満潮に乗って
Taken at the Flood

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 2007年05月03日 16時00分〜 (NHK衛星第2)
  • 2007年12月26日 13時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年11月26日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年05月10日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2006年03月12日 20時30分〜 (豪・ABC)
  • 2006年04月02日 21時00分〜 (英・ITV1)

原作

邦訳

  • 『満潮に乗って』 クリスティー文庫 恩地三保子訳
  • 『満潮に乗って』 ハヤカワミステリ文庫 恩地三保子訳

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

満潮に乗って // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / TAKEN AT THE FLOOD based on the novel by Agatha Christie / Screenplay GUY ANDREWS / JENNY AGUTTER, PATRICK BALADI, EVA BIRTHISTLE / ELLIOT COWAN, AMANDA DOUGE, PENNY DOWNIE / CLAIRE HACKETT, RICHARD HOPE, CELIA IMRIE / NICHOLAS LE PREVOST, TIM PIGOTT-SMITH / ELIZABETH SPRIGGS / PIP TORRENS, TIM WOODWARD, DAVID YELLAND / Producer TREVOR HOPKINS / Director ANDY WILSON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ガイ・アンドルーズ 演出 アンディ・ウィルソン 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス 2005年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄  デビッド・ハンター(エリオット・カウアン) 大塚明夫 ロザリーン(エバ・バーシッスル) 高橋理恵子 リン(アマンダ・ダウジ) 田中敦子 ローリー(パトリック・バラディ) 星野充昭  スペンス警視 野島昭生 アデーラ 古坂るみ子 フランシス 大西多摩恵 キャシー 吉沢希梨 ライオネル 麦人  田原アルノ 宝亀克寿 京田尚子 沢田敏子 秋元羊介 清川元夢 堀部隆一 藤原堅一 澤山佳小里 / 日本語版スタッフ 翻訳 たかしまちせこ 演出 高橋剛 音声 金谷和美 プロデューサー 里口千  制作統括 小川純子 廣田建三

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ガイ・アンドルーズ 演出 アンディ・ウィルスン 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄  デビッド・ハンター(エリオット・カウアン) 大塚 明夫 ロザリーン(エバ・バーシッスル) 高橋 理恵子 リン(アマンダ・ダウジ) 田中 敦子 ローリー(パトリック・バラディ) 星野 充昭  スペンス警視 野島 昭生 アデーラ 古坂 るみ子 フランシス 大西 多摩恵 キャシー 吉沢 希梨 ライオネル 麦人  田原 アルノ 宝亀 克寿 京田 尚子 沢田 敏子 秋元 羊介 清川 元夢 堀部 隆一 藤原 堅一 澤山 佳小里  日本語版スタッフ 翻訳 たかしま ちせこ 演出 高橋 剛 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Adela Marchmont: JENNY AGUTTER; Rowley Cloade: PATRICK BALADI; Rosaleen; Eileen: EVA BIRTHISTLE / David Hunter: ELLIOT COWAN; Lynn Marchmont: AMANDA DOUGE; Frances Cloade: PENNY DOWNIE; Pebmarsh: RICHARD DURDEN / Beatrice Lippincott: CLAIRE HACKETT; Supt. Harold Spence: RICHARD HOPE; 'Aunt' Kathy Cloade: CELIA IMRIE; Major James Porter: NICHOLAS LE PREVOST; Dr Lionel Cloade: TIM PIGOTT-SMITH / Mrs Leadbetter: ELIZABETH SPRIGGS; Jeremy Cloade: PIP TORRENS; Enoch Arden; Charles: TIM WOODWARD; George the Butler: DAVID YELLAND; 'True' Rosaleen: MARTHA BARNETT / (中略) / Production Executive: GAIL KENNETT; Casting Director: MAUREEN DUFF; Film Editor: JAMIE McCOAN; Director of Photography: SUE GIBSON BSC; Production Designer: JEFF TESSLER; Line Producer: HELGA DOWIE / Executive Producer for A&E Television Networks: DELIA FINE; Supervising Producer for A&E Television Networks: EMILIO NUNEZ / Executive Producer for Chorion Plc.: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd. (a Chorion company) 2005 / A Granada Production in association with A&E Television Networks and Agatha Christie Ltd (a Chorion company)

あらすじ

 クロード一族は、資産家ゴードン・クロードの後ろ楯によって安穏とした生活を送ってきた。ところが爆発でゴードンが死に、その財産が若妻の手に渡ることになって状況が一変する。そんな中、彼女の先夫が生きているとほのめかす男が現れ、村のパブで殺される……

