エジプト墳墓のなぞ
The Adventure of the Egyptian Tomb

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1993年07月03日 21時00分〜 (NHK総合)
  • 1994年01月29日 14時05分〜 (NHK総合)
  • 1995年08月21日 17時15分〜 (NHK総合)
  • 1998年12月22日 15時10分〜 (NHK総合)
  • 2003年07月23日 18時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年06月18日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2016年11月23日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1993年01月17日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 「エジプト墳墓の謎」 - 『ポアロ登場』 クリスティー文庫 真崎義博訳
  • 「エジプト墳墓の謎」 - 『ポアロ登場』 ハヤカワミステリ文庫 小倉多加志訳
  • 「エジプト王の墳墓の事件」 - 『ポワロの事件簿1』 創元推理文庫 厚木淳訳
  • 「エジプト墓地の冒険」 - 『クリスティ短編集1』 新潮文庫 井上宗次・石田英二訳

原書

雑誌等掲載

  • The Adventure of the Egyptian Tomb, The Sketch, 26 September 1923 (UK)
  • The Egyptian Adventure, The Blue Book Magazine, August 1924 (USA)

短篇集

  • The Adventure of the Egyptian Tomb, Poirot Investigates, The Bodley Head, September 1924 (UK)
  • The Adventure of the Egyptian Tomb, Poirot Investigates, Dodd Mead, 1925 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PAULINE MORAN / エジプト墳墓のなぞ, THE ADVENTURE OF THE EGYPTIAN TOMB / Dramatized by CLIVE EXTON

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / エジプト墳墓のなぞ // HUGH FRASER / PAULINE MORAN / THE ADVENTURE OF THE EGYPTIAN TOMB / Dramatized by CLIVE EXTON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 クライブ・エクストン 監督 ピーター・バーバー・フレミング 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ミス・レモン 翠準子  エイムズ 堀勝之祐 ガイ 江原正士 矢田稔 大滝進矢 瀬能礼子 千田光男 福田信昭 藤本譲 大友龍三郎 依田英助 阿部道子 篠原大作 / 日本語版 宇津木道子  山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンドリュー・マーシャル 演出 レニー・ライ 制作 LWT (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子  エイムズ 堀 勝之祐 ガイ 江原 正士  矢田 稔 大滝 進矢 瀬能 礼子 千田 光男 福田 信昭 藤本 譲 大友 龍三郎 依田 英助 阿部 道子 篠原 大作  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Dr. Ames: ROLF SAXON; Henry Schneider: OLIVER PIERRE; Dr. Fosswell: JON STRICKLAND; Felix Bleibner: BILL BAILEY; Rupert Bleibner: PAUL BIRCHARD; Nigel Harper: SIMON COWELL-PARKER; Sir Guy Willard: GRANT THATCHER; Lady Willard: ANNA CROPPER; Hassan: MOZAFFAR SHAFEIE; Sir John Willard: PETER REEVES; Waiter: BOB WISDOM / Developed for Television by Carnival Films; (中略) Production Designer: TIM HUTCHINSON; Director of Photography: NORMAN LANGLEY B.S.C.; Music: CHRISTOPHER GUNNING; Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN; Director: PETER BARBER FLEMING

あらすじ

 エジプトの王家の谷の発掘隊がメンハーラ王の埋葬室に入った途端、リーダーのウィラード卿が急死した。そのあとも発掘隊関係者に死者が続出し、王の呪いではないかと怖れるレディー・ウィラードの依頼でポワロがエジプトに赴くが……

事件発生時期

1936年6月上旬? 〜

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
フェリシティ・レモンポワロの秘書
ジョン・ウィラード卿考古学者、発掘隊のリーダー
レディー・ウィラードウィラード卿の妻
ガイ・ウィラード卿ウィラード卿夫妻の息子
ロバート・エイムズ医師
ヘンリー・シュナイダーメトロポリタン美術館研究員
レナード・フォスウェル大英博物館研究員
フェリックス・ブライブナー発掘隊の後援者
ルパート・ブライブナーフェリックスの甥
ナイジェル・ハーパーブライブナーの秘書
ハッサン現地人の召使い

