「名探偵ポワロ」の紹介
Introduction to Meitantei Powaro
「名探偵ポワロ」とは
「名探偵ポワロ」は、1990年よりNHK総合を中心に放送されてきた、いわゆる海外ドラマです。オリジナルは英国のカーニバル・フィルム(旧ピクチャー・パートナーシップ・プロダクション)制作の AGATHA CHRISTIE'S POIROT。その名が示すとおり、ベルギー人探偵エルキュール・ポワロを主人公とするアガサ・クリスティーの小説を映像化したものです。
主演は、数あるポワロ役者の中でも“もっとも原作のポワロに近い”と言われるデビッド・スーシェ。そして、原作では一時期にしか登場しないヘイスティングス、ジャップ警部、ミス・レモンにそれぞれヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、ポーリーン・モランを迎え、レギュラーメンバーとして配しています。この4人にドラマオリジナルの性格付けを加えて物語の中心に置き、原作では1910年代から1970年代にまたがる舞台を1936年前後に固定することで、原作の雰囲気を損なうことなく、このドラマならではの魅力を付加することに成功しました。個々の作品は原作をそのまま映像化したものばかりではありませんし、キャストも必ずしも原作に描かれた風貌どおりではありませんが、それでも多くの原作ファンに受け入れられ、原作に忠実なシリーズと評されることすらあるのは、ひとえにキャストやスタッフの説得力のある仕事ぶりによるものでしょう。
一方で、宇津木道子さんの台本と山田悦司さんらによる演出、そして熊倉一雄さんをはじめとする吹替陣を揃えた日本語版も、原語を単に和訳しただけのものではなく、時には台詞をまったく別の意味に置き換えたり、原語にはない台詞を挿入したりしながら日本ならではの魅力を生んでおり、デビッド・スーシェをして 「日本人は、AGATHA CHRISTIE'S POIROT を完全に自分たちのものにしてしまっている」、「日本語吹替の『名探偵ポワロ』はほかのどの言語や吹替と比べても素晴らしく、完璧に日本語に馴染んでいる」と言わしめました。
オリジナルの AGATHA CHRISTIE'S POIROT は、1989年より1年に1シリーズのペースで短編を中心に放送されてきましたが、1994年に制作された第6シリーズ以降、制作がしばらく中断。1999年に制作局を移して制作が再開され、制作・出演陣の変遷を経ながら、現在では2、3年に1シリーズという非常に丁寧なペースで長編を中心に新作がつくられています。
なお、「名探偵ポワロ」では、日本語吹替音声が追加される一方、尺の都合でしばしばオリジナルの一部がカットされています。カットされているのは、【各作品紹介】に掲載している部分のほか、大半のオープニングとエンディングがオリジナルよりも短くなっています。また、エンディングのキャスト・スタッフロールも独自のものに置き換えられています。
原作者 アガサ・クリスティー
1890年9月15日、イギリスのトーキーに生まれる。50年以上の作家生活で70に及ぶ長編と180近い短篇、19の戯曲をものし、その著書は英語圏で10億冊、非英語圏でさらに10億冊が売れたと言われる“ミステリの女王”。1920年、『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。ベルギー人探偵のエルキュール・ポワロ、せんさく好きな老婦人のジェーン・マープルをはじめ、トミーとタペンスのコンビや、パーカー・パイン、ハーリ・クインなどの多彩な探偵を創造する一方で、ノン・シリーズのミステリ作品やメアリ・ウェストマコット名義での普通小説も執筆。演劇好きとしても知られ、彼女の書いた戯曲『ねずみとり』は、ロンドンのセント・マーティンズ・シアターにおいて、50年を超える世界最長のロングランを今なお更新中。1976年1月12日、ロンドン近郊の自邸で死去、享年85歳。
| 略年表 |
| 1890年 | イギリスのトーキーに生まれる。 |
| 1914年 | アーチボルト・クリスティーと結婚。 |
| 1919年 | 娘ロザリンドが生まれる。 |
| 1920年 | 『スタイルズ荘の怪事件』刊行。 |
| 1926年 | 自宅より失踪、11日後にホテルで発見される。 |
| 1928年 | アーチボルトと離婚。 |
| 1930年 | 考古学者マックス・マローワンと再婚。 初のメアリ・ウェストマコット名義で『未完の肖像』刊行。 |
| 1943年 | 孫マシューが生まれる。 |
| 1952年 | 『ねずみとり』初演。 |
| 1955年 | アガサ・クリスティー・リミテッド設立。 |
| 1956年 | CBE を叙勲。 |
| 1971年 | DBE を叙勲。 |
| 1976年 | ロンドン近郊のウィンターブルック・ハウスで死去。 |
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