二重の手がかり
The Double Clue

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 1992年04月01日 22時25分〜 (NHK総合)
  • 1992年05月28日 17時05分〜 (NHK総合)
  • 1998年12月14日 15時10分〜 (NHK総合)
  • 2003年07月14日 18時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年04月16日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2016年09月28日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 1991年02月10日 (英・ITV)

原作

邦訳

  • 「二重の手がかり」 - 『教会で死んだ男』 クリスティー文庫 宇野輝雄訳
  • 「二重の手がかり」 - 『教会で死んだ男』 ハヤカワミステリ文庫 宇野輝雄訳
  • 「二重の手がかり」 - 『砂に書かれた三角形』 創元推理文庫 宇野利泰訳

原書

雑誌等掲載

  • The Double Clue, The Sketch, 5 December 1923 (UK)
  • The Double Clue, Blue Book Magazine, August 1925 (USA)

短篇集

  • The Double Clue, Double Sin and Other Stories, Dodd Mead, 1961 (USA)
  • The Double Clue, Poirot's Early Cases, Collins, September 1974 (UK)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / 二重の手がかり, THE DOUBLE CLUE / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ / Script Consultant CLIVE EXTON

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 二重の手がかり // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / PAULINE MORAN / THE DOUBLE CLUE / Dramatized by ANTHONY HOROWITZ / Script Consultant CLIVE EXTON

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロウィッツ 監督 アンドリュー・ピディントン 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞 ミス・レモン 翠準子  ロサコフ伯爵夫人 久野綾希子 ハードマン 前田昌明 山内雅人 鈴置洋孝 京田尚子 秋元羊介 塚田正昭 井上喜久子 / 日本語版 宇津木道子  山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 アンソニー・ホロヴィッツ クライブ・エクストン 演出 アンドリュー・ピディントン 制作 LWT (イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子  ロサコフ伯爵夫人 久野 綾希子 ハードマン 前田 昌明  山内 雅人 鈴置 洋孝 京田 尚子 秋元 羊介 塚田 正昭 井上 喜久子 大畑 伸太郎  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Countess Vera Rossakoff: KIKA MARKHAM; Marcus Hardman: DAVID LYON; Bernard Parker: DAVID BAMBER; Lady Runcorn: CHARMIAN MAY; Mr. Johnstone: NICHOLAS SELBY; Redfern: MICHAEL PACKER; Blake: WILLIAM CHUBB; Constable: MARK FLETCHER; Receptionist: WILLIAM OSBORNE; Katherine Bird: MERIEL DICKINSON; Nacora: YITKIN SEOW; Porter: RICHARD RYAN; Stunts: MARTIN GRACE / Developed for Television by Carnival Films / (中略) / Production Designer: ROB HARRIS / Director of Photography: CHRIS O'DELL / Music: CHRISTOPHER GUNNING / Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN / Director: ANDREW PIDDINGTON

あらすじ

 上流階級の人々が集まるところで立て続けに起こる宝石盗難事件。解決できなければジャップ警部はクビだという。しかし、その4件目が起きたハードマン邸に出向いたポワロは、そこで忘れえぬ女性との出会いを果たす……

事件発生時期

不詳

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
フェリシティ・レモンポワロの秘書
マーカス・ハードマン宝石コレクター
バーナード・パーカーハードマンの仕事のパートナー
ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人パーティの招待客、ロシアからの亡命貴族
レディー・ビアトリス・ランコーンパーティの招待客
マーチン・ジョンストンパーティの招待客、南アフリカの実業家
キャスリン・バードコントラルト歌手
ナコーラ日本人ピアニスト
レッドファーン私立探偵
ブレイク私立探偵

