ABC殺人事件

The ABC Murders
  • 放送履歴

    1992年10月02日 19時30分〜 (NHK衛星第2)

    1993年01月01日 16時05分〜 (NHK総合)

    2016年05月28日 15時00分〜 (NHK BSプレミアム)
    2016年11月02日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)

    1992年01月05日 (英・ITV)

    字幕での放送
  • 原作邦訳

    『ABC殺人事件』 クリスティー文庫 堀内静子訳
    『ABC殺人事件』 ハヤカワミステリ文庫 田村隆一訳
    『ABC殺人事件』 創元推理文庫 深町眞理子訳
    『ABC殺人事件』 新潮文庫 中村能三訳
  • OPクレジット

    DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PHILIP JACKSON / ABC殺人事件, THE ABC MURDERS / Dramatized by CLIVE EXTON
  • EDクレジット

    原作 アガサ・クリスティー 脚本 クライブ・エクストン 監督 アンドリュー・グリーブ 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山敬 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口芳貞  クラーク 内田稔 ドン 玄田哲章 メアリ 吉田理保子 ソーラ 弥永和子 ミーガン 榊原良子 カスト 矢田稔  江原正士 村松康雄 斉藤昌 藤夏子 藤本譲 さとうあい 大滝進矢 仲木隆司 峰恵研 星野充昭 安永沙都子 / 日本語版 宇津木道子  山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美
    “榊”のしめすへんは示
  • ハイビジョンリマスター版EDクレジット

    原作 アガサ・クリスティー 脚本 クライブ・エクストン 演出 アンドリュー・グリーブ 制作 LWT (イギリス)  出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ジャップ警部(フィリップ・ジャクソン) 坂口 芳貞  クラーク 内田 稔 ドン 玄田 哲章 メアリ 吉田 理保子 ソーラ 弥永 和子 ミーガン 榊原 良子 カスト 矢田 稔  江原 正士 村松 康雄 斉藤 昌 藤 夏子 藤本 譲 さとう あい 大滝 進矢 仲木 隆司 峰 恵研 星野 充昭 安永 沙都子 西本 理一  日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千
  • オリジナルEDクレジット

    Hercule Poirot: DAVID SUCHET / Captain Hastings: HUGH FRASER / Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON / Cust: DONALD SUMPTER / Franklin Clarke: DONALD DOUGLAS / Donald Fraser: NICHOLAS FARRELL / Megan Barnard: PIPPA GUARD / Mary Drower: CATHRYN BRADSHAW / Thora Grey: NINA MARC / Inspector Glen: DAVID McALISTER / Lady Clarke: VIVIENNE BURGESS / Miss Merrion: ANN WINDSOR / Franz Ascher: MICHAEL MELLINGER / Mrs Turton: MIRANDA FORBES / Superintendent Carter: PETER PENRY-JONES / Mrs Marbury: LUCINDA CURTIS / Deveril: JEREMY HAWK / Dr Kerr: ALLAN MITCHELL / Doctor: PHILIP ANTHONY / Man in Library: ANDREW WILLIAMSON / Mr Barnard: JOHN BRESLIN / Constable: CLIFFORD MILNER / Doncaster Sergeant: CLAUDE CLOSE / Andover Sergeant: ALEX KNIGHT / Scotland Yard Sergeant: DAVID RICHARD-FOX / Mr Downes: CAMPBELL GRAHAM / Commissionaire: GORDON SALKILLD / Mr Strange: NORMAN McDONALD / Nurse: JANE BIRDSALL / Stunts: BILL WESTON, PAUL WESTON, EDDIE POWELL, DAVID CRONNELLY // Developed for Television by Carnival Films / (中略)Made at Twickenham Studios, London, England / Assistant Directors: GARETH TANDY, ADAM GOODMAN, BECKY HARRIS / Production Co-ordinator: MONICA ROGERS / Accounts: JOHN BEHARRELL, PENELOPE FORRESTER / Locations: NIGEL GOSTELOW, SCOTT ROWLATT / Script Supervisor: SHEILA WILSON / Camera Operator: STEVEN ALCORN / Focus Puller: DANNY SHELMERDINE / Clapper/Loader: RAY COOPER / Grip: JOHN ETHERINGTON / Boom Operator: PAUL BOTHAM / Sound Assistant: ORIN BEATON / Gaffer: FRANK BABER / Art Director: PETER WENHAM / Set Decorator: CARLOTTA BARROW / Production Buyer: LUDMILLA BARRAS / Property Master: MICKY LENNON / Construction Manager: LES PEACH / Wardrobe: JOHN SCOTT, KIRSTEN WING, VERNON WHITE, NIGEL EGERTON / Assistant Costume Designer: MICHAEL PRICE / Make up Artists: KATE BOWER, PATRICIA KIRKMAN / First Assistant Editor: ANDREW McCLELLAND / Dubbing: PETER LENNARD, MIKE MURR, RUPERT SCRIVENER / Costume Designer: BARBARA KRONIG / Make up Supervisor: HILARY MARTIN / Sound Recordist: SANDY MacRAE / Titles: PAT GAVIN / Casting: REBECCA HOWARD, KATE DAY / Associate Producer: DONALD TOMS / Editor: DEREK BAIN / Production Designer: ROB HARRIS / Director of Photography: CHRIS O'DELL / Music: CHRISTOPHER GUNNING / Executive Producer: NICK ELLIOTT // Producer: BRIAN EASTMAN / Director: ANDREW GRIEVE
  • あらすじ

