スペインひつの秘密
The Mystery of the Spanish Chest

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1992年04月02日 22時35分〜 (NHK総合)
  • 1992年05月29日 17時05分〜 (NHK総合)
  • 1998年12月15日 15時10分〜 (NHK総合)
  • 2003年07月15日 18時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年04月30日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2016年10月05日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1991年02月17日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 「スペイン櫃の秘密」 - 『クリスマス・プディングの冒険』 クリスティー文庫 福島正実訳
  • 「スペイン櫃の秘密」 - 『クリスマス・プディングの冒険』 ハヤカワミステリ文庫 福島正実訳

原書

雑誌等掲載

  • The Mystery of the Spanish Chest, Women's Illustrated, 17 September-1 October 1960 (UK)

短篇集

  • The Mystery of the Spanish Chest, The Adventure of the Christmas Pudding, Collins, October 1960 (UK)
  • The Mystery of the Spanish Chest, The Harlequin Tea Set and Other Stories, G. P. Putnam's Sons, 14 April 1997 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / スペインひつの秘密, THE MYSTERY OF THE SPANISH CHEST / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ / Script Consultant CLIVE EXTON

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / スペインひつの秘密 // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / THE MYSTERY OF THE SPANISH CHEST / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ / Script Consultant CLIVE EXTON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロウィッツ 監督 アンドリュー・グリーブ 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞  マーゲリート 萩尾みどり カーチス大佐 中村正 リッチ少佐 中田浩二 クレイトン 田中信夫 公卿敬子 松村彦次郎 朝戸鉄也 沢木郁也 福田信昭 広中雅志 河原佳代子 / 日本語版 宇津木道子  山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロヴィッツ クライブ・エクストン 演出 アンドリュー・グリーブ 制作 LWT (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞  マーゲリート 萩尾 みどり カーチス大佐 中村 正/吉見 一豊 リッチ少佐 中田 浩二/西 凛太朗 クレイトン 田中 信夫  公卿 敬子 松村 彦次郎 朝戸 鉄也 沢木 郁也 福田 信昭 広中 雅志 河原 佳代子 久保田 民絵 粟津 貴嗣 渡辺 英雄 細野 雅世  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Colonel Curtiss: JOHN McENERY; Marguerite Clayton: CAROLINE LANGRISHE; Major Rich: PIP TORRENS; Edward Clayton: MALCOLM SINCLAIR; Lady Chatterton: ANTONIA PEMBERTON; Burgoyne: PETER COPLEY; Smithy: SAM SMART; Rouse: EDWARD CLAYTON; Umpire: METIN YENAL; Young Officer: RICHARD CAWTE; Party Dancers: VICTORIA SCARBOROUGH, CHRISTOPHER LAMB; Maid: MELLISSA WILSON; Reporters: ANDY MULLIGAN, CLEM DAVIS; Doctor: ROGER KEMP; Rigoletto: JOHN NOBLE; Gilda: CATHERINE BOTT; Stunts: ARTHUR HOWELL / Developed for Television by Carnival Films / (中略) / Production Designer: ROB HARRIS / Director of Photography: CHRIS O'DELL / Theme Music: CHRISTOPHER GUNNING; Incidental Music: FIACHRA TRENCH / Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN / Director: ANDREW GRIEVE

あらすじ

 ポワロは劇場で会ったレディー・チャタートンから、エドワード・クレイトンなる人物が妻のマーゲリートを殺そうとしているのではないかと相談された。ところが、当のクレイトンが、友人リッチ少佐の家のチェストから死体で発見される……

事件発生時期

某年某月中旬 〜 下旬

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
マーゲリート・クレイトン美貌の女性
エドワード・クレイトンマーゲリートの夫
ジョン・リッチマーゲリートの友人、少佐
カーチスマーゲリートの旧友、大佐
レディー・キャロライン・チャタートンマーゲリートの友人、ポワロの知人
バーゴインリッチ少佐の執事
スミティ軍人クラブのボーイ

