青列車の秘密
The Mystery of the Blue Train

放送履歴

日本

オリジナル版

  • 2006年12月05日 20時00分〜 (NHK衛星第2)
  • 2007年12月25日 13時00分〜 (NHK衛星第2)

ハイビジョンリマスター版

  • 2016年11月05日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
  • 2017年04月12日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

海外

  • 2005年12月11日 09時00分〜 (米・A&E)
  • 2006年01月01日 21時00分〜 (英・ITV1)
  • 2006年02月19日 20時30分〜 (豪・ABC)

原作

邦訳

  • 『青列車の秘密』 クリスティー文庫 青木久恵訳
  • 『青列車の秘密』 ハヤカワミステリ文庫 田村隆一訳
  • 『青列車の謎』 創元推理文庫 長沼弘毅訳
  • 『ブルートレイン殺人事件』 新潮文庫 中村妙子訳

原書

  • The Mystery of the Blue Train, Collins, 29 March 1928 (UK)
  • The Mystery of the Blue Train, Dodd Mead, 1928 (USA)

オープニングクレジット

日本

オリジナル版

名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 青列車の秘密 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / The MYSTERY of the BLUE TRAIN based on the novel by Agatha Christie / Screenplay GUY ANDREWS / LINDSAY DUNCAN / JAMES D'ARCY, JAIME MURRAY, GEORGINA RYLANCE / NICHOLAS FARRELL, ROGER LLOYD PACK, JOSETTE SIMON / ALICE EVE, TOM HARPER, BRONAGH GALLAGHER, OLIVER MILBURN / and ELLIOTT GOULD as RUFUS VAN ALDIN / Producer TREVOR HOPKINS / Director HETTIE MACDONALD

ハイビジョンリマスター版

名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 青列車の秘密 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / The MYSTERY of the BLUE TRAIN based on the novel by Agatha Christie / Screenplay GUY ANDREWS / LINDSAY DUNCAN / JAMES D'ARCY, JAIME MURRAY, GEORGINA RYLANCE / NICHOLAS FARRELL, ROGER LLOYD PACK, JOSETTE SIMON / ALICE EVE, TOM HARPER, BRONAGH GALLAGHER, OLIVER MILBURN / and ELLIOTT GOULD as RUFUS VAN ALDIN / Producer TREVOR HOPKINS / Director HETTIE MACDONALD

エンディングクレジット

日本

オリジナル版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ガイ・アンドルーズ 演出 ヘティ・マクドナルド 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス 2005年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄  ルーファス(エリオット・グールド) 横内正 キャサリン(ジョージナ・ライランス) 井上喜久子 ルース(ジェイミー・マリー) 吉田陽子 デレック(ジェイムズ・ダーシー) 咲野俊介  ナイトン 金尾哲夫 メイソン 菅原あき タンプリン夫人 鈴木弘子 コーキー 川島得愛 レノックス 山田里奈  落合弘治 杉村理加 塾一久 さとうあい 定岡小百合 宇垣秀成 斉藤次郎 丸山壮史 風間秀郎 / 日本語版スタッフ 翻訳 たかしまちせこ 演出 高橋剛 音声 金谷和美 プロデューサー 里口千  制作統括 小川純子 廣田建三

ハイビジョンリマスター版

原作 アガサ・クリスティー 脚本 ガイ・アンドルーズ 演出 ヘティ・マクドナルド 制作 グラナダ・プロダクション A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄  ルーファス(エリオット・グールド) 横内 正 キャサリン(ジョージナ・ライランス) 井上 喜久子 ルース(ジェイミー・マリー) 吉田 陽子 デレック(ジェイムズ・ダーシー) 咲野 俊介  ナイトン 金尾 哲夫 メイソン 菅原 あき タンプリン夫人 鈴木 弘子 コーキー 川島 得愛 レノックス 山田 里奈  落合 弘治 杉村 理加 塾 一久 さとう あい 定岡 小百合 宇垣 秀成 斉藤 次郎 丸山 壮史 風間 秀郎  日本語版スタッフ 翻訳 たかしま ちせこ 演出 高橋 剛 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千

海外

オリジナル版

Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Derek Kettering: JAMES D'ARCY; Lenox: ALICE EVE; Knighton: NICHOLAS FARRELL; Ada Mason: BRONAGH GALLAGHER / Corky: TOM HARPER; Lady at Ball: JANE HOW; Steward: SAMUEL JAMES; Sister Rosalia: HELEN LINDSAY; La Roche: OLIVER MILBURN / Ruth Kettering: JAIME MURRAY; Inspector Caux: ROGER LLOYD PACK; Dolores: ETELA PARDO; Katherine: GEORGINA RYLANCE; Mirelle Milesi: JOSETTE SIMON / and Lady Tamplin: LINDSAY DUNCAN; Rufus Van Aldin: ELLIOTT GOULD / (中略) / Production Executive: GAIL KENNETT; Casting Director: MAUREEN DUFF; Film Editor: JAMIE McCOAN; Director of Photography: ALAN ALMOND B.S.C.; Production Designer: JEFF TESSLER; Line Producer: HELGA DOWIE / Executive Producer for A&E Television Networks: DELIA FINE; Supervising Producer for A&E Television Networks: EMILIO NUNEZ / Executive Producer for Chorion Plc.: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd. (a Chorion company) 2005 / A Granada Production in association with A&E Television Networks and Agatha Christie Ltd (a Chorion company)

