葬儀を終えて
After the Funeral

放送履歴

日本

オリジナル版(94分00秒)

  • 2006年12月14日 20時00分〜 (NHK衛星第2)
  • 2007年12月28日 13時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版(94分00秒)

  • 2016年11月19日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年04月26日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2005年12月11日 11時00分〜 (米・A&E)
  • 2006年02月26日 20時30分〜 (豪・ABC)
  • 2006年03月26日 21時00分〜 (英・ITV1)

原作

邦訳

  • 『葬儀を終えて』 クリスティー文庫 加島祥造訳
  • 『葬儀を終えて』 ハヤカワミステリ文庫 加島祥造訳

原書

  • After the Funeral, Collins, March 1953 (UK)
  • Funerals are Fatal, Dodd Mead, 18 May 1953 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 葬儀を終えて // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / AFTER THE FUNERAL based on the novel by Agatha Christie / Screenplay PHILOMENA McDONAGH / ROBERT BATHURST, GERALDINE JAMES / ANNA COLDER-MARSHALL, MONICA DOLAN, KEVIN DOYLE / MICHAEL FASSBENDER, FIONA GLASCOTT, JULIAN OVENDEN / LUCY PUNCH, WILLIAM RUSSELL / ANTHONY VALENTINE, BENJAMIN WHITROW / Producer TREVOR HOPKINS / Director MAURICE PHILLIPS

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 葬儀を終えて // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / AFTER THE FUNERAL based on the novel by Agatha Christie / Screenplay PHILOMENA McDONAGH / ROBERT BATHURST, GERALDINE JAMES / ANNA COLDER-MARSHALL, MONICA DOLAN, KEVIN DOYLE / MICHAEL FASSBENDER, FIONA GLASCOTT, JULIAN OVENDEN / LUCY PUNCH, WILLIAM RUSSELL / ANTHONY VALENTINE, BENJAMIN WHITROW / Producer TREVOR HOPKINS / Director MAURICE PHILLIPS

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 フィロミーナ・マクドナー 演出 モーリス・フィリップス 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス 2005年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄  ギルバート(ロバート・バサースト) 磯部勉 ヘレン(ジェラルディン・ジェイムズ) 香野百合子 ジョージ(マイケル・ファスベンダー) 宮内敦士 ギルクリスト(モニカ・ドーラン) 小野洋子  スザンナ 五十嵐麗 ロザムンド 林真里花 マイケル 福田賢二 ティモシー 青野武 モード 峰あつ子  辻親八 糸博 佐々木省三 丸山詠二 石波義人 多田野曜平 竹口安芸子 木下紗華 宮山知衣 / 日本語版スタッフ 翻訳 たかしまちせこ 演出 高橋剛 音声 金谷和美 プロデューサー 里口千  制作統括 小川純子 廣田建三

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 フィロミーナ・マクドナー 演出 モーリス・フィリップス 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄  ギルバート(ロバート・バサースト) 磯部 勉 ヘレン(ジェラルディン・ジェイムズ) 香野 百合子 ジョージ(マイケル・ファスベンダー) 宮内 敦士 ギルクリスト(モニカ・ドーラン) 小野 洋子  スザンナ 五十嵐 麗 ロザムンド 林 真里花 マイケル 福田 賢二 ティモシー 青野 武 モード 峰 あつ子  辻 親八 糸 博 佐々木 省三 丸山 詠二 石波 義人 多田野 曜平 竹口 安芸子 木下 紗華 宮山 知衣  日本語版スタッフ 翻訳 たかしま ちせこ 演出 高橋 剛 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Vicar: PHILLIP ANTHONY; Gilbert Entwhistle: ROBERT BATHURST; Maude Abernethie: ANNA CALDER-MARSHALL / Richard Abernethie: JOHN CARSON; Inspector Morton: KEVIN DOYLE; George Abernethie: MICHAEL FASSBENDER; Rosamund: FIONA GLASCOTT; Helen Abernethie: GERALDINE JAMES / Dr. Larraby: DOMINIC JEPHCOTT; Janet: VICKY OGDEN; Michael Shane: JULIAN OVENDEN; Susannah Henderson: LUCY PUNCH; Lanscombe: WILLIAM RUSSELL / 'Miss Sorrel': ANNABEL SCHOLEY; Giovanni Gallaccio: ANTHONY VALENTINE; Timothy Abernethie: BENJAMIN WHITROW; with MONICA DOLAN as Cora and Miss Gilchrist / (中略) / Production Executive: GAIL KENNETT; Casting Director: MAUREEN DUFF; Film Editor: PAUL GARRICK; Director of Photography: DAVID HIGGS; Production Designer: JEFF TESSLER; Line Producer: HELGA DOWIE / Executive Producer for A&E Television Networks: DELIA FINE; Supervising Producer for A&E Television Networks: EMILIO NUNEZ / Executive Producer for Chorion Plc.: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd. (a Chorion company) 2005 / A Granada Production in association with A&E Television Networks and Agatha Christie Ltd (a Chorion company)

