エンドハウスの怪事件
Peril at End House

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1990年08月11日 22時40分〜 (NHK総合)
  • 1992年06月06日 15時35分〜 (NHK総合)
  • 1998年12月12日 26時00分〜 (NHK総合)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年01月09日 15時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2016年06月15日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1990年01月07日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 『邪悪の家』 クリスティー文庫 真崎義博訳
  • 『邪悪の家』 クリスティー文庫 田村隆一訳
  • 『邪悪の家』 ハヤカワミステリ文庫 田村隆一訳
  • 『エンド・ハウスの怪事件』 創元推理文庫 厚木淳訳
  • 『エンド・ハウス殺人事件』 新潮文庫 中村妙子訳

原書

  • Peril at End House, Dodd Mead, February 1932 (USA)
  • Peril at End House, Collins, March 1932 (UK)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / エンドハウスの怪事件, PERIL AT END HOUSE / Dramatized by CLIVE EXTON

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / エンドハウスの怪事件 // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PERIL AT END HOUSE / Dramatized by CLIVE EXTON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 クライブ・エクストン 監督 レニー・ライ 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞 ミス・レモン 翠準子  ニック(ポリー・ウォーカー) 中村晃子 チャレンジャー中佐(ジョン・ハーディング) 前田昌明  加藤みどり 小川真司 大塚芳忠 増岡弘 前田敏子 安達忍 吉田理保子 藤本譲 峰恵研 有本欽隆 津田英三 横尾まり ならはしみき 島田敏 / 日本語版 宇津木道子  山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 クライブ・エクストン 演出 レニー・ライ 制作 LWT (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子  ニック(ポリー・ウォーカー) 中村 晃子 チャレンジャー中佐(ジョン・ハーディング) 前田 昌明  加藤 みどり 小川 真司 大塚 芳忠 増岡 弘 前田 敏子 安達 忍 吉田 理保子 藤本 譲 峰 恵研 有本 欽隆 津田 英三 横尾 まり ならはし みき 島田 敏 平川 大輔 松乃 薫 佐々木 省三  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版(前篇)

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Nick Buckley: POLLY WALKER; Commander George Challenger: JOHN HARDING; Bert Croft: JEREMY YOUNG; Ellen: MARY CUNNINGHAM; Jim Lazarus: PAUL GEOFFREY; Freddie Rice: ALISON STERLING; Charles Vyse: CHRISTOPHER BAINES; Milly Croft: CAROL MACREADY; Maggie Buckley: ELIZABETH DOWNES; Inspector: GODFREY JAMES; Dr Graham: JOHN CROCKER / Developed for Television by Picture Partnership Productions / (中略) / Production Designer: MIKE OXLEY / Director of Photography: PETER BARTLETT / Theme Music: CHRISTOPHER GUNNING; Incidental Music: RECHARD HEWSON; Conductor: DAVID SNELL / Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN / Director: RENNY RYE

オリジナル版(後篇)

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Wilson: GEOFFREY GREENHILL; Alfred: JOE BATES; Ellen: MARY CUNNINGHAM; Nick Buckley: POLLY WALKER; Charles Vyse: CHRISTOPHER BAINES; Inspector: GODFREY JAMES; Bert Croft: JEREMY YOUNG; Milly Croft: CAROL MACREADY; Commander George Challenger: JOHN HARDING; Freddie Rice: ALISON STERLING; Hotel Receptionist: JANE PATON; Dr Graham: JOHN CROCKER; Hood: FERGUS McLARNON; Nurse Andrews: JENNY FUNNELL; Jim Lazarus: PAUL GEOFFREY; Maid: JANICE CRAMER; Pageboy: EDWARD PINNER / Developed for Television by Picture Partnership Productions / (中略) / Production Designer: MIKE OXLEY / Director of Photography: PETER BARTLETT / Theme Music: CHRISTOPHER GUNNING; Incidental Music: RECHARD HEWSON; Conductor: DAVID SNELL / Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN / Director: RENNY RYE

あらすじ

 セント・ルーのエンドハウスに住むニック・バックリーは3日間で3度死にかけたという。目前でその4度目を目撃したポワロは、ニックの命を守るべく調査を始めるが、その矢先、ニックのショールを羽織った従妹のマギーが殺されてしまう……

事件発生時期

1935年8月下旬 〜 9月上旬

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
フェリシティ・レモンポワロの秘書
ニック・バックリーエンドハウスに住む娘、本名マグダラ
ジョージ・チャレンジャーニックの友人、海軍中佐
フレデリカ・ライスニックの友人、愛称フレディ
ジム・ラザラスニックの友人、画商
チャールズ・バイスニックの従兄、弁護士
マギー・バックリーニックの従妹
バート・クロフトエンドハウスの別棟の住人
ミルドレッド・クロフトエンドハウスの別棟の住人、バートの妻
エレン・ウィルソンエンドハウスのメイド
ウィルソンエンドハウスの庭師、エレンの夫
グレアム医師
マイケル・シートン冒険飛行家、大尉