     ABCと名乗る人物からポワロのもとに送られてきた殺人を予告する手紙。そこに書かれた言葉通り、アルファベット順の場所でアルファベット順の名前を持った人物が殺されていく。はたして犯人は異常な殺人狂なのか、それとも……
  • 事件発生時期

    1936年8月下旬 〜 9月下旬
  • 主要登場人物

    エルキュール・ポワロ私立探偵
    アーサー・ヘイスティングスポワロのパートナー、大尉
    ジェームス・ジャップスコットランド・ヤード主任警部
    アリス・アッシャー第1の犠牲者、商店経営
    メアリ・ドローワーアッシャー夫人の姪、小間使い
    ベティ・バーナード第2の犠牲者、ウェイトレス
    ミーガン・バーナードベティの姉、タイピスト
    ドナルド・フレイザーベティの恋人、愛称ドン
    サー・カーマイケル・クラーク第3の犠牲者、富豪
    フランクリン・クラークサー・カーマイケルの弟
    レディー・シャーロット・クラークサー・カーマイケルの病身の妻
    ソーラ・グレイサー・カーマイケルの秘書
    デベリルクラーク家執事
    アレキサンダー・ボナパルト・カストストッキングの訪問セールスマン
    グレンアンドーバー警察警部
    カーターベクスヒル警察署長
  • 解説、みたいなもの

