エッジウェア卿の死
Lord Edgware Dies

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 2000年12月31日 16時05分〜 (NHK総合)
  • 2004年02月07日 24時50分〜 (NHK総合)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年09月17日 15時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年02月22日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2000年02月19日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 『エッジウェア卿の死』 クリスティー文庫 福島正実訳
  • 『エッジウェア卿の死』 ハヤカワミステリ文庫 福島正実訳
  • 『晩餐会の13人』 創元推理文庫 厚木淳訳
  • 『エッジウェア卿殺人事件』 新潮文庫 蕗沢忠枝訳

原書

  • Lord Edgware Dies, Collins, September 1933 (UK)
  • 13 at Dinner, Dodd Mead, 1933 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

海外ドラマ // 名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / エッジウェア卿の死 // DAVID SUCHET / HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / LORD EDGWARE DIES / Based on the novel by AGATHA CHRISTIE / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / エッジウェア卿の死 // DAVID SUCHET / HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / LORD EDGWARE DIES / Based on the novel by AGATHA CHRISTIE / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロウィッツ 演出 ブライアン・ファーナム 制作 カーニバル・フィルム(イギリス 1999年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞  ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 安原義人 ミス・レモン(ポーリーン・モラン) 翠準子  ジェーン 塩田朋子 エッジウェア卿 勝部演之 ブライアン 佐々木勝彦 カーロッタ 野沢雅子  石塚理恵 駒塚由衣 神保共子 仲野裕 石塚運昇 岩崎ひろし 関俊彦 大木民夫 斉藤昌 佐藤しのぶ 久保田民恵 寺内よりえ 岩田安生 水野龍司 北川勝博 清水敏孝 柳知樹 / 日本語版スタッフ 宇津木道子  金谷和美 南部満治 浅見盛康  佐藤敏夫

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロヴィッツ 演出 ブライアン・ファーナム 制作 カーニバル・フィルム (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子  ジェーン 塩田 朋子 エッジウェア卿 勝部 演之 ブライアン 佐々木 勝彦 カーロッタ 野沢 雅子  石塚 理恵 駒塚 由衣 神保 共子 仲野 裕 石塚 運昇 岩崎 ひろし 関 俊彦 大木 民夫 斉藤 昌 佐藤 しのぶ 久保田 民恵 寺内 よりえ 岩田 安生 水野 龍司 北川 勝博 清水 敏孝 矢薙 直樹  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 佐藤 敏夫 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Director: BRIAN FARNHAM / Producer: BRIAN EASTMAN / For A&E Television Networks; Exective Producer: DELIA FINE; Supervising Producer: KRIS SLAVA / Director of Photography CHRIS O'DELL; Production Designer: ROB HARRIS; Costume Designer: CHARLOTTE HOLDICH; Make-up: PAM MEAGER / Music: CHRISTOPHER GUNNING; Editor: FRANK WEBB; Sound Recordist: SANDY MACRAE; Associate Priducer: PETER HIDER / Poirot: DAVID SUCHET; Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Jane Wilkinson: HELEN GRACE; Lord Edgware: JOHN CASTLE; Carlotta Adams: FIONA ALLEN; Bryan Martin: DOMINIC GUARD / Penny Driver: DEBORAH CORNELIUS; Geraldine Marsh: HANNAH YELLAND; Ronald Marsh: TIM STEED; Miss Carroll: LESLEY NIGHTINGALE; Alton: CHRISTOPHER GUARD; Donald Ross: IAIN FRASER; Duke of Merton: TOM BEARD; Alice: VERGINIA DENHAM / Sir Montagu Corner: JOHN QUENTIN; Lady Corner: JANET HARGREAVES; Lucie Adams: ALIZA JAMES; Addison: MARK BRIGNAL; Ellis: FENELLA WOOLGAR; Thompson: JOHN HART DYKE; Receptionist: JONATHAN ARIS; Pageboy: RORY FIRTH; Airport Clerk: NICOLA MICHAELS / (中略) / CARNIVAL FILMS in association with A&E TELEVISION NETWORKS and AGATHA CHRISTIE LTD

あらすじ

 ポワロが再びロンドンに事務所を開いたその日、ヘイスティングスも南米から帰国した。2人は物真似の名人カーロッタ・アダムスのディナーショーで、女優ジェーン・ウィルキンソンと出会う。やがて、彼女の夫のエッジウェア卿が殺害され、彼女に容疑がかかるが……