事件発生時期

1936年

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
ゴードン・クロード億万長者、故人
ロザリーン・クロードゴードンの新しい妻
デビッド・ハンターロザリーンの兄
アデーラ・マーチモントゴードンの妹
リン・マーチモントアデーラの娘
キャサリン・ウッドワードゴードンの妹、愛称キャシー
ライオネル・ウッドワードキャサリンの夫、医師
ジェレミー・クロードゴードンの弟
フランシス・クロードジェレミーの妻
ローリー・クロードゴードンの甥
イノック・アーデンスタッグ・イン滞在客
ロバート・アンダーヘイロザリーンの先夫、南米で行方不明
ジェームス・ポーターアンダーヘイの知人、少佐
ビアトリス・リピンコットスタッグ・イン店主
ハロルド・スペンス警視
ジョージポワロの執事

解説、みたいなもの

 第8シリーズまでのプロデューサー、ブライアン・イーストマンの意向によりミス・レモンの役どころに吸収されていたポワロの執事(butler、原作では valet)のジョージが初登場[1]。ジョージを演じるデビッド・イェランドは「ミューズ街の殺人」のウェスト下院議員役ですでに一度「名探偵ポワロ」に出演済みだったが、スーシェには、ジョージを演じるのにイェランドよりふさわしい俳優はいないという明確なイメージがあったという[2]。また画面には登場しないが、ジョージとポワロのやりとりで、現在のポワロがほかにメイドを雇っていることもわかる。後期原作の準レギュラー、スペンス警視もドラマ初登場。
 1948年に発表された原作は、第二次大戦の爪痕が残る時代を舞台に資産家一族の斜陽を描いた作品だったが、ドラマでは時代設定を他作品と合わせたためか、戦後を思わせる要素は一切払拭されている。これに伴い、空襲によるものだったゴードンの死も、ガスの爆発事故によるものということになった。「満潮に乗って」という題名は、シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』第四幕第三場にある、「人の世の事柄には潮があり、満潮に乗れば幸運へとたどり着くが、乗り損なった者の人生の船旅は浅瀬にとらわれ不幸に呑まれてしまう」というブルータスの台詞の一節で、クロード一族の直面した状況を象徴している。主要な登場人物に増減はないが、ライオネルとキャシーのクロード夫妻はキャシーの方がゴードンの妹になり、名字がウッドワードに変更された。しかし、オリジナルのエンディングクレジットでは二人の名字はなぜかクロードのまま。
 ポワロがカトリック教徒であることはこれまでも度々触れられていたが、本作ほどそれが前面に押し出されたのは初めて。自身も敬虔なキリスト教徒であることを何度も公言しているスーシェは、このポワロの信仰心に非常に強く興味を惹かれたという。謎解きの場面において、キリスト教徒として常にない厳しさで犯人を糾弾するポワロの日本語の口調は、同じくたかしまちせこさんが台本を手がけた「名探偵ダウリング神父」のダウリング神父を思わせる。なお、この謎解きの場面は、通常のようにカットごとに分けて撮影をするのではなく、舞台上の演劇のように、10分を超える場面をひと続きにして撮影をおこなったそうだ。[3][4]
 スタッグ・インで遺体をポワロたちが調べる場面では、遺体が穏やかに息をしている。
 スペンス警視がポワロに勧めて拒否される“キャンディ”は、 humbug というイギリスのハッカ飴。
 アデーラとキャシーが興じていたというハングマンゲームは単語当てゲームの一種で、回答側は単語に含まれると思ったアルファベットを1文字ずつ言っていき、はずした場合は吊られた人間の絵を書き足していく(絵が描き上がれば負けになる)ためにそのように呼ばれる。ポワロに最後の言葉を訊かれた二人が「手斧 (adze)」と答えたあとに気まずい雰囲気になったのは、 adze という単語は文字数もすくなく、また英語で頻出の a や e を含むことからこのゲームではあまりに見破られやすく、出題するのにふさわしくないのが明らかだったため。
 リンがデビッドをなだめるときに歯擦音を繰り返すが、英語圏では日本よりも「しーっ」という間投詞の適用範囲が広く、うるさいことを注意するときだけでなく、なだめたり落ち着かせたりするときなどにも用いる。