解説、みたいなもの

 ドラマのポワロは原作に比べるとかなりレディーに弱いところがあるものの、今回は原作でもポワロが長く想いを寄せた女性として描かれているヴェラ・ロサコフ伯爵夫人が登場。しかし、原作とのいちばんの違いは、そのロサコフ伯爵夫人の性格造形。原作の伯爵夫人は女傑とでも呼ぶべき剛胆な性格の持ち主で、ポワロが寄せる思いも恋愛感情というよりは彼女の度胸や判断力への感服であったが、ドラマの伯爵夫人は楚々とした淑女の趣で、ポワロとの関係も、お互いに祖国を追われた亡命者という共感に根ざした、非常にロマンチックな雰囲気を醸し出している(もっとも、原作でも後に『ビッグ4』などを経て思慕へと変化していく)。一方で、ポワロを「エルキュール」と呼ぶ伯爵夫人に対して、ポワロは最後まで「伯爵夫人」という呼び方を崩さず、二人の対照を象徴させてもいる。ただ、これはこれで作品として十分魅力的なものの、将来、伯爵夫人が再登場する原作の『ビッグ4』や「ケルベロスの捕獲」(『ヘラクレスの冒険』と『アガサ・クリスティーの秘密ノート〔上〕』にそれぞれ別バージョンを収録)をドラマ化する際に破綻を来さないか不安も残す。結局、共に最終シリーズで映像化された「ビッグ・フォー」では伯爵夫人の出番はカットされ、『ヘラクレスの冒険』所収の複数短篇を1本の長篇にまとめ上げた「ヘラクレスの難業」で再登場するが、そこでの伯爵夫人はキャストも交代し、原作とも本作品とも異なる人物造形で描かれることになった。また、ドラマでは後の「メソポタミア殺人事件」でも伯爵夫人にまつわるサイドストーリーが追加されており、このときの伯爵夫人の性格は原作のものに近い。
 「名探偵ポワロ」オリジナル版ではカットされたが、ハイビジョンリマスター版にはヘイスティングスが南米に農場を開くという夢を語る場面がある。原作のヘイスティングスは「ゴルフ場殺人事件」での結婚後、アルゼンチンで牧場の経営を手がけて成功しており、これはそのことを受けてのもの。なお、ドラマでも「黄色いアイリス」でヘイスティングスが南米に牧場を持っていることに触れられるほか、「エッジウェア卿の死」で一度失敗して帰国したものの、「ビッグ・フォー」で最終的に南米へ移住していたことがわかる。
 序盤に信号機が登場。「100万ドル債券盗難事件」冒頭の通勤風景でも背景に小さく見えていたが、これらに見られるとおりイギリスの信号機は縦型で、赤から青になるときに赤と黄の同時点灯を経由する。また、この信号待ちのあいだのポワロの台詞、「私はこれまでに、夫に殺された女性の事件を5回扱っています」「そして22人の夫が妻に殺されています」は本原作にはない台詞だが、ほぼ同一の台詞が「三幕の殺人」原作の第三幕四章に見られる。ちなみに、「名探偵ポワロ」中、「夫に殺された女性の事件」と「夫が妻に殺され」たのはそれぞれ、この第3シリーズまでで5件と1件、最終シリーズまで含めると8件と3件。
 上記の会話をポワロとヘイスティングスが交わした場所は、「スタイルズ荘の怪事件」でカベンディッシュ家のロンドンの住まいがあったミドルトン・スクエアおよびイングルバート・ストリート。冒頭とラストで登場する駅は「プリマス行き急行列車」と同じハル・パラゴン駅で撮影されており、構内放送の行き先から判断するに、やはりパディントン駅という設定のようだ。到着する汽車の先頭に書かれた番号も一緒で、おそらくは「プリマス行き急行列車」とまとめて撮影されたと見られる。ジョンストン氏のオフィスビルの外観も、実は「プリマス行き急行列車」のアデルフィ・ホテルとして使われた建物を裏側のサボイ・プレースから撮影したもの。ポワロとロサコフ伯爵夫人が訪れた郊外の邸宅はイングルフィールド・エステイトに建つイングルフィールド・ハウス、美術館は「ベールをかけた女」でもアシーナ・ホテルの内部として使われたロンドン大学セナト・ハウス内クラッシュ・ホールだが、美術館を出た場面はサボイ・プレースで撮影されている。ジョンストン氏のオフィス屋内もセナト・ハウス。ハードマン邸として撮影に使われたバッキンガムシャー州チャルフォント・セント・ジャイルズにあるシュラブズ・ウッドは、ジェラルディン・マクイーワン主演「ミス・マープル」の「書斎の死体」ではバジル・ブレイクの家、ジュリア・マッケンジー主演「ミス・マープル4」の「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」ではニコルソン医師の家として使われているほか、前述のイングルフィールド・ハウスも「ミス・マープル4」の「ポケットにライ麦を」のイチイ荘や「ミス・マープル6」の「グリーンショウ氏の阿房宮」の〈阿房宮〉として撮影に使われている。
 ハイビジョンリマスター版でポワロが言う「鉄は熱いうちに打たねばなりません」は、原語だと 'It is better to strike while the metal is warm, yes. (金属は温かいうちに打つべきです)' と言っており、 strike while the iron is hot (鉄は熱いうちに打つ) という言いまわしをポワロがまちがえている。
 盗まれたネックレスのかつての所有者として名前が挙がるカトリーヌ・ド・メディチは、ルネサンス期にイタリアのフィレンツェで台頭したメディチ家の生まれ。フランス王家に嫁いで、後にフランス国王アンリ二世の王妃となった。
 ポワロと伯爵夫人が美術館で見たシャガールの絵は 'Feathers in Bloom' という作品。また、レディー・ランコーンの部屋にかけられたイニシャル入りの刺繍は「貴婦人と一角獣」として知られる連作タペストリーのひとつ「嗅覚」のレプリカで、本物はパリの中世美術館に所蔵されており、一辺が3メートルを超える大きさがある。
 ロサコフ (Rossakoff) 伯爵夫人の名前は原作どおりだが、この型の名字は性別によって変化し、女性の場合は a がついて「ロサコワ」となるところ。
 ピアニストのナコーラは、そのおよそ日本人らしからぬ名前にも関わらず日本人とされているが、原作にナコーラの国籍に関する言及はない。演じているイトキン・ショウは中国人ピアニスト。彼が伴奏をした曲は、1曲目がロッシーニの「約束 (La Promessa)」、2曲目がバンジャマン・ゴダールの「フロリアンの歌 (Chanson de Florian)」。
 ジョンストン氏のオフィスビルを写した場面では、飛行機雲とおぼしき雲が写ってしまっている。また、終盤、暗い部屋でポワロが机に向かっている場面の前後にホワイトヘイブン・マンションの外観が映るが、この外観ではポワロの部屋には明々と明かりが灯っている。
 ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人役のキカ・マーカムは、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」の一篇、「ウィステリア荘」のミス・バーネット役でも見ることができる。
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ロケ地写真