解説、みたいなもの

 第1シリーズの「海上の悲劇」以来のエジプトを舞台とする作品。ただしロケ地は今回もエジプトではなく、 Agatha Christie's Poirot のエンディングクレジットにスペインのスタッフの名前があるとおり、スペイン南部のアルメリア近郊で撮影された[1][2]。スーシェは本作品の撮影前に最愛の母を亡くしており、その悲痛のなかでの撮影だったという[3]。撮影時期は1992年5月頃[2]
 クライブ・エクストンの脚本らしく、第5シリーズの中ではかなり原作に忠実に映像化された部類に入るが、原作にあった要素のうち、ルパート・ブライブナーが放蕩者で伯父との折りあいも悪く、エジプトにまで金の無心に来たが断られたという伏線はなくなっている。原作で描かれているのは、主に2回目のレディー・ウィラードとの会見以降の部分。
 原作によればメンハーラ王は「第八王朝のなぞの多い王の一人」とされており、この第八王朝は紀元前22世紀頃に存在した王朝。ドラマで石棺を開けた際のポワロの台詞「この王様はトロイの都が包囲されたさらに1000年も前からここに横たわっていたんです」は紀元前23世紀頃を指すが、「1000年も前」をおおざっぱな表現ととらえれば、原作の設定に準じていると取ることはできる。ただし、第八王朝でもほかの王朝でも、メンハーラという王が実在したという記録はない模様。原作は『ザ・スケッチ』誌1923年9月26日号に発表されたもので、前年のツタンカーメン王の墳墓発見に着想を得て書かれたと見られる。ツタンカーメン王の墳墓は1922年11月4日にイギリスの考古学者ハワード・カーターによって発見されたが、その直後に後援者のカーナヴォン伯爵が不慮の死を遂げ、王家の呪いとして喧伝された。撮影に当たっては、美術監督のティム・ハッチンソンも、このツタンカーメン王の墳墓発掘の写真を大いに参考にしたという[1]。ただ、劇中の発掘隊のキャンプに掲げられたエジプト国旗は1984年に制定されたもので、1936年当時は緑の地に白い三日月と星3つをあしらった旗だった。
 序盤にポワロがミス・レモンに見せた、ジョン・ウィラード卿の死去を報じる新聞には MONDAY, JUNE 24, 1936 (1936年6月24日月曜日) とあるが、1936年6月24日は水曜日。一方、ヘイスティングスがニューヨークで見た、ブライブナーの死を報じる新聞の日付は MONDAY, JANUARY 6, 1936. (1936年1月6日月曜日) となっていて、曜日は正しいが、日付がジョン卿死去より前になっているだけでなく、処女航海が1936年5月であるクイーン・メリー号がすでに就航していると見られることや、劇中がアジサイの咲く季節であることともあわない。また、この新聞には INHERITANCE PASSES TO SON (遺産は息子が相続) と見出しがあるが、ブライブナーの遺産は甥のルパートに渡ったはず。
 ヘイスティングスがニューヨークで朝食を頼む場面を原語で聞くと、 over easy や sunny-side up といったアメリカ風の言葉がわからなくてまごついているのがわかる。また、ハーパーが「ぼくは現代の科学が教えることを信じますよ」と言ったのにポワロが「古代エジプトに科学はなかったんでしょうか?」と返すところはすこし噛み合っていないように感じられるが、原語では 'We're men of science and I believe what science teaches. (ぼくらは科学の徒ですから、ぼくは科学が教えることを信じますよ)' という台詞で、ルパートは科学を現代のものに限定していない。そして、石棺の蓋をすでに持ち上げたあとにフォスウェル博士が(さらに?)「蓋を上げろ」と言うところは原語だと 'Tie off.' で、持ち上げた蓋を、ロープを結んで維持するように指示している。
 ヘイスティングスがアメリカから帰ってくるのにあたって乗ってきたのは、「100万ドル債券盗難事件」でポワロとヘイスティングスが処女航海に乗船したクイーン・メリー号。クイーン・メリー号の入港シーンは、この「100万ドル債券盗難事件」からの使いまわし(というか、「100万ドル債券盗難事件」の映像がそもそも記録映像からの流用と思われる)。
 ヘイスティングスがルパート・ブライブナーの書き残したメモの写しを読み上げるとき、原語では「愛する人」を the people I love と言っているが、紙には the people that I love と書いてある。
