はとのなかの猫
Cat Among the Pigeons

放送履歴

日本

オリジナル版(94分00秒)

  • 2010年09月14日 21時00分〜 (NHK衛星第2)
  • 2012年08月14日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)

ハイビジョンリマスター版(93分30秒)

  • 2016年12月10日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年05月24日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2008年09月08日 20時00分〜 (典・TV4)
  • 2008年09月21日 21時00分〜 (英・ITV1)
  • 2009年06月21日 21時00分〜 (米・WGBH)

原作

邦訳

  • 『鳩のなかの猫』 クリスティー文庫 橋本福夫訳
  • 『鳩のなかの猫』 ハヤカワミステリ文庫 橋本福夫訳

原書

  • Cat Among the Pigeons, Collins, 2 November 1959 (UK)
  • Cat Among the Pigeons, Dodd Mead, March 1960 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / はとのなかの猫 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / CAT AMONG THE PIGEONS based on the novel by Agatha Christie / Screenplay MARK GATISS / AMANDA ABBINGTON, ELIZABETH BERRINGTON, ADAM CROASDELL / PIPPA HAYWOOD, ANTON LESSER, NATASHA LITTLE / CAROL MACREADY, MIRANDA RAISON, CLAIRE SKINNER / HARRIET WALTER, SUSAN WOOLDRIDGE / LOIS EDMETT, AMARA KARAN, KATIE LEUNG, JO WOODCOCK / Producer KAREN THRUSSELL / Director JAMES KENT

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / はとのなかの猫 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / CAT AMONG THE PIGEONS based on the novel by Agatha Christie / Screenplay MARK GATISS / AMANDA ABBINGTON, ELIZABETH BERRINGTON, ADAM CROASDELL / PIPPA HAYWOOD, ANTON LESSER, NATASHA LITTLE / CAROL MACREADY, MIRANDA RAISON, CLAIRE SKINNER / HARRIET WALTER, SUSAN WOOLDRIDGE / LOIS EDMETT, AMARA KARAN, KATIE LEUNG, JO WOODCOCK / Producer KAREN THRUSSELL / Director JAMES KENT

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー  脚本 マーク・ゲイティス 演出 ジェームズ・ケント 制作 ITV プロダクション/WGBHボストン アガサ・クリスティー・リミテッド (イギリス・アメリカ 2008年)  声の出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄  バルストロード(ハリエット・ウォルター) 弥永和子 アン・シャプランド(ナターシャ・リトル) 田中敦子  アダム(アダム・クローズデル) 家中宏 アップジョン夫人(ピッパ・ヘイウッド) 藤生聖子  チャドウィック 増子倭文江 ブレイク 葛城七穂 スプリンガー つかもと景子 ブランシュ むたあきこ  小島敏彦 八十川真由野 武田華 下川江那  嶋村侑 藤本教子 安田奈緒子 松本忍  三上哲 山内健嗣 大澤洋子 三浦綾乃 片貝薫  <日本語版制作スタッフ> 翻訳・台本 中村久世 演出 佐藤敏夫 調整 田中直也 録音 岡部直紀 プロデューサー 武士俣公佑 間瀬博美  制作統括 柴田幸裕 小坂聖

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 マーク・ゲイティス 演出 ジェームズ・ケント 制作 ITVプロダクション WGBHボストン アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス・アメリカ)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄  バルストロード(ハリエット・ウォルター) 弥永 和子 アン・シャプランド(ナターシャ・リトル) 田中 敦子 アダム(アダム・クローズデル) 家中 宏 アップジョン夫人(ピッパ・ヘイウッド) 藤生 聖子  チャドウィック 増子 倭文江 ブレイク 葛城 七穂 スプリンガー つかもと 景子 ブランシュ むた あきこ  小島 敏彦 八十川 真由野 武田 華 下川 江那 嶋村 侑 藤本 教子 安田 奈緒子 松本 忍 三上 哲 山内 健嗣 大澤 洋子 三浦 綾乃 片貝 薫  日本語版スタッフ 翻訳 中村 久世 演出 佐藤 敏夫 音声 田中 直也 プロデューサー 武士俣 公佑 間瀬 博美