あらすじ

 リチャード・アバネシーの遺言状公開の席上で言われた「兄さん、本当は殺されたんでしょう?」という言葉。翌日、まるでその言葉を裏付けるかのごとく、リチャードの妹コーラが無惨に殺された。はたしてリチャードの死は本当に殺人だったのか……

事件発生時期

1936年

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
ギルバート・エントウィッスル弁護士
リチャード・アバネシーアバネシー家当主、故人
コーラ・ガラチオリチャードの妹
ヘレン・アバネシーリチャードの義妹、ジョージの母
ジョージ・アバネシーヘレンの息子
スザンナ・ヘンダーソンリチャードの姪
ロザムンド・シェーンリチャードの姪、スザンナの妹、女優
マイケル・シェーンロザムンドの夫、俳優
ティモシー・アバネシーリチャードの弟
モード・アバネシーティモシーの妻
ランスコムアバネシー家執事
ギルクリストコーラのコンパニオン
ジョバンニ・ガラチオコーラの元夫、画家、イタリア人
ララビーリチャードの主治医
モートン警部

解説、みたいなもの

 原作は1953年発表。ドラマの時代設定は過去作同様1930年代に移されているが、富豪の一族の中での殺人事件というクリスティー作品では典型的な舞台設定ながらも、その中で、いわば庶民であるミス・ギルクリストの境遇が物語の中で重要な意味を持つあたりに、第二次大戦が終わって8年が経過した時代を感じさせる。そのミス・ギルクリストの職業の「コンパニオン」とは、以前の宇津木道子さんの日本語では「話し相手」と訳されていたのと同じ職業。「わたしは話し相手で召使いではないんです」という彼女の台詞が示すように、使用人とは一線を画した立場と見なされ、自ら生計を立てる必要に迫られたレディーが体面を傷つけずに収入を得られる手段とされていた。しかしながら、「あなたの庭はどんな庭?」のカトリーナや「もの言えぬ証人」のウィルミーナなどにも見られたように、その立場はしばしば微妙なものだったようだ。本作でも、コーラの家を訪れたスザンナが、両手のふさがったミス・ギルクリストに当然のように荷物を持たせる場面や、車の修理まで自分でやるモードが、食事にも同席していたミス・ギルクリストに当たり前のように用事を言いつける場面など、ミス・ギルクリストに対するアバネシー一族の無意識の扱いを強調する演出がおこなわれている。
 ドラマ化に当たって多くの登場人物が整理統合されており、原作のアバネシー家に連なる人物のうち、リチャードの愛息のモーティマー、スザンナ(原作での名前はスーザン)の夫のグレゴリー、コーラの夫のピエール・ランスケネらがカットされ、モーティマーやグレゴリーの要素はジョージに、ランスケネは鑑定家のガスリー氏とまとめられてジョバンニ・ガラチオという人物になった。また、原作では従姉妹だったスザンナとロザムンドが姉妹に、伯母と甥の関係だったヘレンとジョージが親子になっている。物語の展開では、遺言書の偽造やエンダビー・ホールの権利書の紛失などがドラマオリジナルの要素として追加されているが、原作で事件の鍵となっていた台詞や出来事は一通り網羅されており、変更点の数の割には原作に忠実な映像化という印象を残す。
 エンダビー・ホールに足を踏み入れたマイケルが「壁はありきたりの漆喰か」と言った台詞は、原語だと 'All this from corn plasters. (これが全部、魚の目の塗り薬からか)' という表現で、 corn plaster とは漆喰ではなく魚の目用の膏薬のこと。つまり、原語のマイケルはアバネシー家がそれでなした財の大きさに驚いており、これは原作の設定を受けた台詞。
 コーラの遺体が安置されていた建物やジョージの持っていた新聞には LYCHETT ST. MARY と書かれているが、原作のリチェット・セント・メアリーは Lytchett St Mary と綴っていた。
 スザンナが講演のなかで言及した「ベチュアナランド」とはボツワナの英領時代の呼称。スザンナの活動は、日本語だとアフリカの恵まれない子供一般を支援するもののように聞こえるが、原語では劇中の時代を反映して、大英帝国領の本土と植民地のあいだの格差を問題にしている。