 「名探偵ポワロ」ではハイビジョンリマスター版でのみ見られる場面で、ミス・レモンが言った映画の台詞に出てくるダッチ・シュルツとは、ニューヨークに実在したギャングの名前。つまり、ミス・レモンが提案した「資料」の略語「マルシ」は、「安いマンションの事件」で見られたアメリカのギャング映画で使われるような言葉ということ。また、やはりハイビジョンリマスター版でのみ見られるヘイスティングスとミス・レモンが占い(プランシェット)をしている場面では、盤をどけたとき、下の紙に書かれた線が明らかにペンのあった場所で終わっていない。発掘現場の夜のテント内でポワロの顔がアップになったとき、スーシェがコンタクトレンズをつけていることが照明の具合でわかるのも、ハイビジョンリマスター版だとより明瞭。
 ウィラード卿の邸宅は、バッキンガムシャーのジェラーズ・クロスにあるホワイト・ゲーブル。ポワロが2度目のレディー・ウィラードとの会見のあとで見に行ったのは、大英博物館の1階4番の部屋に展示されたラムセス二世の胸像。このラムセス二世は第八王朝から約900年後の第十九王朝の王で、古代エジプトをもっとも繁栄させ、ピーター・ユスチノフ主演の映画「ナイル殺人事件」でも見られるアブ・シンベル神殿をはじめとした、現存する巨大建造物を多く遺したことで知られる。「盗まれたロイヤル・ルビー」の〈盗まれたロイヤル・ルビー〉も、このラムセス二世の時代から伝わったものと思われる。
 今回のテーマ曲は、「戦勝舞踏会事件」のメインテーマのアレンジ。
 デビッド・スーシェの自伝によれば、エジプトの場面の撮影地はモロッコであり、炎天下での撮影中、地元の警察署に到着する場面で彼が気を失って倒れるハプニングもあったという[3]。しかし、前述のとおりロケ地はスペインであり、警察署に関わる場面も、完成された作品では一切見ることができない。おそらく、撮影地がモロッコというのは「死との約束」と、地元の警察署に到着する場面で倒れたというのは「メソポタミア殺人事件」と、それぞれ混同されたと思われる[4][5]
 » 結末や真相に触れる内容を表示
  1. [1] To mark Poirot's final case: how the Belgian 'tec met his match in the desert-Gareth Huw Davies
  2. [2] Poirot star Hugh Fraser David on becoming a crime writer and his first book Harm | Life | Life & Style | Express.co.uk
  3. [3] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 137-138, headline, 2013
  4. [4] Hercule Poirot Huitieme Saison
  5. [5] Think Poirot's an eccentric obsessive? A revealing portrait of actor David Suchet as he kills his greatest creation | Daily Mail Online

ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[08:25/0:26]電報での biography の略語に関するポワロとミス・レモンの会話
[10:34/0:23]ルパートのエジプト回想 〜 レストランで席に案内されるヘイスティングス
[14:07/0:24]ルパートに関するポワロとヘイスティングスの会話の一部
[18:20/1:19]ヘイスティングスとミス・レモンが占いをしているところへポワロが帰宅し、エジプト行きを告げる場面 〜 キャンプを歩くエイムズ
[21:59/1:08]エイムズの説明に頷くポワロ 〜 シュナイダーの遺体が運び出される場面 〜 ポワロが発掘品を見る場面の冒頭
[23:25/1:00]ヘイスティングスとハッサンがガイ卿について会話する場面
[29:12/0:28]テントでのポワロとヘイスティングスの会話の一部、ミス・レモンの死んだ猫に関する部分
[29:49/0:28]昼寝をしようとしたヘイスティングスをポワロが起こしにくる場面

映像ソフト

同原作の映像化作品

  • [アニメ] 「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第11話〜第12話 エジプト墳墓の謎」 2004年 監督:高橋ナオヒト 出演:里見浩太朗、折笠富美子、野島裕史、田中敦子
2018年4月14日更新