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Miss Bulstrode: HARRIET WALTER; Prince Ali: RAJI JAMES; Bob Rawlinson: ADAM DE VILLE; Mr Forbes: DON GALLANGHER / Mrs Forbes: GEORGIE GLENN; Patricia Forbes: GEORGIA CORNICK; Miss Johnson: CAROL MACREADY; Miss Rich: CLAIRE SKINNER; Miss Chadwick: SUSAN WOOLDRIDGE / Ann Shapland: NATASHA LITTLE; Princess Shaista: AMARA KARAN; Adam: ADAM CROASDELL; Miss Blake: AMANDA ABBINGTON; Mlle Blanche: MIRANDA RAISON; Miss Springer: ELIZABETH BERRINGTON / Jennifer Sutcliffe: JO WOODCOCK; Julia Upjohn: LOIS EDMETT; Mrs Upjohn: PIPPA HAYWOOD; Lady Veronica: JANE HOW; Hsui Tai: KATIE LEUNG; Inspector Kelsey: ANTON LESSER / (中略) / Casting: SUSIE PARRISS; Editor: MICHAEL HARROWES; Production Designer: JEFF TESSLER; Director of Photography: CINDERS FORSHAW BSC; Line Producer: MATTHEW HAMILTON / Executive Producer for WGBH Boston: REBECCA EATON / Executive Producer for Chorion: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd. (a Chorion Company) 2008 / A Co-Production of Granada and WGBH BOSTON in association with Agatha Christie Ltd (a Chorion Company)

あらすじ

 名門女子校メドウバンク学園を訪れたポワロは、引退を考えるバルストロード校長から後継者について相談を受け、しばらく学園に留まることに。そんな中、メドウバンク学園では中東のラマット国で起きた革命に関係があるとおぼしき事件が立て続けに発生する……

事件発生時期

1937年11月中旬

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
オノリア・バルストロードメドウバンク学園校長
レティス・チャドウィックメドウバンク学園数学教師、愛称チャディ
アイリーン・リッチメドウバンク学園英語教師
ブレイクメドウバンク学園芸術・ダンス教師
エリーズ・ブランシュメドウバンク学園フランス語教師
グレース・スプリンガーメドウバンク学園体育教師
アン・シャプランドメドウバンク学園校長秘書
ジョンスンメドウバンク学園寮母
アダム・グッドマンメドウバンク学園庭師
ジェニファー・サットクリフメドウバンク学園生徒
ジュリア・アップジョンメドウバンク学園生徒
スイ・タイメドウバンク学園生徒
アップジョン夫人ジュリアの母
シャイスタ中東の王女
アリ・ユースフラマット国王子、シャイスタ王女の婚約者
ボブ・ローリンスンアリ王子の友人、ジェニファーの叔父
ケルシー警部