解説、みたいなもの

 「名探偵ポワロ」初の長篇。原作は1932年に刊行されたクリスティー初期の代表作の一つで、随所に張り巡らされた伏線と、最後のどんでん返しの連続が冴える。その、短篇の数倍の長さがある原作を、普段の短篇2話分の時間に押し込んでいるものの、原作の主要な要素はほとんど落としておらず、ばっさりと落とされたのは容疑者〈J〉に関する要素くらい。しかしその分、普段の短篇に見られるドラマオリジナルのサイドストーリーがすくなく、また「名探偵ポワロ」でカットされた場面も原作に含まれたくだりが多くなってしまった。また、カットの多くが前半部分に偏っているので、前半に駆け足の感を覚えるかもしれない。
 撮影時期は1989年6月[1]。舞台は「コーニッシュ・リビエラの女王」と称するコーンワルのセント・ルーという設定だが、町の撮影が行われたのはデボンシャーのソルコム。最後にポワロたちがくつろぐ砂浜はソルコムのサウス・サンズで、同じ場所がジェラルディン・マクイーワン主演「ミス・マープル3」の「ゼロ時間へ」にも登場する。セント・ルーの駅はダートマス蒸気鉄道のキングスウェア駅が使われた。なお、原作のセント・ルーのモデルはクリスティーの故郷であるトーキーと言われており、マジェスティック・ホテルも実在のインペリアル・ホテルがモデルとされる。また、ミス・マープル物の『書斎の死体』に登場するデーンマスのマジェスティック・ホテルもやはりこのインペリアル・ホテルがモデルと言われる。[2]
 劇中では飛行家のマイケル・シートンが世界一周飛行に挑戦中という設定だが、リンドバーグが世界で初めて単身の大西洋横断無着陸飛行に成功したのが1927年、同じくポストが単身の世界一周飛行に成功したのが1933年。原作執筆・発表時は単身による世界一周飛行は未達成だったが、ドラマの舞台の1935年にはすでに成功例があったことになる。
 ヘイスティングスが「ひどいな」と評した、「(行方不明のシートンは)太平洋の小島に不時着しているのかもしれない」に対するポワロの「無人島にね」という台詞は、原語では 'Cannibals (人食い人種)' と言っていてもっとひどい。また、それにつづくヘイスティングスの「でも、イギリス人はたいしたものですね」という台詞は、原語では 'Makes you proud to be an Englishman, though. (イギリス人であることが誇らしくなるでしょう)' という台詞で、そのために「私はイギリスに生まれなかったことを悲しいとは思っていませんからね」というポワロの台詞につながる。
 ヘイスティングスがエンドハウスでニックとの出会いを説明する場面でかかっているのは Love is the Sweetest Thing という曲。
 クロフト夫妻がお互いの呼びかけに使った「クーイー (cooee)」とは日本語の「おーい」に近いニュアンスの言葉で、もともとオーストラリア原住民が用い、入植者のあいだでも使われるようになった。そのため、この言葉を使うことは、いかにもなオーストラリア人らしさを感じさせる。
 チャレンジャー中佐の「前進しましたか?」にポワロが聞き返したのは、原語では 'Are you any forrader?' と言っていて、 forwarder の方言である forrader をポワロが聞き取れなかったため。
 ポワロがニック殺害の企てについて「犯人は4度やって失敗し」と口にする場面があるが、その時点では、ニックが死にかけたと言っていた3回、帽子に穴が穿いていた件、そしてマギーが殺された件を合計して「失敗」は5回になるはず。なお、ハイビジョンリマスター版では、「このポワロがマドモワゼル・ニックを危険から守ると約束したんですよ。今回は運良く難を逃れましたが、マドモワゼル・マギーが身代わりになったんです」という台詞の原語でも 'After three attempts have been made on the life of Mademoiselle Nick, Poirot gave his word he would protect her. The fourth attempt apparently misfired, and Mademoiselle Maggie Buckly was killed. (マドモワゼル・ニックの殺害未遂が3度あって、ポワロは彼女を守ると約束したんです。4度目も表面的には失敗ですが、マドモワゼル・マギーが殺されたんですよ)' と言っていて、ここでも回数が1回すくない。
 マジェスティック・ホテルのテラスからエンドハウスが見えるが、それぞれのロケ地は実は離れており、エンドハウスの側を背景にポワロたちが座るテーブルを映したカットのみ、別の場所で撮影したものを編集でつないでいる。また、ドクター・グレアムの診療所とその入り口の坂道も、撮影場所はそれぞれ別である。
 初の長篇原作作品のメインゲストとなったニック役のポリー・ウォーカーは、シルベスター・スタローン主演の「D-TOX」、ジャン・レノ主演の「ロザンナのために」、グウィネス・パルトロウ主演の「エマ」、ハリソン・フォード主演の「パトリオット・ゲーム」などの映画に出演している(「パトリオット・ゲーム」にはヘイスティングス役のヒュー・フレイザーも出演)ほか、後年、ジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル3」の一篇「バートラム・ホテルにて」にもベス・セジウィック役で出演。また、ジム・ラザラス役のポール・ジョフリーは、ジョン・ソウ主演の「主任警部モース」の一篇、「ウッドストック行最終バス」のピーター・ニューラブ役で、エレン役のメアリ・カニンガムは、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「レディー・フランシスの失踪」のミス・コルダー役で見ることができる。クロフト夫人役のキャロル・マクレディは、ビル・ビクスビー主演の「ロンドン殺人事件」にピアス夫人役で出演。
 日本語音声のポワロの口調は「ミューズ街の殺人」「コックを捜せ」などの初期作品に近い。
 日本で流通している映像ソフトでは英国オリジナル版として前後篇2話構成のものが収録されており、イギリスではこの形式で放送されたとの資料もあるが[3][4]、実際には分割されていない長篇1話形式のものが放送されたようで[5]、イギリスで流通している一部の映像ソフトにもこの形式のものが収録されている。これには、後篇冒頭部分に当たる、ホテルのロビーでヘイスティングスがゴルフに行こうとしてポワロに怒られる場面(ここでのやりとりが前篇相当部分のあらすじの復習になっている)が存在しない。「名探偵ポワロ」オリジナル版でも同じ場面がカットされて長篇1話構成になっているが、後篇相当部分にしか登場しないミス・レモン役のポーリーン・モランが冒頭にクレジットされないことから、前後篇2話構成のものを素材に、日本で1話にまとめたと見られる。「名探偵ポワロ」ハイビジョンリマスター版も同様に1話構成だが、やはり前後篇2話構成のものを素材にしていると見られ、オープニングクレジットにポーリーン・モランの名前はなく、後篇冒頭の場面が含まれる。日本の CS 放送やインターネット配信で使われている字幕版も1話構成だが、エンディングクレジットは長篇1話形式のものではなく後篇用のものが使われていて、前篇にしか登場しないキャストの情報が記載されていない。
 » 結末や真相に触れる内容を表示
  1. [1] Mark Aldridge, Agatha Christie on Screen, pp. 251, Palgrave Macmillan, 2016
  2. [2] 早川書房編集部編, 『アガサ・クリスティー99の謎』, pp. 170-171, 早川書房(クリスティー文庫), 2004
  3. [3] 北島明弘, 『映画で読むアガサ・クリスティー』, pp. 149, 近代映画社, 2010
  4. [4] 英国テレビ文庫itvコレクション 名探偵ポワロ 徹底解説 エンドハウスの怪事件
  5. [5] Mark Aldridge, Agatha Christie on Screen, pp. 282, Palgrave Macmillan, 2016

ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[0:03:19/0:23]ホテル到着後の部屋でのポワロとヘイスティングス 〜 ホテルの庭の情景 〜 庭でくつろぐポワロとヘイスティングス
[0:12:36/0:32]揃いの時計についてのヘイスティングスとライス夫人の会話 〜 ライス夫人とラザラスのダンス
[0:17:32/1:15]ポワロとヘイスティングスが町でニックの友人たちについて話しあう場面
[0:20:07/0:35]ホテルのラウンジにおける、車の修理工場を訪ねたヘイスティングスの話
[0:22:00/0:21]エンドハウス前のポワロとヘイスティングス
[0:28:55/0:33]花火の場面前半の一部、ニックとクロフトの会話
[0:34:17/1:10]ベッドのニック 〜 夜の療養所でのポワロとヘイスティングスの会話 〜 夜の病室のニック
[0:44:00/0:07]療養所をあとにするポワロとヘイスティングス( 〜 前篇エンディング)
[0:44:00/1:45](後篇オープニング 〜 )ヘイスティングスがゴルフに行こうとしてポワロに怒られる場面
[0:49:11/0:40]ポワロとヘイスティングスがニックの寝室で遺言状を捜す場面の前半
[1:02:04/0:41]部屋で物思いに沈むポワロのアップ 〜 ホテルのラウンジでポワロを気遣うヘイスティングスとミス・レモンの会話
[1:11:28/0:06]夜のエンドハウス外観 〜 車でやってくるラザラスとライス夫人冒頭

映像ソフト

  • [VHS, LD] 「名探偵ポアロシリーズ Vol.2 エンドハウスの怪事件」(字幕) ハミングバード
  • [VHS] 「名探偵エルキュール・ポアロ 第9巻 邪悪の家」(字幕) 日本クラウン
  • [DVD] 「名探偵ポワロ 6 エンドハウスの怪事件」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ
  • [DVD] 「名探偵ポワロ [完全版] 6 エンドハウスの怪事件」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ
  • [BD] 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 3 クラブのキング, 夢, エンドハウスの怪事件」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ

同原作の映像化作品

  • [アニメ] 「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第16話〜第18話 エンドハウス怪事件」 2004年 監督:高橋ナオヒト 出演:里見浩太朗、折笠富美子、野島裕史、屋良有作、田中敦子
2018年6月9日更新