事件発生時期

1936年5月 〜 8月上旬

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
フェリシティ・レモンポワロの秘書
ジェーン・ウィルキンスン女優
ジョージ・アルフレッド・セント・ビンセント・マーシュジェーンの夫、第4代エッジウェア男爵
カーロッタ・アダムスアメリカ人の女優、物真似の名人
ブライアン・マーチン俳優、ジェーンの元恋人
ペニー・ドライバーカーロッタの友人、帽子デザイナー
ジェラルディン・マーシュエッジウェア卿と先妻の娘
ロナルド・マーシュエッジウェア卿の甥、演劇プロデューサー
ジョイス・キャロルエッジウェア卿の秘書
オルトンエッジウェア卿の執事
ドナルド・ロス劇作家
パーシージェーンの婚約者、マートン公爵
ルーシー・アダムスカーロッタの妹
エリスジェーンのメイド
アリスカーロッタのメイド
サー・モンタギュー・コーナー晩餐会の主催者
レディー・エリノア・コーナーサー・モンタギューの妻

解説、みたいなもの

 ポワロが現役復帰を決意するまでを描いた前作につづき、レギュラーメンバーの再結集を描く。前シリーズではレギュラーメンバーの4人全員が共演する作品がなかったため、4人が一堂に会するのは第5シリーズの「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」以来となる。ただし、「もの言えぬ証人」までヘイスティングスの吹替を担当した富山敬さんは1995年9月に亡くなっており、本作品から安原義人さんに交代した。冒頭で触れられるヘイスティングス夫妻のなれそめは「ゴルフ場殺人事件」のこと。
 今回は登場人物にはほとんど省略がなく、せいぜいマートン公爵の母親やウィドバーン夫人がカットされた程度。また、事件にまつわる本筋上のストーリーの変更点も、執事のオルトン死亡にいたるアクションシーンが追加されたほかは、出来事の順番が入れ替わっていたり、5つの疑問の内容が一部変更されていたり、薬入れのイニシャルが D から P になって、ジェニーがペニーに改名されていたり(ジェーンと同じイニシャルになるのを避けるためか)、と細々した変更が多い。
 本作は、かつてピーター・ユスチノフ主演で映像化されたことがある原作の、このドラマシリーズ初めての再映像化となった。このユスチノフ版「エッジウェア卿の死」ではデビッド・スーシェがジャップ警部を演じており、その撮影の合間にスーシェは、ユスチノフから「君ならポワロをとてもうまく演じられるだろうね」と言われたこともあったという。ただ、そのときのジャップ警部の演技については、おそらく人生で最悪の演技だったとスーシェはくり返し回顧している。[1][2]
 ポワロの引退期間は、「アクロイド殺人事件」によって1年弱キングズ・アボット村で暮らしていたことがわかっているので、すくなくともそれ以上と考えられるが、カーロッタの手紙に書かれた日付は相変わらず1936年の6月29日で、マートン公爵の小切手の日付は同年8月1日。たとえば「ABC殺人事件」では、同じ1936年の8月21日にヘイスティングスが6ヶ月ぶりに南米から帰国したことになっているのだけれど。
 冒頭の「シェークスピアのお芝居」は、『マクベス』の第二幕第二場。ジェーンがマクベス夫人、ブライアン・マーチンがマクベス役。また、ジェラルディンとロナルドがオペラ「ドン・ジョバンニ」の第二幕と第三幕の幕間にエッジウェア邸に向かったことになっているが、「ドン・ジョバンニ」は二幕もの。なお、ロナルドがこの「幕間」を「まくま」と読んでいるが、これは慣用読みで、本来は「まくあい」。
 空港で滞在先を訊かれたヘイスティングスが、ホテルの名前を略して「パレスに」と答えたときにポワロが軽く驚いたような表情を見せるのは、原語 The Palace が「宮殿に」という意味でも受け取れるため。
 ポワロがミス・レモンに「それもベルギーのおばさま直伝のレシピ?」と訊かれるのは、同じくホロウィッツが脚本を手がけた「ヒッコリー・ロードの殺人」で「昔、学生だった頃に母から教わった自慢の一品」を披露したことを受けてのように思われるが、ここでの「おばさま」の原語は aunt で、狭義に「伯母」ないしは「叔母」である。
 ミス・レモンがヘイスティングスに紹介した物件は「地下室」ということだが、ロンドンの建物はしばしば道路とのあいだが一段掘り下げられており、本来なら地下になる高さにも窓や出入り口がある。原語の basement flat はそうした一室を貸し出したもので、「ビッグ・フォー」でポワロが向かったダレルのフラットがそれ。ミス・レモンの台詞も、原語には、外光も届かない地下室であるせいで安くされている特殊な物件というニュアンスは強くない。
 日本語で「わたしに代わって目と鼻と」とポワロが言ったのをヘイスティングスが「耳で」と受けるところは、原語だとポワロが eyes and ears (目と耳で) という言いまわしをまちがえたのをヘイスティングスが訂正している。
