もの言えぬ証人
Dumb Witness

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1997年12月30日 17時05分〜 (NHK総合)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年09月03日 15時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年02月08日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1997年03月16日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 『もの言えぬ証人』 クリスティー文庫 加島祥造訳
  • 『もの言えぬ証人』 ハヤカワミステリ文庫 加島祥造訳

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

DAVID SUCHET // DAVID SUCHET / HUGH FRASER / もの言えぬ証人, DUMB WITNESS / Based on the novel by AGATHA CHRISTIE / Dramatized by DOUGLAS WATKINSON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ダグラス・ワトキンソン 監督 エドワード・ベネット 制作 LWT(イギリス) / 声の出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬  チャールズ 中尾隆聖 ベラ 藤田淑子 ジェイコブ 屋良有作 テリーザ 高島雅羅 エミリー 鳳八千卋  喜多道枝 山野史人 水城蘭子 沼波輝枝 金尾哲夫 糸博 藤木聖子 関根信昭 コヒエミオコ 松下美由紀 / 日本語版スタッフ 宇津木道子  兼子芳博 南部満治 畠山和枝  山田悦司

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ダグラス・ワトキンソン 演出 エドワード・ベネット 制作 LWT (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人  チャールズ 中尾 隆聖 ベラ 藤田 淑子 ジェイコブ 屋良 有作 テリーザ 高島 雅羅 エミリー 鳳 八千代  喜多 道枝 山野 史人 水城 蘭子 沼波 輝枝 金尾 哲夫 糸 博 藤木 聖子 関根 信昭 コヒエ ミオコ 松下 美由紀 佐々木 瑶子 飯島 肇 増田 淳  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 兼子 芳博 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Derected by: EDWARD BENNETT / Produced by: BRIAN EASTMAN / Exective Producer: SARAH WILSON / Assosicate Producer: CHRISTOPHER HALL; Music: CHRISTOPHER GUNNING / Director of Photography: SIMON KOSSOOFF B.S.C.; Editor: ANDREW McCLELLAND; Sound Recordist: RUDI BUCKLE / Production Designer: ROB HARRIS; Costume Designer: ANDREA GALER; Make up: SUZAN BROAD / Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Hastings: HUGH FRASER; Emily Arundel: ANN MORRISH; Charles: PATRICK RYECART; Theresa: KATE BUFFERY; Jacob: PAUL HERZBERG; Bella: JULIA ST JOHN; Wilhemina: NORMA WEST; Dr Grainger: JONATHAN NEWTH; Isabel Tripp: PAULINE JAMESON; Julia Tripp: MURIEL PAVLOW; Sarah: PAT O'TOOLE; Sgt Keeley: GEOFFREY FRESHWATER; Steward: JESTYN PHILLIPS; Alexis: TOBIAS SAWNDERS; Katya: LAYLA HARRISON; Vicar: STEPHEN TOMLIN; American: TIM WILLIAMS; Mrs Finch: SARAH STEPHENSON; Starter: GEOFFREY BANKS; Bob: 'SNUBBY' / (中略) / A CARNIVAL FILMS PRODUCTION in assosiation with LWTP

あらすじ

 裕福な老婦人エミリー・アランデルは、親族の誰かが自分の命を狙っていると感じ、ポワロの助言を容れて遺言状を書きかえる。しかし、その後間もなく彼女は死に、その遺産はすべて話し相手のウィルミーナへ。はたして、“もの言えぬ証人”ボブの見たものとは……

事件発生時期

不詳

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
エミリー・アランデル裕福な老婦人
チャールズ・アランデルエミリーの甥、ヘイスティングスの友人
テリーザ・アランデルエミリーの姪、チャールズの妹
ベラ・タニオスエミリーの姪
ジェイコブ・タニオスベラの夫、医師、ギリシャ人
アレクシス・タニオスタニオス夫妻の息子
カティア・タニオスタニオス夫妻の娘
ウィルミーナ・ローソンエミリーの話し相手
ジョン・グレンジャーエミリーの主治医
イザベル・トリップ霊媒
ジュリア・トリップイザベルの妹
セーラリトル・グリーン・ハウスのメイド
ウォルターモーター・ボート・クラブの給仕
キーリー巡査部長
ボブエミリーの飼い犬