カットされた場面

日本

オリジナル版

[05:10/0:36]ポワロの部屋でのポワロ、ヘイスティングス、ジャップ警部の会話の後半 〜 ハードマン邸の前に続々車が乗りつけられる場面
[11:54/0:48]ハードマン邸前でポワロたちが前夜のパーティや浮浪者のことを聞く場面
[28:37/0:53]ポワロがティザンに口をつけるところ 〜 ジャップ警部が上司と電話で話している場面
[31:00/0:27]ヘイスティングスがミス・レモンの傷の手当を受ける場面の前半
[32:07/1:17]ポワロと伯爵夫人がピクニックで犯罪に乾杯する場面 〜 ポワロの部屋でヘイスティングスとミス・レモンがこれからのことを話す場面

映像ソフト

  • [VHS] 「名探偵エルキュール・ポアロ 第24巻 二重の手がかり」(字幕) 日本クラウン
  • [DVD] 「名探偵ポワロ 14 マースドン荘の惨劇, 二重の手がかり」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ
  • [DVD] 「名探偵ポワロ [完全版] 14 マースドン荘の惨劇, 二重の手がかり」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ
  • [BD] 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 7 プリマス行き急行列車, スズメバチの巣, マースドン荘の惨劇, 二重の手がかり」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ
2018年3月29日更新