あらすじ

 ポワロがホテルで出会った大富豪令嬢、ルース・ケッタリングがフランスを走る青列車の車内で殺害され、携えていた有名なルビーが消えた。同じ列車には被害者の離婚寸前の夫や愛人をはじめ、被害者と関係の深い人間が多数乗り合わせていたのだが……

事件発生時期

1936年5月中旬 〜

主要登場人物

エルキュール・ポワロ私立探偵
ルーファス・ヴァン・オールデンアメリカの石油王
ルース・ケッタリングヴァン・オールデンの娘
デレック・ケッタリングルースの夫
ラ・ロッシュルースの愛人、伯爵
アダ・メイソンルースのメイド
リチャード・ナイトンヴァン・オールデンの秘書、少佐メジャー
キャサリン・グレイ多額の遺産を継いだ娘
レディー・ロザムンド・タンプリンキャサリンの従姉、愛称ロージー
コークス・タンプリンレディー・タンプリンの夫、愛称コーキー
レノックス・タンプリンレディー・タンプリンの娘
ミレル・メレッシーブルートレイン乗客
コー警部

解説、みたいなもの

 原作は1928年に発表された長篇小説。母親の死、夫との離婚、とクリスティーにとって非常に辛い時期に必要に迫られて書かれた作品で[1]、そのためか物語の展開も過去に発表済みの短篇「プリマス行き急行列車」を下敷きにしていた。しかしドラマでは、主要な登場人物の大半に被害者殺害の動機が与えられると同時に、原作では現場に居合わせなかった人物までブルートレインに乗り込んで犯行の機会を与えられている。その結果、原作や「プリマス行き急行列車」に見られた被害者の夫対愛人という容疑の構図は薄れ、関係者たちの愛憎が物語の中心となった。また、事件の黒幕が〈侯爵〉と呼ばれる国際的大泥棒であるという設定や、盗品も扱う宝石商のパポポラス親子といった時代がかった要素も排され、どちらかというと古典的な作風の原作に対して、現代的な雰囲気のドラマに仕上がっている。そんな本作は、クリスティー本人の原作への低評価とは対照的に、スーシェのお気に入りのエピソードのひとつだという[2]
 題名にある〈青列車〉あるいはブルートレインとは、オリエント急行と同じワゴン・リ社によって運営されていた豪華寝台列車〈カレー・地中海急行〉の通称。その正式名称のとおり、イギリスからの玄関口である港町カレーと地中海沿岸の南仏リゾート地をつなぎ、車体の色にちなんで Train Bleu (青列車) と呼ばれた。なお、日本でも車体の色から寝台列車をブルートレインと呼ぶが、このカラーリングや呼称は万国共通のものではなく、英仏でも寝台列車一般をそのように呼ぶわけではない。
 撮影時期は2005年5月頃で、最初の2週間に仏伊国境に接した南仏マントン、およびニースの隣町ボーリュー・スール・メールでニースの場面の撮影がおこなわれた。このロケでは、仏伊の当局から許可を得て、両国国境をまたぐ高速道路を封鎖・迂回させてまでの撮影をおこなったという。ヴィラ・マルゲリータとして撮影に使われたのは地中海を望むヴィラ・マリア・セレナ、ニース駅の外側として使われたのはマントンの美術館。しかしブルートレインの外観や駅のプラットフォームの撮影をおこなったのはフランスではなく、イギリス国内ケンブリッジシャーのニーン・バレー鉄道。マルセーユの駅はワンズフォード駅、ニースの駅は国内外の機関車が多く保存されているピーターバラ駅で、ニース駅の周囲は CG による合成である。客車の内部はベニヤ板と紙を塗装して組んだセットだそうで、制作陣はこのセットを後にオリエント急行に利用することも考えていると述べていた。[3]ニース駅内部はロンドンにあるフリーメイソンズ・ホールで、ここは「西洋の星の盗難事件」「あなたの庭はどんな庭?」「スズメバチの巣」「愛国殺人」でおなじみ。ロンドンのパークレーン・ホテルは現地。日本での吹替の収録は2006年7月末頃[4]
 冒頭、タンプリン夫人がレノックスにキャサリンのことを「これ、わたしのいとこよ、一番目のいとこ」という台詞は、原語だと 'She's my cousin, my first cousin.' という台詞で、ここでいう first cousin とは親同士がきょうだいの、日本語で言うまさに「いとこ」の関係を指す。英語の cousin はよく「いとこ」と訳されるが実際には同世代の親族を広く指す言葉で、 first cousin と限定することで「いとこ」であることが明確になる。なお second cousin なら祖父母同士がきょうだいの「はとこ」。
 ヴァン・オールデンの秘書であるメジャー・ナイトンの「メジャー (Major)」とは英国陸軍少佐のこと。すでに退役していると見られるが、ヘイスティングスが「大尉」と呼ばれるように、イギリスでは退役後も軍隊での肩書きが敬称として用いられる。なお、同じたかしまちせこさんによる台本でも、「ひらいたトランプ」に登場する Major Despard や「満潮に乗って」の Major Porter はそれぞれ「デスパード少佐」「ポーター少佐」と日本語の肩書きで呼ばれており、日本では馴染みのなさそうな「メジャー」という言葉が本作でだけそのまま使われた理由はよくわからない。