 ゴードン・クロードの邸宅ファロウバンクは「二重の手がかり」でも使われたイングルフィールド・ハウス、リンの実家のマーチモント家はサリー州にあるチルワース・マナー。ロンドンのメイフェアにあることになっているゴードンの別荘は、「誘拐された総理大臣」でダニエルズ夫人の家があった、クラパムのクレセント・グローブで撮影された。ポワロが滞在するパブのスタッグ・インは、実際にはオックスフォードシャーのドーチェスター・オン・テムズにあるジョージ・ホテル(ただし、2階廊下部分は、「西洋の星の盗難事件」のヤードリー・チェイスや、「杉の柩」のハンタベリー・アームズに使われたドーニー・コート内で撮影されている)。ドーチェスターはジェラルディン・マクイーワンとジュリア・マッケンジー主演の「ミス・マープル」シリーズでも「予告殺人」のチッピング・クレグホーン村や「終わりなき夜に生まれつく」のキングストン・ビショップ村として撮影に使われており、ジェレミーとフランシスのクロード夫妻が住んでいる家は、「予告殺人」ではミス・ブラックロックが住むリトル・パドックスとなっていた。ローリーの家の納屋も、同シリーズ「復讐の女神」でバスツアーの集合場所として使われた。自称イノック・アーデンの検死審問が開かれたのは、「コーンワルの毒殺事件」でペンゲリーの裁判が開かれたチズウィック・タウン・ホールで、「消えた廃坑」のレスターのオフィスや「死人の鏡」冒頭のハッチンソン競売商も同所。
 前述のとおり「ミューズ街の殺人」でウェスト下院議員役を演じたジョージ役のデビッド・イェランド以外にも、ジェレミー・クロードを演じるピップ・トレンスが「スペイン櫃の秘密」のリッチ少佐役、検死官のペブマーシュを演じるリチャード・ダーデンが「なぞの遺言書」のドクター・プリチャード役にそれぞれ続く「名探偵ポワロ」2度目の出演。ピップ・トレンスはジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「パディントン発4時50分」にもノエル・カワード(「戦勝舞踏会事件」「二重の罪」(原語音声のみ)、「エッジウェア卿の死」で名前が出る、実在の人物)役で出演しており、同作品にはアデーラ・マーチモント役のジェニー・アガターとキャシー・ウッドワード役のシーリア・イムリーも、アグネス・クラッケンソープ役とマダム・ジョワレ役でそれぞれ出演している。同シリーズでは主演をジュリア・マッケンジーに交代してからも、デビッド・ハンター役のエリオット・カウワンが「魔術の殺人」のウォーリー・ハッド役、ローリー・クロード役のパトリック・バラディが「青いゼラニウム」のジョナサン・フレイン役で出演している。ピーター・ユスチノフ主演の「死者のあやまち」には、ライオネル・ウッドワード役のティム・ピゴット・スミスがサー・ジョージ・スタッブス役で出演。
 リンの吹替を担当した田中敦子さんは、アニメ「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」ではミス・レモンの声を担当している。
 日本では当初、第10シリーズ4作品の2作目として放送される予定だったが、直前の番組編成の変更により、他作品から半年ほど遅れての放送となった。しかしその後の再放送では、本来予定していた放送順に従い、「青列車の秘密」「ひらいたトランプ」の間に放送された。
 冒頭でホワイトヘイブン・マンションの玄関前が映るカットは「ひらいたトランプ」で使われたのと同じ映像だが、通り過ぎる車の色などが調整されている。この映像は、以降の作品でもホワイトヘイブン・マンションへ場面が切り替わる際に繰り返し使われる(というより、この映像しか使われていない)が、ハイビジョンリマスター版でこの映像は、「ひらいたトランプ」の本篇映像と同様にハイビジョン解像度にリマスターされていない。また、デビッド・ハンターたちがポワロの部屋を訪ねる場面の前には玄関前の別のショットも使われているが、以降の作品でこちらの映像は再利用されていない。こちらの映像では画面左に監視カメラが映ってしまっており(実は前者の映像でもわずかに映っているのだけれど)、それが理由で再利用を避けられたのだろうか。
 ポワロが読んでいた、アンダーヘイの行方不明を報じる新聞と、メイフェアでの爆発事故を報じる新聞は、それぞれの記事以外はまったく同じ紙面に見えるのだけれど……
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  1. [1] ピーター・ヘイニング, 『テレビ版 名探偵ポワロ』, pp. 82, 求龍堂, 1998
  2. [2] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 231, headline, 2013
  3. [3] Poirot: Behind the Scenes, 名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 2 特典ディスク, ハピネット・ピクチャーズ, 2008
  4. [4] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 232-233, headline, 2013

ロケ地写真

カットされた場面

なし

映像ソフト

  • 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 2」に収録、単品での一般販売はなし
2018年6月9日更新