 ロナルド・マーシュの昼食会の席上、ドナルド・ロスが「目下のところぼくが熱くなっているのはパリスの審判ですね」と言ったのに対してジェーンが「でもファッションでしたら、パリはもう審判の立場にないわ」と応じる場面があるが、英語ではフランスの首都「パリ (Paris)」も s を発音し、パリスの審判の「パリス」と同じ発音になる。
 ジェーンの住むマンションは、「100万ドル債券盗難事件」のエズミーや「戦勝舞踏会事件」のココが住んでいたマンションで、「死人の鏡」ではモダンアートの美術館としても使われたハイポイントI。また、カーロッタの住むアディスランド・コートは、「イタリア貴族殺害事件」にフォスカティーニ伯爵の住まいとして登場。クロイドン空港は「西洋の星の盗難事件」「雲をつかむ死」にも登場したショアハム空港だが、外観がすこし変更されている。ディナーショー〈カーロッタ・アダムスとの夕べ〉が開かれ、解決篇の舞台ともなるゲイエティ劇場は、「安いマンションの事件」冒頭でポワロたちが映画を観たアストリア劇場(現 O2 アカデミー・ブリクストン)。ミス・レモンが宝石店を訪ねたボンド・ストリートのバーリントン・アーケードは、「ベールをかけた女」の冒頭で宝石強盗のあった場所。新たなロケ地では、リージェント・ゲートにある設定のエッジウェア邸の外観はケンジントンのアディソン・ロードにあるデベナム・ハウス、内部はテンプルのテンプル・プレース2番地。ヘイスティングスが滞在したピカデリー・パレス・ホテルはベスナル・グリーンのタウン・ホール・ホテルで、ポワロがジェーンと歩いていた公園はマウント・ストリート・ガーデンズ。ペニーの帽子店の所在は、ユーストン駅に程近いデュークス・ロード。
 エッジウェア卿役のジョン・カースルは、ジョーン・ヒクソン主演の「ミス・マープル」シリーズでクラドック警部を演じているほか、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「美しき自転車乗り」でもカラザース役を演じている。また、ジェラルディン・マーシュ役のハンナ・イェランドは、「ミューズ街の殺人」でウェスト下院議員を演じ、「満潮に乗って」以降ポワロの執事のジョージを演じているデビッド・イェランドの娘。オルトン役のクリストファー・ガードは、ピーター・ユスチノフ主演の「死者のあやまち」ではアレック・レッグ役を演じていた。
 コーナー邸のある「ホールバン」とは、「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」でグレースがかつて働いていたバーがあったという、ロンドンのホルボーンのこと。また、ルーシーがカーロッタのマンションまで乗ってきたタクシーの運転手の「1ポンド6ペンスです」という台詞は、原語では 'One and six, please, madam.' となっていて、これは1シリング6ペンスのこと。
 ポワロの部屋の向かいの部屋番号が 54 から 56A へ。また、ジャップ警部がオフィスを替えてもたいてい傍らに置かれていた扇風機が姿を消している。
 オルトンが空港のロビーに落下する際、オリジナル版では衝撃吸収マットが跳ね上がるのが見えてしまっている。ハイビジョンリマスター版では映像の合成により修正されているが、一緒に落ちたトランクが床からだいぶ高い位置でバウンドしていることや、左側の壁に映った影に名残が見える。なお Agatha Christie's Poirot では、映像の画面比が 4:3 のバージョンではマットが見えているが、 16:9 のバージョンでは修正後の映像が使われており、この修正は HD 化より前の段階でおこなわれたようだ。
 » 結末や真相に触れる内容を表示
  1. [1] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 16-17, headline, 2013
  2. [2] Poirot: David Suchet bids a fond farewell - BBC News

ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[0:13:47/0:21]ジェーンと別れた直後のポワロとヘイスティングスの会話
[0:26:45/0:06]エッジウェア邸の門から玄関へ向かうポワロとヘイスティングス
[0:28:40/0:06]ミス・キャロルに先導されて階段上へ向かう一同
[1:10:59/0:14]ロナルド・マーシュ主催のパーティーでのジェーンとブライアンのやりとり

映像ソフト

同原作の映像化作品

  • [映画] 「Lord Edgware Dies」 1934年 監督:ヘンリー・エドワーズ 出演:オースティン・トレバー
  • [TV] 「エッジウェア卿の死」 1985年 監督:ルー・アントニオ 出演:ピーター・ユスチノフ(福田豊土)、ジョナサン・セシル(羽佐間道夫)、デビッド・スーシェ(池田勝)
2018年7月7日更新