解説、みたいなもの

 原作は1959年刊行。フーダニットの形式を取ってはいるものの、革命の起きた中東の国から消えた宝石や暗躍する諜報員、名門女子校の生徒の活躍など、どちらかといえばトミーとタペンス物を思わせる要素がちりばめられた、いつものポワロ物とは趣を異にする作品。そんな本作の脚本を手がけるのは「シャーロック」や「ドクター・フー」などのドラマでも知られるマーク・ゲイティスで、エグゼクティブ・プロデューサーのダミアン・ティマーと仕事をしていた縁で打診を受けたという。このあと「ハロウィーン・パーティー」「ビッグ・フォー」とつづくゲイティス脚本の第一作として本作が選ばれたのはテレビ局側からの提案によるもので、ゲイティスが最初に希望していたのは「ビッグ・フォー」だったそうだ。[1]
 原作でのポワロの登場は遅く、アップジョン親子が「マギンティ夫人は死んだ」のモーリン・サマーヘイズの知り合いという縁だったが、ドラマではポワロ自身がバルストロード校長の友人という設定で冒頭からメドウバンク学園に姿を現す形となり、連続して撮影されたにも関わらず、「マギンティ夫人は死んだ」と関連した描写はなくなっている。また、ドラマではそのままメドウバンク学園を舞台に物語が進み、原作では冒頭に語られていた革命直前のラマット国の出来事は、登場人物の会話などであとから明らかにされていく形に物語構成が反転された。なお、この中東の革命という事件の背景は原作発表当時の1950年代の情勢を反映したものだが、1937年に時代を移したドラマでもそのまま用いられている。登場人物では、有力な後継候補のヴァンシッタート先生が削られたほか、トミーとタペンス物の『運命の裏木戸』にも登場するパイクアウェイ大佐やロビンソン氏といった顔ぶれも登場しない。ブランシュ先生のファーストネームが原作のアンジェール (Angele) から変更されたのは、容疑者のドラマオリジナルのコードネーム、エンジェル (The Angel) との兼ね合いからか。なお、このエンジェルというコードネームは、日本語音声だとアップジョン夫人によって序盤から言及されるが、原語音声では中盤の取り調べのなかでアダムが初めて口にする。
 物語は夏休み明けの新年度が始まったところから幕を開けるが、撮影時期は2007年11月頃で、劇中の季節は晩秋もしくは初冬。1930年代のイギリスの教育制度には詳しくないけれど、こんな季節に新年度が始まるのはちょっと不思議な印象を受ける。また、「ラマット 革命勢力 政権を樹立」という記事が掲載された新聞の日付も11月の中旬だが、その右にある MYSTERY OF FRANK BILLINGS (フランク・ビリングスのなぞ) という記事は、小見出しに俳優クラーク・ゲーブルの名前が見えるように、在英の女性が、自分の娘の父親はフランク・ビリングスと名乗ったゲーブルであると主張した事件を報じたものと見られる。この事件の裁判は1937年の5月に結審しており[2]、やはり11月時点でこのような記事が載るとは考えにくい。なお、原作では夏学期の出来事として設定されている。
 フォーブス夫妻が言及する「セント・ウィニフレッド」は架空の学校の名前と見られるが、その名前が由来する聖ウィニフレッドは7世紀ウェールズの聖人。その斬首された頭部が落ちた場所に湧いたという聖ウィニフレッドの井戸はカトリックの巡礼地となっており、またその遺骨を祀るシュルーズベリ修道院はエリス・ピーターズの小説「修道士カドフェル」シリーズの舞台として知られる。
 メドウバンク学園にポワロが乗りつける車は、「葬儀を終えて」でポワロがエンダビー・ホールなどに乗っていったのと同一ナンバーの同じ車。つづく「第三の女」でも、ポワロは同じ車と運転手を利用している。
 ブレイク先生がバレエの授業でかけていた音楽はショパンのワルツ作品 64-2。リッチ先生が授業で朗読しているのは英国の詩人、クリスティーナ・ロセッティの詩。フランス語の授業ではスイ・タイが venir (来る) を [venir] と発音しているが、本来の発音は [vnir] ないしは [vənir] 。ただ、原作にもジュリアがまだブランシュ先生からフランス語の発音を直されていないと指摘される場面があり、それを踏まえた意図的な演出かもしれない。
 初日にバルストロード校長が着ている襟元の特徴的なブラウスは、「アクロイド殺人事件」でファラーズ夫人が自殺した翌日にキャロラインが着ていたのと同じもの。また、アンが着ている、胸元にリボン状の飾りをあしらったカーディガンは、「コックを捜せ」「夢」でミス・レモンが着ていたのと同じもの。