 コーラの家にいつづけるミス・ギルクリストについてポワロが「ほかに行くところがないんでしょう、状況が変わるまで」と言う台詞の「状況」の原語 situation は、ここでは漠然とした「状況」ではなく具体的に「勤め口」の意味で使われており、つまり「次の仕事が見つかるまで」ということ。
 マイケルが言う「待ってろよ、オリヴィエ (Larry Olivier had better watch out.)」のオリヴィエとは、名優として知られるローレンス・オリヴィエのこと。
 コーラの家を訪れたスザンナにミス・ギルクリストが「今朝も呼び鈴が鳴ってから出るのに30分もかかりました」と言ったところは、原語では 'The doorbell rang half an hour ago and I could hardly bring myself to answer it (30分前に呼び鈴が鳴ったけど、出る気になれなくて)' となっていて、さすがに30分もしてから応対に出たりはしていないし、訪ねてきた尼僧もその間ずっと待っていたわけではない。
 記念品の分配でティモシーとジョージが争ったデザートセットは、原語だと Spode (スポード) というブランド名が具体的に挙げられており、これは実在するイギリス王家御用達の陶磁器メーカー。また、ミス・ギルクリストのティーショップがつぶれる原因になった「大手の店」も原語だと a Lyons' establishment と言っており、こちらの Lyons (ライオンズ) も実在したイギリス大手飲食店チェーンの名前。
 記念品の分配についての話のなかでミス・ギルクリストが孔雀石のテーブルについて「このお屋敷にはぴったり」と言ったところは、原語だと 'It must be worth a lot of money. (とてもお高いんでしょうね)' と言っており、ロザムンドの「わたしの分配金を減らしてでも、ほしいの」という台詞に直接的につながる。
 尼僧が話題になった際、ロザムンドが日本語で「見えない部分が多いほうが、男性は想像力をかき立てられるのかも」と言ったところは、原語だと 'When they revived The Miracle Worker, Sonia Wells looked too glamorous for words. (「奇蹟の人」を再演したとき、ソニア・ウェルズは言葉にできないほど魅惑的だったわ)' という台詞だが、盲聾者ヘレン・ケラーとその家庭教師アン・サリヴァンの逸話をもとにした The Miracle Worker (奇蹟の人) は、別に尼僧に関係ないだけでなく、その題名が初めて冠されたテレビドラマの制作が1957年、その舞台化が1959年のことで、劇中の時代設定にも原作の執筆時期にもあわない。もともと原作で名前を挙げられていたのは The Miracle Worker ではなく The Miracle (奇蹟) という作品で、これは中世の尼僧を主人公とする伝説をもとにした戯曲だった。
 謎解きの直前、ポワロとジョージが会話する場面では、ジョージを正面から映すカットでのみ雨が降っている。そのあとにやってくる車も、フロントガラスは乾いているが車体やドアガラスが濡れており、降雨の合間を縫って撮影がおこなわれたことが窺える。
 モートン警部との会話でポワロが過去の失敗について「今までで二度ほどね」と言うが、「ひらいたトランプ」では「28年前に一度」と答えていたはず。「ひらいたトランプ」の回答は原作にもある台詞だが、本作品の原作のやりとりでは回数は明言されていなかった。
