プリマス行き急行列車
The Plymouth Express

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1991年09月16日 22時15分〜 (NHK総合)
  • 1992年05月08日 17時05分〜 (NHK総合)
  • 1994年03月10日 17時05分〜 (NHK総合)
  • 1998年12月03日 15時10分〜 (NHK総合)
  • 2003年07月07日 18時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年04月02日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2016年09月07日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1991年01月20日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 「プリマス行き急行列車」 - 『教会で死んだ男』 クリスティー文庫 宇野輝雄訳
  • 「プリマス行き急行列車」 - 『教会で死んだ男』 ハヤカワミステリ文庫 宇野輝雄訳
  • 「プリマス急行」 - 『ポワロの事件簿2』 創元推理文庫 厚木淳訳

原書

雑誌等掲載

  • The Mystery of the Plymouth Express, The Sketch, 4 April 1923 (UK)
  • The Plymouth Express Affair, The Blue Book Magazine, January 1924 (USA)

短篇集

  • The Plymouth Express, The Under Dog and Other Stories, Dodd Mead, 1951 (USA)
  • The Plymouth Express, Poirot's Early Cases, Collins, September 1974 (UK)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / プリマス行き急行列車, THE PLYMOUTH EXPRESS / Dramatized by ROD BEACHAM / Script Consultant CLIVE EXTON

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / プリマス行き急行列車 // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / THE PLYMOUTH EXPRESS / Dramatized by ROD BEACHAM / Script Consultant CLIVE EXTON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ロッド・ビーチャム 監督 アンドリュー・ピディントン 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞 ミス・レモン 翠準子  ハリデイ 小林昭二 ジェーン 大方斐紗子 ロシュフォール 西沢利明 小林勝彦 勝生真沙子 江原正士 中原茂 中村秀利 茶風林 木藤聡子 / 日本語版 宇津木道子 山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ロッド・ビーチャム クライブ・エクストン 演出 アンドリュー・ピディントン 制作 LWT (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子  ハリデイ 小林 昭二/糸 博 ジェーン 大方 斐紗子/二宮 弘子 ロシュフォール 西沢 利明/檀 臣幸  小林 勝彦 勝生 真沙子 江原 正士 中原 茂 中村 秀利 茶風林 木藤 聡子 吉野 貴宏  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Halliday: JOHN STONE; McKenzie: KENNETH HAIGH; Rupert Carrington: JULIAN WADHAM; Comte de la Rochefour: ALFREDO MICHELSON; Jane Mason: MARION BAILEY/ Florence Carrington: SHELAGH McLEOD; Newsboy: STEVEN MACKINTOSH; Bank Manager: LEON EAGLES; Detective: JOHN ABBOTT; Barman: STEVEN RIDDLE; Station Official: ADRIAN McLOUGHLIN; Reception Clerk: NIGEL MAKIN; Sergeant: RICHARD VANSTONE; Naval Officer: ROBERT LOCKE; Porter: DUNCAN FABER; Stunts: ROY ALON / Developed for Television by Carnival Films / (中略) / Production Designer: ROB HARRIS / Director of Photography: CHRIS O'DELL / Music: CHRISTOPHER GUNNING / Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN / Director: ANDREW PIDDINGTON

あらすじ

 オーストラリア人大富豪ハリデイの我が子を思う気持ちに心を動かされたポワロは、その娘フローレンスにつきまとうロシュフォール伯爵なる人物の調査を始める。ところがその矢先、彼女はプリマス行き急行列車の車内で殺害されてしまう……

事件発生時期

不詳

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
フェリシティ・レモンポワロの秘書
ゴードン・ハリデイイエロークリーク鉱山会社会長、オーストラリア人
フローレンス・キャリントンハリデイの娘
ルパート・キャリントンフローレンスの夫
ロシュフォール自称伯爵、フランス人
ジェーン・メイソンフローレンスのメイド
マッケンジー宝石泥棒

