ナイルに死す
Death on the Nile

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 2005年08月23日 20時00分〜 (NHK衛星第2)
  • 2006年01月09日 25時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年10月22日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年03月29日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2004年04月12日 21時00分〜 (英・ITV1)
  • 2004年07月04日 20時30分〜 (豪・ABC)
  • 2004年09月19日 20時00分〜 (米・A&E)

原作

邦訳

  • 『ナイルに死す』 クリスティー文庫 加島祥造訳
  • 『ナイルに死す』 ハヤカワミステリ文庫 加島祥造訳

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

ナイルに死す // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / DEATH ON THE NILE based on the novel by Agatha Christie / Screenplay KEVIN ELYOT / JAMES FOX, JUDY PARFITT / ALASTAIR MACKENZIE, EMMA MALIN, JJ FEILD / BARBARA FLYNN, STEVE PEMBERTON, DANIEL LAPAINE / DAISY DONOVAN, EMILY BLUNT, ZOE TELFORD / with DAVID SOUL / and FRANCES DE LA TOUR / Producer MARGARET MITCHELL / Director ANDY WILSON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ケビン・エリオット 演出 アンディ・ウィルスン 制作 LWT A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス 2004年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄  ジャクリーン(エマ・マリン) 小島聖 サイモン(JJ・フィールド) 関俊彦 リネット(エミリー・ブラント) 森永明日夏  アラートン夫人 牧野和子 ティム 難波圭一 ヴァン・シュワイラー 大方斐紗子 コーネリア 藤本喜久子  巴菁子 阿部桐子 小山力也 山野史人 阪脩 佐々木梅治 魏涼子 沢りつお 薬師寺種子 船木真人 小林由美子 / 日本語版スタッフ 宇津木道子  金谷和美 賀古勝利 里口千  西亀泰   蕨南勝之

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ケビン・エリオット 演出 アンディ・ウィルスン 制作 LWT A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄  ジャクリーン(エマ・マリン) 小島 聖 サイモン(JJ・フィールド) 関 俊彦 リネット(エミリー・ブラント) 森永 明日夏  アラートン夫人 牧野 和子 ティム 難波 圭一 ヴァン・シュワイラー 大方 斐紗子 コーネリア 藤本 喜久子  巴 菁子 阿部 桐子 小山 力也 山野 史人 阪 脩 佐々木 梅治 魏 涼子 沢 りつお 薬師寺 種子 船木 まひと 小林 由美子  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 蕨南 勝之 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Colonel Race: JAMES FOX; Jacqueline De Bellefort: EMMA MALIN; Simon Doyle: JJ FEILD; Linnet Ridgeway: EMILY BLUNT / Miss Van Schuyler: JUDY PARFITT; Cornelia Robsoon: DAISY DONOVAN; Mrs Allerton: BARBARA FLYNN; Tim Allerton: DANIEL LAPAINE / Andrew Pennington: DAVID SOUL; Salome Otterbourne: FRANCES DE LA TOUR; Rosalie Otterbourne: ZOE TELFORD; Ferguson: ALASTAIR MACKENZIE / Dr Bessner: STEVE PEMBERTON; Cruise Manager: GEORGE YIASOUMI; Joanna Southwood: ELODIE KENDALL; Louise Bourget: FELICITE DU JEU / (中略) / Director of Photography: MARTIN FUHRER BSC; Production Designer: MICHAEL PICKWOAD; Editor: JOHN MAYES; Composer: CHRISTOPHER GUNNING / Executive Producer for A & E Television Networks: DELIA FINE; Supervising Producer for A & E Television Networks: EMILIO NUNEZ / Executive Producer for Chorion plc: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd (a Chorion Company) 2004 / LWT in association with A & E Television Networks and Agatha Christie Ltd (a Chorion Company) GRANADA

あらすじ

 若き資産家リネット・リッジウェイは親友ジャクリーンの婚約者だったサイモンを奪って結婚、二人はハネムーンへと出発した。しかし、行く先々ではいつもジャクリーンが待ち受けていた。彼らの間の緊張は次第に高まり、ポワロも乗り合わせた船でついに……

事件発生時期

1935年~1936年?