 エンダビー・ホールの撮影がおこなわれたのは、ハンプシャーのロザフィールド・パーク。ロザフィールド・パークの邸内は、ジュリア・マッケンジー主演「ミス・マープル6」の「グリーンショウ氏の阿房宮」でも〈阿房宮〉邸内として撮影に使われている。冒頭の「速すぎる急行列車」は「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」以来おなじみのブルーベル鉄道、途中の通過駅はホーステッド・ケインズ駅で、これらは「スタイルズ荘の怪事件」「プリマス行き急行列車」「ABC殺人事件」「死人の鏡」「ポワロのクリスマス」にも登場。ただし車内はセットのようだ。リチャードの遺体が荼毘に付されたのはパトニー・ヴェール火葬場。コーラの家は「ホロー荘の殺人」のダヴコーツと同じサリー州ハンブルドンのヴァン・ハウスで、額に入った絵がたくさん掛けられている部屋は、「ホロー荘の殺人」でジョンとヴェロニカが会っていたのと同じ部屋が使われている。スザンナが講演をした講堂は、「二重の罪」ではウィットコム女子大、「なぞの遺言書」ではケンブリッジ大学の講堂として撮影に使われたラングドン・ダウン・センターのノーマンズフィールド・シアター。「マースドン荘の惨劇」で民間防衛訓練がおこなわれた集会所も同所。コーラの遺体が安置されていた病院はバッキンガムシャー州ビーコンズフィールドのマソニック・アンド・コミュニティ・センターで、コーラの家をあとにしたポワロとエントウィッスルが歩いていたのはその近くのウィンザー・エンド。ノーサンプトンシャー州にあることになっているティモシーの邸宅は、サリー州にあるバイフリート・マナー。英国美術院前の撮影がおこなわれたのは、「スペイン櫃の秘密」の軍人クラブと同じリンカーンズ・イン・フィールズのハンター博物館前。シェーン夫妻が出演していたリージェンシー劇場の楽屋口の撮影も、実はハンター博物館のポルトガル・ストリート側の裏口でおこなわれている。楽屋口前でロザムンドが話をしている場面はポルトガル・ストリートとサール・ストリートの角で、その後ロザムンドが尼僧院とおぼしき場所を訪ねた場面はリンカーンズ・インのニュー・スクエアとオールド・スクエアのあいだで撮影された。なお、リージェンシー劇場の舞台の撮影はニュー・ウィンブルドン劇場でおこなわれており、「エッジウェア卿の死」に登場した劇場と同名ながら、撮影場所は異なるようだ。
 リチャード・アバネシーを演じるジョン・カーソンは、「なぞの盗難事件」のサー・ジョージ役につづく「名探偵ポワロ」2度目の出演。また、冒頭の牧師役のフィリップ・アントニーも、「ABC殺人事件」にクラーク家の主治医役で出演していた。ミス・ギルクリスト役のモニカ・ドーランは、トビー・ジョーンズ主演の「検察側の証人」でのジャネット・マッキンタイアー役でも見ることができる。モード・アバネシーを演じるアンナ・コルダー・マーシャルは「ヒッコリー・ロードの殺人」でスタンリー卿を演じたデビッド・バークの妻で、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」シリーズでは、「未婚の貴族」のレディー・ヘレナとアグネス・ノースコートの姉妹を一人二役で演じた。ポワロがエンダビー・ホールへやってくる場面で、ポワロの乗った車の運転手を演じているのは、実際にスーシェの運転手を務めるショーン・オコーナー氏。ガラチオ氏を演じるアントニー・バレンタインは、ビル・ビクスビー主演の「ロンドン殺人事件」のアボット役や、ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「高名の依頼人」のグルーナー男爵役でも見ることができる。マイケル・シェーンを演じるジュリアン・オヴェンデンは、マイケル・キッチン主演の「刑事フォイル」シリーズではアンドリュー・フォイル役を演じており、こちらでの吹替も、本作品と同じ福田賢二さんによる。
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ロケ地写真

カットされた場面

なし

映像ソフト

  • 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 2」に収録、単品での一般販売はなし

同原作の映像化作品

  • [映画] 「Murder at the Gallop」 1963年 監督:ジョージ・ポロック 出演:マーガレット・ラザフォード
2019年6月21日更新