解説、みたいなもの

 「名探偵ポワロ」初期作品には珍しく、殺人という犯罪の凶悪さとそれが生む悲劇を強調した作品。原作短篇は、クリスティーが1928年に発表した長篇「青列車の秘密」の原型でもある。
 〈プリマス行き急行列車〉として撮影に使われたのは、実際にはエセックスを走るブルーベル鉄道で、ウェストン駅はホーステッド・ケインズ駅。ただし、それ以外の基幹駅であるパディントン駅やブリストル駅、プリマス駅の場面はブルーベル鉄道ではなく、すべてヨークシャーのハル・パラゴン駅で撮影されており、似た景色(というか、同じ駅なので当然同じ景色)がつづくため、あらかじめ地理を把握していないと出来事の前後関係が混乱するかもしれない。事件の経緯と道程を簡単にまとめておくと、〈プリマス行き急行列車〉はロンドンのパディントン駅を出発し、そこからほぼ真西へ進んでブリストル駅に停車。ブリストルは南西半島の付け根北端に位置する町で、当初フローレンスが乗り換える予定で、メイドのジェーンが待っていたのはここ。そこから汽車は南西半島の北側海沿いを進み、次の停車駅がウェストン駅で、フローレンスが新聞の遅版がほしいと騒いだとされるのがここ。その後、汽車は半島を横断し、トーントン駅(台詞で言及されるのみで劇中では映らない)を経て終点のプリマス駅に到着して、ここで遺体が発見された。このプリマスはイギリス南西部デヴォン州にある港町で、メイフラワー号の出港地として知られる。
 前回の「100万ドル債券盗難事件」同様、原作と違って事件発生前からポワロが乗り出す。また、原作のポワロは捜査をジャップ警部に任せて現場には出向かず、関係者の話と〈灰色の脳細胞〉だけで事件を解決していたが、ドラマでは被害者が乗ったのと同じ汽車(車両は違うけれど)に乗って現場へ聞き込みに向かう。一方、ドラマのジャップ警部は代わりにロシュフォール伯爵を追う役割を割り振られ、キャリントンを追うヘイスティングスと対照されている。ポワロが関係者の言葉のみで実行犯の宝石泥棒の特徴を推理した原作のくだりがミス・レモンのファイルを調べるだけになったのは、ミス・レモンも含めたレギュラー陣全員に活躍どころを提供する意図だろうか。その他の細かい変更点としては、原作のハリデイはアメリカ人でファーストネームもイビニーザだったほか、マッケンジーもレッド・ナーキーという名前だった。
 ロシュフォール伯爵の無記名債券の出所は、ホテルで伯爵がフローレンスにした話ではパリのファースト・ナショナル銀行ということだったのに、警察でのジャップ警部とハリデイの話になると、なぜかインターナショナル銀行という名前に変わっている。また、謎解きのなかでヘイスティングスが「医者は殺害時刻はウェストン到着前だと言っているんです。あるいはブリストル到着前だと」と言い出すが、ハイビジョンリマスター版では、死体置き場を出たあとにジャップ警部とヘイスティングスのあいだで「死亡推定時刻はいちばん遅く見て列車がウェストンを出た直後ですが、その直前の可能性も」「ウェストンに着く前ということも?」「ありうる」という会話が交わされており、ウェストン到着後の可能性を否定もしていなければ、ブリストル到着前の可能性にもまったく言及していない。ただし、原語ではウェストンの出発「直」前に限定するニュアンスはなく、ブリストル到着前については、確かにウェストン到着前ではある。また、オリジナル版ではこの会話の場面はカットされて見られないが、殺害時刻がウェストン到着前だと聞いていたのだとしたら、そのことに触れずにウェストンでキャリントン夫人の行動の調査をしたのはやはりおかしい。
 フローレンスとロシュフォール伯爵がお茶を飲んでいたホテルのレストランの様子を映した場面では、画面左下に糸のようなものがはためくのが映ってしまっている。また、汽車がプリマス駅に到着する場面では、画面奥の線に現代的な車両が停まっているのが見える。
 キャリントン夫人の遺体発見直前、ポーターが「トランクは下にお入れします」と言いながら最初の鞄を網棚に載せるが、原語では 'Going on to Penzance, are you, sir? (ペンザンスへいらっしゃるんですか?)' とぜんぜん別の台詞。ペンザンスはプリマスからさらに西の、南西半島先端に近いコーンワルの港町なのだが、日本人に馴染みもなく、話の筋にも関わらないので、あたりさわりのない台詞に置き換えられたのだろうか。
 ルパート・キャリントンがノミ屋から身を隠していた酒場は、ポワロの言葉の原語によれば、彼の所属するクラブ。したがって、そこが「ノミ屋に見つからない唯一の場所」(原語では「ノミ屋につかまらない唯一の場所」のニュアンス)なのは、単に場所を知られていないというより、ノミ屋は入れてもらえない場所であるからと思われる。
 ハリデイ親子が住むデュ・ケイン・コートはバルハムに実在する大型マンションだが、ハリデイ親子の部屋はサリー州チャートシーにあるセント・アンズ・コートという戸建ての住宅で撮影されている。玄関の横にマンション内部とは思えない開けた窓があるのもそのためで、玄関向こうの廊下の壁は撮影のために設えられたセット。ロシュフォール伯爵が滞在したアデルフィ・ホテルの建物はチャリング・クロス駅近くのジョン・アダム・ストリートにあるが、実際にはオフィスビルのようだ。マッケンジーの家があるのはそこからすこし東の、ローマ浴場跡で知られるストランド・レーン。前述のウェストン駅の場面が撮影されたホーステッド・ケインズ駅は、「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」「スタイルズ荘の怪事件」でも撮影に使われている。
 ロシュフォール伯爵とフローレンスが会っていたホテルのレストランでかかっていた曲は、ショパンのノクターン・作品32-1。
 ルパート・キャリントン役のジュリアン・ウェイダムは、ジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「スリーピング・マーダー」でケルビン・ハリデイ役を演じているほか、ジョン・ネトルズ主演の「バーナビー警部」の一篇、「少年時代は秘密のベール」にもサイモン・フレッチャー役で出演。
 本篇とは関係ないが、下で紹介している DVD やインターネット上のサイトではしばしば、本作品のものでない画像が本作品の一場面として紹介されている。取り違えられるのはいつも、ロサコフ伯爵夫人が写った「二重の手がかり」のラストシーンと思われる複数の画像だが、放送された作品にまったく同じカットは存在せず、未公開カットか宣伝用のスチル写真のようだ。

ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[18:30/0:51]フローレンスの訃報に接してのハリデイとポワロの会話
[21:28/0:33]死体置き場を出たあとの殺害時刻に関する会話 〜 線路を駈ける汽車 〜 炉にくべられる石炭
[27:09/1:43]バーでのヘイスティングスとキャリントンの会話の後半 〜 ハリデイが来る前のロシュフォール伯爵の取り調べ場面
[28:57/0:29]警察でヘイスティングスとジャップ警部がポワロに自説をまくし立てる場面
[30:11/0:36]ポワロ、ヘイスティングス、ジャップ警部がマッケンジーの家へ向かう場面
[34:36/0:47]謎解きの前のキャリントンとハリデイの会話
[38:05/0:16]窓にくずおれるフローレンス

映像ソフト

  • [VHS, VCD] 「名探偵エルキュール・ポアロ 第2巻 プリマス行き急行列車」(字幕) 日本クラウン
  • [DVD] 「名探偵ポワロ 13 プリマス行き急行列車, スズメバチの巣」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ
  • [DVD] 「名探偵ポワロ [完全版] 13 プリマス行き急行列車, スズメバチの巣」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ
  • [BD] 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 7 プリマス行き急行列車, スズメバチの巣, マースドン荘の惨劇, 二重の手がかり」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ

同原作の映像化作品

  • [アニメ] 「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第25話〜第26話 プリマス行き急行列車」 2005年 監督:高橋ナオヒト 出演:里見浩太朗、折笠富美子、野島裕史、屋良有作、田中敦子
2018年3月29日更新