解説、みたいなもの

 原作は短篇「バグダッドの大櫃の謎」(『黄色いアイリス』および『マン島の黄金』に収録)をふくらませた中篇。しかし、ドラマの登場人物などは「バグダッドの大櫃の謎」に拠っており、むしろ「バグダッドの大櫃の謎」の映像化と見なした方が近い。ただし、事件の中心人物であるマーゲリート・クレイトン夫人は、原作では男たちを迷わせる天真爛漫な女性として描かれていたが、ドラマではあまりそれらしい描写はなく、夫のクレイトンも、おとなしい性格から「すぐにかっとする質」に変更されている。また、チェストに穿けられた穴の目的が拡張されて、殺害方法にも変更が加えられた。その他の変更点では、パーティーの出席者からスペンス夫妻が省略されたほか、カーチス少佐が大佐に変更されていたり、過去の決闘が事件解決に関係づけられたりしている。なお、ドラマや「バグダッドの大櫃の謎」では特に触れられないが、シェイクスピアの『オセロー』を意識した作品で、「カーテン 〜ポワロ最後の事件〜」にもつながるものがある。殺害方法の残酷さは、「名探偵ポワロ」で扱う殺人事件の中でも際立っている。
 ポワロとヘイスティングスが劇場で見た『リゴレット』は、ヴィクトル・ユーゴーの『王様はお楽しみ』を原作にしたヴェルディの歌劇。マーゲリートが手紙を書いている場面の BGM は、シューマン作曲のトロイメライ。リッチ少佐のパーティーでかけられていた「若い人でないとだめ」な曲は Nobody's Sweetheart で、それにあわせてポワロが踊ったチャールストンは、1920年代に大流行したダンス。
 ミス・レモンが出かけているというフリントンは、エセックス州東部の海沿いにある町。ハイビジョンリマスター版では 'She is at Frinton.' という原語が「休暇なんですよ」と訳されているように、休暇で訪れる保養地として名高かった。
 リッチ少佐のパーティーを訪れたポワロが「今話しているのがリッチ少佐ですね」と言うが、すでに劇場で少佐を紹介されていたはず。原語では 'She is speaking with her friend, Major Rich. (お友だちのリッチ少佐と話していますね)' と言っており、必ずしも確認のニュアンスはない。
 ポワロにカーチス大佐を「不愉快な人物」と思わせた大佐との会話、ポワロがヘイスティングスに調査を指示した軍人クラブの体育館の存在を知る場面、最後にポワロが急に謙虚になる原因となったポワロが自惚れをヘイスティングスにとがめられる場面は、すべて「名探偵ポワロ」オリジナル版ではカットされて見られない。
 マーゲリート・クレイトン役のキャロライン・ラングリッシュは、ピーター・ユスチノフ主演の「死者のあやまち」でサリー・レッグ役を演じている。また、エドワード・クレイトン役のマルコーム・シンクレアは、ジョン・ネトルズ主演の「バーナビー警部」の一篇、「古城の鐘が亡霊を呼ぶ」のアラン・ブラッドフォード役でも見ることができる。さらに、執事のバーゴイン役のピーター・コプリーは、ジョーン・ヒクソン主演の「ミス・マープル」の一篇、「復讐の女神」にもブラバゾン大執事役で出演(こちらの「執事」は英国国教会の職位)。
 冒頭の『リゴレット』を上演していた劇場は、「24羽の黒つぐみ」でロリマーが支配人を務めていたカールトン劇場ことハックニー・エンパイア。レディー・チャタートンの家があるのは、テムズ川のチズウィック島対岸のチズウィック・モール。レディー・チャタートンの話の最中にクレイトンが歩いている場所は、リンカーンズ・イン内ニュー・スクエア。ここはジェラルディン・マクイーワン主演「ミス・マープル」シリーズの「親指のうずき」でトミーとタペンスの自宅があった場所だが、同「バートラム・ホテルにて」でカーテン弁護士の事務所、主演をジュリア・マッケンジーに交代してからの「ポケットにライ麦を」ではビリングズリー・ホースソープ&ウォルターズ法律事務所があったり、ジョーン・ヒクソン主演「ミス・マープル」の「復讐の女神」でもブロードリブとシュスター両弁護士の事務所があったりしたように、実際には法曹院。リッチ少佐のパーティーに行けない理由を話すクレイトン夫妻の会話からクレイトンの職業は弁護士と察せられ、このロケ地はそれにあわせて選ばれたものと思われる。軍人クラブの外観として使われたのは、リンカーンズ・イン前のリンカーンズ・イン・フィールズにある英国王立外科医師会ハンター博物館。また、リッチ少佐のフラットもリンカーンズ・イン・フィールズとニューマンズ・ロウの角にある。ルーメイン・ガーデンズにある設定のクレイトン夫妻の家として使われたのは、リッチモンド・グリーン近くのオールド・パレス・テラスとキング・ストリートの交差点脇にあるオーク・ハウス。ヘイスティングスが軍人クラブのボーイから話を聞いたのはキングズ・クロス駅近くにあったチェニー・ロードだが、「24羽の黒つぐみ」の公衆トイレ同様、2001年以降の再開発によって通り自体がすでに存在しない。
 本作品の BGM には、新たに作曲された専用のテーマ曲のほか、「ミューズ街の殺人」「24羽の黒つぐみ」「コーンワルの毒殺事件」で使われていた楽曲が再利用されている。
 クレイトンがリッチ少佐宅の前でタクシーを降りるとき、運転手が運賃を「4ポンド9ペンスです」と言うが、英語では 'That's four and nine pence.' と言っており、これは4シリング9ペンスのこと。
 軍人クラブの廊下の壁にかけられている軍人の肖像画は、「もの言えぬ証人」において、事件を「全部見通して警告を」発したジュリアス・アランデル将軍のもの。

ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[02:49/0:35]劇場でポワロとヘイスティングスが『リゴレット』について話す場面
[12:31/0:42]ポワロがパーティへ出発する前のヘイスティングスとの会話の後半
[15:27/1:03]パーティでのマーゲリート、カーチス、リッチの様子を眺めるポワロ 〜 レコードのかけ替え 〜 ポワロとカーチスの会話
[16:59/0:34]パーティ翌朝、ポワロがヘイスティングスの淹れたティザンに文句を言う場面
[19:30/0:58]リッチの独房へ向かうポワロとヘイスティングス 〜 独房でのリッチとの会話
[19:49/0:44]ポワロとヘイスティングスが軍人クラブへ入る場面の最後 〜 カーチスのもとへ案内される場面前半
[26:02/0:10]ポワロたちが訪れる直前のクレイトンの家の中
[30:33/1:15]ジャップ警部がタイプに苦労しているところへポワロが来て話をする場面

映像ソフト

  • [VHS] 「名探偵エルキュール・ポアロ 第25巻 スペイン櫃の秘密」(字幕) 日本クラウン
  • [DVD] 「名探偵ポワロ 15 スペイン櫃の秘密, 盗まれたロイヤル・ルビー」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ
  • [DVD] 「名探偵ポワロ [完全版] 15 スペイン櫃の秘密, 盗まれたロイヤル・ルビー」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ
  • [BD] 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 8 スペイン櫃の秘密, 盗まれたロイヤル・ルビー, 戦勝舞踏会事件, 猟人荘の怪事件」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ
2018年3月29日更新