解説、みたいなもの

 ヘイスティングスの吹替を担当してきた富山敬さんの「名探偵ポワロ」最後の出演作品。原作では、この作品を境にヘイスティングスが読者の前から姿を消し、「カーテン 〜ポワロ最後の事件〜」で再登場するまで約40年間のブランクが空くことになる。
 原作の、ポワロのもとに老婦人から手紙が届き、彼が現地へ出向いたときには依頼人はすでに死んでいるという冒頭、そして直前に書きかえられた遺言状で話し相手に全財産が行くことになったという状況設定などは短篇「あなたの庭はどんな庭?」を思わせたが、ドラマでは早々にポワロが登場し、エミリーに対して遺言状の書換えまで勧めるなど、当初から事件に深く関わるので、あまり似通った印象は受けない。登場人物の変更では、タニオス夫妻やドクター・グレンジャーの性格および設定に変更があるほか、テリーザの恋人のドクター・ドナルドソンやミス・ピーボディはカット、トリップ姉妹や“もの言えぬ証人”ボブの役どころが増強された。話の展開では、原作の大きなミスリードがなくなっている一方、二人組の侵入からドクター・グレンジャー殺害のくだりはドラマオリジナル。舞台が風光明媚な湖水地方のウィンダミアに変更されていることも合わせて、英国式ご当地サスペンスといった趣になっている。
 冒頭、連絡船に乗り損ねたポワロがヘイスティングスに「きみが悪いんじゃありません」と言う台詞は、原語では 'Do not blame yourself, Hastings.(自分を責めないでください)' と、ヘイスティングスに原因があるのを当然としたニュアンスが強く、そのためにヘイスティングスが信じられないような表情を浮かべている。
 ポワロが「この湖水地方出身の詩人、ワーズワースにはいらいらしますねえ」と言う場面があるが、後の「杉の柩」では「ルーシー」の一節を引用して「ワーズワース。よく読むんです」と言っており、後者は原作にもある台詞。
 ジェイコブからの電話を受けてエミリーとウィルミーナが買い物に出た場面では、市場の中央の建物の向こうに、現代風の街灯が映ってしまっている。
 イザベルが殺人者を「ロバート・アランデル」と名指ししたのに対してポワロが「それはムッシュウ・ボブのことです」と言うのは、ボブがロバートの愛称であることによる。
 チャールズがヘイスティングスに“バトラー”というニックネームを付けた理由について、日本語では「バトラー (butler) の意味はご存じでしょう? 執事ということですよ」と説明されているが、英語だと 'it's Battle-er as in Battle-er Hastings(あれはバトラー・ヘイスティングスのバトラーですよ)' という台詞で“バトラー”違い。 Battle-er Hastings という音から想起されるのは Battla Hastings すなわち Battle of Hastings (ヘイスティングスの戦い)という、11世紀にあった戦いのこと。これは南英ヘイスティングスの近郊においてイングランド王ハロルド2世とノルマンディー公ギヨーム2世のあいだで交わされた戦いで、ギヨーム2世の勝利によりイングランドにノルマン王朝が興った……のだが、イギリス式ユーモアはやっぱりわからない。
 冒頭でポワロとヘイスティングスが降り立つ駅は、ウィンダミア湖畔にあるレイクサイド・アンド・ハバースウェイト鉄道のレイクサイド駅。モーター・ボート・クラブの建物は、アーツ&クラフツ運動の代表的な建築家兼デザイナーであるチャールズ・ヴォイジーが手がけたブロード・リーズと呼ばれる建物で、実際にもウィンダミア・モーター・ボート・レーシング・クラブの本部になっている。チャールズのボートハウスは東岸にあるラングデール・チェイス・ホテルのボート小屋で、トリップ姉妹の家はウィンダミア湖の西岸にあるコテージ。このほかに撮影はウィンダミア湖畔以外でもおこなわれており、ケズウィックではマーケット・スクエアやセント・ジョンズ教会およびその牧師館(タニオス家)が撮影に使われた。キーリー巡査部長が勤めるホークスヘッド警察署は実際にホークスヘッドの元警察署。この警察署前の道路には、このドラマの劇中にはめずらしくセンターラインが引かれている。
 ウィルミーナ役のノーマ・ウェストは、ジョーン・ヒクソン主演の「ミス・マープル」の一篇、「牧師館の殺人」のレストレンジ夫人役や、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「犯人は二人」のレディー・スウィンステッド役でも見ることができる。またドクター・グレンジャー役のジョナサン・ニュースも、同「シャーロック・ホームズの冒険」の「ブルース・パーティントン設計書」において、バレンタイン・ウォルター大佐役を演じている。
 トリップ姉妹の吹替の水城蘭子さんと沼波輝枝さんは、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「マザランの宝石」でもガリデブ姉妹の吹替をやはり二人で担当し、この姉妹を非常に印象的なキャラクターに作り上げている。なお、水城蘭子さんは1997年4月26日に68歳で亡くなり、NHK初回放送時にはすでに故人だった。

カットされた場面

日本

オリジナル版

[0:12:46/0:10]ポワロたちがリトル・グリーン・ハウスの食堂に通される場面
[0:16:00/1:35]ヘイスティングスがポワロの部屋を訪れて、降霊術について話す場面
[0:25:41/0:35]宵のモーターボート・クラブ 〜 ラウンジのポワロがウォルターにドクター・タニオス来訪を告げられる場面
[1:06:26/0:41]チャールズにユタ州行きを勧める男が帰り、入れ違いにポワロとヘイスティングスが現れる場面

映像ソフト

2018年1月16日更新