 キャサリンの歓迎パーティーについて、コーキーが「楽団も呼んで」と言うが、のちのパーティーの場面では楽団の姿は見えず、途中のトラブルでも音楽が止まらないなど、生演奏には見えない。原語では 'La toute Nice will be there. (ニース中から集まるぞ)' という表現で、楽団に関する話はしていない。
 ヴィラ・マルゲリータで額に飾られた新聞記事のなかには、 The lonely woman という見出しの、同じ縦長の切り抜きがなぜか2枚ある。また、フランス語の新聞記事にはなぜかアクセント記号が一切なく、さらに superbe とおぼしき単語が suberbe と誤記されている。
 ヴィラ・マルゲリータでのパーティーでかけられた Sing, Sing, Sing は物語の舞台である1936年にルイ・パルマによって作曲された曲。
 留置場でのケッタリングとポワロの会話の、「吸いかけ2本もらうよ」「吸いかけを?」「もったいないだろう」「ああ、あなたに会うたび何かしら思うところがあります」という会話は、日本語で聞くとケッタリングの物を粗末にしない一面を見て、ポワロがその人柄に気づきを得たように聞こえるが、原語では 'Couple of doofers, if that's all right? (吸い残しを2本もらうよ)' 'Doofers? (吸い残しとは?)' 'Do for later. (あとで吸うという意味さ)' 'Ah, each time we meet, Monsieur Kettering, I learn something useful. (ああ、あなたに会うたびに役に立つことを教わります)' というやりとりで、 doofer という俗語を知らなかったポワロが、その由来と意味を教わっている。前回の something useful (役に立つこと) は、ラ・ロッシュにルース殺害時刻のアリバイがあったことだろうか。また、「犯行に使われたスパナは、どでかい金庫と一緒にルースが持ち込んだ」という台詞の原語は 'The spanner in the works was Ruth pulling up to the station with that dirty great safe. (厄介だったのは、あのどでかい金庫をルースが駅まで持ち込んだことだ)' という表現で、 spanner in the works は「物事を進める上での障害」という意味の慣用句であり、ルースの顔をつぶした凶器への言及はない。
 ナイトン少佐を演じるニコラス・ファレルは、「ABC殺人事件」のドン・フレイザー役に続く「名探偵ポワロ」2回目の出演。デレック・ケッタリング役のジェイムズ・ダーシーはジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「動く指」ではジェリー・バートン役を、タンプリン夫人役のリンゼイ・ダンカンはジュリア・マッケンジー主演の「ミス・マープル」の一篇、「鏡は横にひび割れて」ではマリーナ・グレッグ役を演じている。また、コー警部を演じるロジャー・ロイド・パックは、ジョン・ソウ主演の「主任警部モース」の一篇、「ニコラス・クインの静かな世界」のドナルド・マーチン役でも見ることができる。
 パークレーン・ホテルでルースがポワロに声をかける場面で、ルースを後ろから写したカットのみ、ルースの髪にヘアピンが刺さっている。ハイビジョンリマスター版では、このヘアピンは画像処理でぼかされた。一方、ヴィラ・マルゲリータでのパーティー翌朝の夜明け時にニースの町を望む場面では、ハイビジョンリマスター版でのみ映像に加工がなく、海沿いの道を現代的な車が走っているのが見えてしまっている。
 » 結末や真相に触れる内容を表示
  1. [1] アガサ・クリスティー, 『アガサ・クリスティー自伝 〔下〕』, pp. 122-136, 143-145, 早川書房(ハヤカワミステリ文庫), 1995
  2. [2] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 224, headline, 2013
  3. [3] 'Behind-the-Scenes,' The Mystery of the Blue Train (Poirot tie-in edition), pp. 387-392, HarperCollinsPublishers, 2005
  4. [4] 近況報告(過去ログ)

カットされた場面

なし

映像ソフト

  • 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 2」に収録、単品での一般販売はなし
2018年8月4日更新