 ケルシー警部が日本語で「諜報員が自分の素性を明かすはずはないし」と言ったところは、原語だと 'without being some sort of female Bulldog Drummond (別に女快傑ドラモンドみたいなものじゃなくてもね)' という台詞で、 Bulldog Drummond (快傑ドラモンド) とは英国の作家 H. C. マクニールがサッパーというペンネームで発表した冒険小説の主人公。第一次大戦で活躍したという退役軍人で、クリスティーの『おしどり探偵』収録「怪しい来訪者」でもトミーに言及される。快傑ドラモンドの日本での馴染みの薄さから別の意味の日本語が当てられたと思われるが、本作でも、のちの「複数の時計」でも、諜報員はむしろ自分の素性をあっさり明かし過ぎである。
 ジュリアが自室で読んでいる The Murder at Maybury Manor は実在の書籍ではないようだが、部屋に置かれた The Girls' Budget は実在する少女小説のオムニバス短篇集。同短篇集は収録作と表紙を変えて繰り返し刊行されており、本作の舞台である1937年にも新刊が出ていたらしいが、ジュリアの部屋にあったのは1924年版。
 ケルシー警部がアップジョン夫人について「てっきり旅行会社のツアーにでも参加していると思っていたんです」と言った台詞の「旅行会社」は、原語だと Thomas Cook (トーマス・クック) という、現存する実在の大手旅行代理店の名前が挙げられている。このトーマス・クック社は世界で最初の近代的な旅行代理店と言われ、話題に挙がっているツアーのような団体旅行を始めたのも同社とされる。
 メドウバンク学園の校舎外観として撮影に使われたのは、「杉の柩」でもウェルマン夫人の邸宅、ハンタベリー・ハウスとして使われたジョイス・グローブ。ただし、ロビーなど校舎内の多くとボート小屋はオックスフォードシャーのモングウェルにある元カーネル・カレッジのもので、ここは、かつてクリスティーの本宅であったウィンターブルック・ハウスのごく近くである。また、ヘメル・ヘムステッドにあるヘメル・ヘムステッド・スクールでも体育館や生物実験室で撮影がおこなわれ、劇中には同校の実際の女子生徒も出演しているという[3][4]。エイクリフ・コロニー精神療養所の門は学園と同じジョイス・グローブのもので、やはり「杉の柩」ではハンタベリー・ハウスの門として使われていた。ラマット国の宮殿の撮影がおこなわれたのもイギリス国内で、サフォーク州にあるエルヴデン・ホールが使用された。台詞に名前だけが登場するクラリッジ・ホテルは、ロンドンに実在の高級ホテル。ポワロが「遠足と洒落込」んだ歓楽街の場面冒頭では、ロンドンのピカデリー・サーカスにある通称エロス像が背景に見えるが、十中八九ロケではなく合成と見られる。
 ミス・ジョンスン役のキャロル・マクレディは、「エンドハウスの怪事件」のミルドレッド・クロフト役以来の「名探偵ポワロ」再出演。レディー・ベロニカを演じたジェーン・ハウも、「青列車の秘密」の冒頭でヴァン・オールデンの噂をしている女性の役につづく再出演。ジェラルディン・マクイーワンおよびジュリア・マッケンジー主演の「ミス・マープル」シリーズでは、バルストロード校長役のハリエット・ウォルターを「スリーピング・マーダー」のマルフィ公爵夫人役(演じる女優の役名としてはスーザン・デイヴィーズ役?)、リッチ先生役のクレア・スキナーを「予告殺人」のエイミー役、フォーブス氏役のドン・ギャラガーを「鏡は横にひび割れて」のゴシントン館の執事(?)役、ジェニファー・サットクリフ役のジョー・ウッドコックを「ゼロ時間へ」のメイドのアリス役、アップジョン夫人役のピッパ・ヘイウッドを「無実はさいなむ」のプライス夫人役で見ることができる。また、ブレイク先生役のアマンダ・アビントンは、マックス・アイアンズ主演「ねじれた家」のクレメンシー・レオニダス役のほか、ベネディクト・カンバーバッチ主演「シャーロック」シリーズのメアリー役でも見ることができる。
  1. [1] Investigating Agatha Christie's Poirot: Adapting Poirot: Q&A with Ian Hallard
  2. [2] Chrystopher J. Spicer, Clark Gable: Biography, Filmography, Bibliography, pp. 151, McFarland & Company, Inc., Publishers, 2002
  3. [3] Filming at Hemel School. - Hemel Gazette
  4. [4] Double exposure for school as TV crews capture the drama - Hemel Gazette

カットされた場面

なし

映像ソフト

  • 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 3」に収録
2019年6月14日更新