サフラン、ターメリック、カルダモン、ごま、タイムなどが記録されています。 旧約聖書には紀元前740年頃に、パレスチナ地方でも栽培されていたと記載されています。 古代ギリシャや古代ローマへと栽培地は広がり、中世のヨーロッパで魔術師や魔女の呪いの材料に使われた他、媚薬、医薬用として用いられたが、これらの香りをもつ植物は、当時の味気ない食物の味を豊かにしただけでなく、食品の保存性を高めたり、消化を助けたりと重宝されます。 また、中国の唐・宗時代(756〜779年)の”広州記”に”蒔蘿”は、ペルシャ国に産すと記述されている。 クミンの色は黒くて重いが、ディルは褐色で軽く、色と重さで両者は区別 する。ディルは食物の味を良くし、多く食べても害にならない」と記述しています。 日本では、現小石川植物園の前身である麻布御薬園(1638年創始)で栽培されていました。 |