     1936年に発表された、クリスティーの“黄金期”を代表する長篇小説の映像化で、主演のデビッド・スーシェがいつもお気に入りの一作に挙げる作品[1][2][3]。原作のポワロの表現を借りれば「クリム・アンティーム(内輪の犯罪)」ではない「外側からの殺人」を扱っているのが特徴で、その次々と舞台を変える展開は、代表作ながらクリスティー作品には珍しい。
     前半は多少駆け足の感があるが、劇中の場面や台詞のほとんどが原作に対応する部分を見つけることができ、たとえばバーナード家でポワロが目の前でドアを閉められてしまうようなちょっとした場面まで、ちゃんと原作にその根拠となる記述がある。変更点の中で大きなものは、クローム警部のカットや、原作では2か月半以上に渡って行われた4つの殺人が1か月に満たない期間に集約している点、ドンカスター競馬場でポワロが連続殺人に隠された意図に気づく筋書きになっている点など。また、ベティの勤務先もジンジャー・キャットから実在のデ・ラ・ウォー・パビリオンへ変更され、最後のポワロの説明もここで行われる。クロコダイル……じゃなくてカイマンの“セドリック”の存在もドラマオリジナル。
     被害者の傍らに置かれた『ABC鉄道案内』は1839年創刊の歴史を持つ鉄道案内で[4]、原作のヘイスティングスの記述によれば、「すべての鉄道の駅をアルファベット順に一覧にしていたので、ABCの略称で親しまれていた」。駅の情報としては、所在地とその人口、ロンドンからの距離と運賃、発着時間、そして大きな町の場合はホテル名などがまとめられており、ロンドンと英国各地を往復するのに特化した時刻表だったという[4]
     「名探偵ポワロ」では、第3の手紙の宛先に関するやりとりが、物語にとって重要な要素でありながら大半をカットされている。会話中に出てくるホワイトホース・ウィスキーが現在も実在の商品名であるため、日本の放送事情に配慮したものだろうか(ジャップ警部の台詞にあるエドワーズの粉末スープも実在した商品だが、現在はすでに販売されていない)。また、オリジナルではさりげなく犯人を示唆していた競馬場の場面も、カットによって関係者全員が映らなくなったために決定力が弱まってしまった。さらに日本語音声では、犯人の精神状態について直接的に表現した部分など、一部の台詞が遠まわしな表現や別の内容に置き換えられている。
     冒頭のヴィクトリア駅の場面などで流れる本作のテーマ曲 The A-B-C Murders は、その題名にかけて A-B-C (ラシド)の旋律を主題に構成されているほか、各事件の幕開けにアルファベットがアップになる場面では、それぞれの文字に対応した音が使われている。
     南米から帰国したヘイスティングスの荷物に書かれた 'A.J.M.H.' や 'CAPTAIN A.J.M. HASTINGS' という文字から、ヘイスティングスのミドルネームの頭文字が J. M. であることがわかる。なお、これはドラマオリジナルの設定で、ここ以外で触れられることもない。
     タクシーのなかでポワロが言う「趣向をこらした、凝った」事件は、原作ではその具体的なイメージが語られており、その内容は「ひらいたトランプ」の事件だった。なお、原作発表順でも本作が「ひらいたトランプ」に先行しており、本作執筆時の着想を後日、「ひらいたトランプ」として結実させたと見られる。
     ベクスヒル事件の晩にデ・ラ・ウォー・パビリオンで上映されていた映画「いちごブロンド」は、劇中の時代設定より5年後の1941年に公開の映画。主演は、「安いマンションの事件」冒頭でポワロたちが観ていた「Gメン」と同じ、ジェームス・キャグニー。また、ベクスヒル事件のあとでカストが見ていた映画は Footsteps in the Sand という映画で、これも公開は劇中より3年後の1939年。ドンカスター事件の現場の映画館で上映されていたのはヒッチコックの「第十七番」で、これの公開は1932年。
     アンドーバーのアッシャー夫人の店周辺や、ドンカスターのリーガル・シネマの建物の撮影がおこなわれたのは、ミドルセックス州アクスブリッジ。ベクスヒルのロケ地は現地および隣町のセント・レナーズで、バーナード家があるのはベクスヒルのサード・アベニュー。チャーストンにあることになっているサー・カーマイケル・クラークの邸宅は、ハンプシャーのストックブリッジ近郊にあるマーシュコート。カストがドンカスターで宿泊したザ・グローブおよび彼のロンドンの下宿はともにロンドン・ブリッジ駅西側のデルタ線近くにあり、それぞれグリーン・ドラゴン・コートとパーク・ストリートから線路の高架をくぐるアングルで撮影されている。警察に追われたカストが朦朧とした意識で歩いたのも、その近くのバラ・マーケット。カストの住所はサザークにあるマーケット・ストリートと設定されており、マーケット・ストリートは架空の地名のようだがバラ・マーケット周辺を思い起こさせる地名で、ほぼ現地と言える。オーバートンにある設定のメアリが勤める家は、画面に映る住所のとおり、リッチモンドのファイフ・ロードにある。冒頭のビクトリア駅とチャーストンへ出発するパディントン駅、そしてドンカスター駅以外の鉄道の撮影は「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」「スタイルズ荘の怪事件」「プリマス行き急行列車」で使われてきたブルーベル鉄道でおこなわれており、アンドーバー・ジャンクションとチャーストンの駅はどちらもホーステッド・ケインズ駅。なお、本当のチャーストンの駅は、「エンドハウスの怪事件」で撮影に使われたダートマス蒸気鉄道の途中駅のひとつである。
     クラーク家の執事デベリルを演じたジェレミー・ホークはヒュー・フレイザーの妻であるベリンダ・ラングの父で、フレイザーとは義理の親子にあたる。また、ドン・フレイザー役のニコラス・ファレルは、ジョン・ネトルズ主演の「バーナビー警部」の一篇、「カラスの森が死を招く」のジョン・メリル役でも見ることができる。カストがドンカスターで泊まった宿のおかみは、「二重の罪」でノートン・ケインが泊まった宿のおかみを演じたミランダ・フォーブス。
     ポワロたちがバーナード家に到着する場面で、家の、向かって右側の窓付近にビデオテープが伸びたような映像の乱れがあるが、これは英国版の映像でも同様。しかし、ハイビジョンリマスター版では修復された。
     ホワイトヘイブン・マンションの玄関ホールやエレベーターが久しぶりに登場するが、第1シリーズのときとは別物。また、ポワロの部屋のキッチンでも、オーブンや食器棚の配置が変更されている。
    [1] デビッド・スーシェ, 「ポワロらしさの秘密」, 『ハヤカワミステリマガジン』 No. 534 2000年9月号, pp. 22, 早川書房, 2000
    [2] Interview: David Suchet - Strand Mag
    [3] David Suchet and Geoffrey Wansell, Poirot and Me, pp. 128, headline, 2013
    [4] 小池滋, 「解説」, 『ABC殺人事件』, pp. 337-340, 早川書房(ハヤカワミステリ文庫), 1987
  • ロケ地写真