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
リネット・ドイル資産家の娘、旧姓リッジウェイ
サイモン・ドイルリネットの夫
ジャクリーン・ド・ベルフォールリネットの親友、サイモンの元婚約者
マリー・ヴァン・シュワイラー旧家の老婦人
コーネリア・ロブスンミス・ヴァン・シュワイラーの親戚
サロメ・オタボーン小説家
ロザリー・オタボーンサロメの娘
ティモシー・アラートンリネットの友人、愛称ティム
アラートン夫人ティムの母
アンドルー・ペニントンリネットの財産管理人
ファーガスン共産主義の青年
ベスナー医師、オーストリア人
ルイーズ・ブールジェリネットのメイド
ジョアナ・サウスウッドリネットの友人、アラートン親子の親戚
レイス大佐、ポワロの知人

解説、みたいなもの

 第1シリーズよりこのドラマシリーズの制作実務を手がけてきたカーニバル・フィルムとそのプロデューサーのブライアン・イーストマンが制作から離れ、グラナダ・プロダクション(現 ITV スタジオ)による新体制で制作された第1話(イギリスの放送順では第3話で、撮影順では第4話)。この新体制への移行に関しては、かねてより制作側の一部でシリーズのマンネリ化が懸念されていたものの、1998年にアガサ・クリスティー・リミテッドの株式を取得し、当時クリスティーの版権を掌握していたコリオン plc が、シリーズの仕切り直しの必要性を強く主張したことが大きいという。これは、海外での売り上げを伸ばしつづけていたシリーズに、さらに予算を投入して成長を加速させたいテレビ局側の意向とも合致したようで、シリーズ開始当初からの立役者であった制作陣の交代を含む大幅な路線変更が断行された。新しい制作陣はかつてのアットホームな雰囲気を歓迎せず、また原作に登場しないキャラクターを挿入することを望まなかったため、登場する原作がほとんど残っていないヘイスティングスたちはこれ以降、最終シリーズの「ビッグ・フォー」まで姿を消すことになった。また、日本の「名探偵ポワロ」では継続して従来どおりのオープニングとエンディングが付与されているが、イギリスの Agatha Christie's Poirot あらため Agatha Christie: Poirot ではこれらも排除され、作曲は引き続きクリストファー・ガニングが担当したものの、劇伴にもポワロのテーマのモチーフは一切使われていない。これは、それぞれのエピソードをシリーズの一部とするのではなく、個々に独立した単体の作品として成立させることを目指した新制作陣の意向の表れであると見られる。なお、この新制作陣には主演のデビッド・スーシェもアソシエイト・プロデューサーとして参加し、以降の作品の方向性に影響を及ぼすようになっていく。[1][2]
 ナイル川クルーズの遊覧船上を主な舞台とするエキゾチックな本作は、ピーター・ユスチノフ主演の映画「ナイル殺人事件」と原作を同じくする作品。原作小説はのちにクリスティー自身によって戯曲化されているが、戯曲の方にはポワロは登場せず、ポワロとペニントンを足しあわせたような役どころのペニファーザー司祭が探偵役をつとめる。また、小説には同名の「ナイル河上の死(Death on the Nile)」(『パーカー・パイン登場』所収)という短篇も存在するが、舞台がナイル河を航行する遊覧船上であること以外に本作との共通点はなく、むしろこの短篇は「コーンワルの毒殺事件」の別バージョンといった内容。
 原作小説がポワロ物の作品の中でも屈指の長さを誇るため、本作の放送時間は第9シリーズのほかの作品よりも5分長い、99分となっている。しかし、それでも登場人物がエジプトに集まるまでのエピソードはほとんどがカットされ、船客からは考古学者のリケティと弁護士のファンソープ、看護師のミス・バワーズが削られた。
 本作の撮影に当たっては「メソポタミア殺人事件」の撮影でチュニジアの暑さに悩まされたスーシェが現地ロケに抵抗感を示していたものの、最終的にはエジプトロケが敢行された。「名探偵ポワロ」中、エジプトを舞台にした作品は今回で3作目だが、「海上の悲劇」はギリシャで、「エジプト墳墓のなぞ」はスペインで撮影されており、実際にエジプトで撮影がおこなわれたのは今回が初めて。しかし、予算・スケジュール上の都合なのか撮影許可の問題なのか、ロケ地は原作に描かれたナセル湖の周辺(厳密には、原作当時にナセル湖はなかったけれど)ではなくルクソール近辺となっており、クリスティー自身も滞在したというアスワンのカタラクト・ホテルは、やはりクリスティーも滞在したルクソールのオールド・ウィンター・パレス・ホテルに(ただしホテル内のダンスホールは、かつてゲズィーラ・パレスという宮殿だったカイロのマリオット・ホテル内)、エル・セブア神殿はルクソール神殿に、アブ・シンベル神殿はデンデラのハトホル神殿(劇中の日本語音声では、ジャクリーンの台詞中の一度だけは“ホトホル”と発音)に置き換えられている。カルナック号として撮影に使われた客船は、実際には1885年建造のスーダン号という船で、現在もナイル河クルーズに使用されている。スーシェのインタビューや自伝ではずっと、この船は映画「ナイル殺人事件」で使われたのと同じ船と語られているが[3][4]、映画で使われたのは1904年建造のメモン号という別の船[5]
 冒頭で映るリネットのイギリスの邸宅は、ロンドン南東部のエルサム・パレス
 ジャクリーンの心情の象徴として使われている挿入歌は、冒頭のものが 'Mad about the Boy'、ラストのものが 'Love is the Sweetest Thing'。後者は事件の晩にジャクリーン自身も口ずさみ、また「エンドハウスの怪事件」でもエンドハウスでレコードがかけられていた。事件翌朝、身支度中のポワロが口ずさむ歌は日本語音声と原語音声でメロディーが異なるが、日本語の方の前半は 'Row, Row, Row Your Boat' のようだ。
 レイス大佐と出会ったときにポワロが「アラビア語はわかりません」と言うが、「メソポタミア殺人事件」では滞在中に聞き覚えたアラビア語を話して、ヘイスティングスを驚かせていた。
 事件後にティムがジャクリーンのことを「まるでアニー・オークリー気取りだ」と評するが、このアニー・オークリーとは、ミュージカル「アニーよ銃をとれ」の主役としても知られる、実在の女性射撃手。ショーでその腕前を披露し、一躍スターになったという。
 ポワロが真珠の首飾りを歯に当てるのは、真珠の表面の摩擦を感じる鑑定法。本物は摩擦があり、模造品は摩擦がない。
 ペニントンのノルマンディー号の乗船券に書かれた日付は1936年1月だが、サロンでファーガスンが読んでいる『ライフ』誌は1937年1月4日号。さらに甲板でジャクリーンが読んでいる『ヴォーグ』誌は1938年12月15日号。
 ドクター・ベスナーがリネットの死因を説明する場面では、遺体のはずのリネットの瞼がわずかに動いているのが見える。また、ルイーズの遺体が発見される場面では、ルイーズのお腹が大きく上下している。
 アンドルー・ペニントン役のデビッド・ソウルは、ピーター・ユスチノフ主演の映画「死海殺人事件」でジェファーソン・コープ役を、レイス大佐役のジェームス・フォックスは、ジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「書斎の死体」でバントリー大佐役を演じている。また、同「ミス・マープル」シリーズでは、サロメ・オタボーン役のフランシス・デ・ラ・チュアも「動く指」でカルスロップ牧師夫人役、ロザリー・オタボーン役のゾーイ・テルフォードも「シタフォードの謎」でエミリー・トレフュシス役を演じているほか、主演がジュリア・マッケンジーに交代してからは「殺人は容易だ」にドクター・ベスナー役のスティーブ・ペンバートンがヘンリー・ウェイク牧師役で、「魔術の殺人」にジャクリーン・ド・ベルフォール役のエマ・マリンがジーナ・ハッド役(エマ・グリフィス・マリン名義)で、「蒼ざめた馬」にサイモン・ドイル役のJJ・フィールドがポール・オズボーン役で、「グリーンショウ氏の阿房宮」にミス・ヴァン・シュワイラー役のジュディ・パーフィットがシスリー・ボークラーク役で出演している。このほか、ジュディ・パーフィットは「ER 緊急救命室」シリーズのイザベル・コーデイ役で、アラートン夫人役のバーバラ・フリンはジョン・ソウ主演の「主任警部モース」の一篇、「ニコラス・クインの静かな世界」のモニカ・ハイト役でも見ることができる。
  1. [1] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 203-209, headline, 2013
  2. [2] Mark Aldridge, Agatha Christie on Screen, pp. 268-270, Palgrave Macmillan, 2016
  3. [3] 番組ピックアップ, ミステリチャンネル, 2004
  4. [4] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 215, headline, 2013
  5. [5] 「ナイル殺人事件」 映画パンフレット, pp. 4, 東宝, 1978

カットされた場面

なし

映像ソフト

  • 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 1」に収録、単品での一般販売はなし

同原作の映像化作品

  • [映画] 「ナイル殺人事件」 1978年 監督:ジョン・ギラーミン 出演:ピーター・ユスチノフ(田中明夫)
2018年3月16日更新