  • カットされた場面

    [0:32:09/0:23] 第3の手紙到着時のポワロとヘイスティングスの会話の一部、手紙の宛先に関する部分
    [0:33:00/0:32] 駅でのポワロ、ヘイスティングス、ジャップ警部の会話後半
    [1:06:09/0:56] ホテルで頭痛に苦しむカスト 〜 競馬場の観客席の喧噪 〜 黙想するポワロ 〜 馬券屋の周りの様子 〜 馬がパドックから出ていく場面 〜 ドンの様子 〜 馬がコースへ入っていく場面 〜 ソーラの様子
  • 映像ソフト

    【VHS, VCD】 「名探偵エルキュール・ポアロ 第5巻 ABC殺人事件」(字幕) 日本クラウン
    【DVD】 「名探偵ポワロ 17 ABC殺人事件」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ
    【DVD】 「名探偵ポワロ [完全版] 17 ABC殺人事件」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ
    【BD】 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 9 ABC殺人事件, 雲をつかむ死」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ
  • 同原作の映像化作品

    【映画】 「The Alphabet Murders」 1966年 監督:フランク・タシュリン 出演:トニー・ランドール、ロバート・モーレイ、モーリス・デナム
    【アニメ】 「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第5話〜第8話 ABC殺人事件」 2004年 監督:高橋ナオヒト 出演:里見浩太朗、折笠富美子、野島裕史、屋良有作、田中敦子
    【TV】 「名探偵赤富士鷹 ABC殺人事件」 2005年 演出:吉川邦夫 脚本:藤本有紀 出演:伊東四朗、塚本高史、益岡徹、熊倉一雄
2017年11月28日更新


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