徹底したライフスタイルの改善は、2型糖尿病の発生率を低減させる

2010年05月19日…No.100519-071

アメリカの国立糖尿病・消化器病・腎疾患研究所(NIDDK)の糖尿病予防研究チームに よって、「徹底したライフスタイルの改善(健全な食事と適度な運動)は、長期にわたって 2型糖尿病の発生率を低減させる」との報告がなされました。

研究チームによる前回の調査で、徹底したライフスタイルの改善(健全な食事+適度な運動30分×5回/週)が、糖尿病の発生リスクの低下に大きな効果をもたらすことが明らかにされています。これは過体重の成人(*糖尿病の発症リスクが高い人)約3000人を対象にした研究で、被験者を「①ライフスタイルを改善する」「②メトホルミン(※1)を摂取する(850mg×2回/日)」「③プラセボを摂取する」3つのグループに分けて(無作為割付)、約3年間の比較調査を行ったものです。その結果、①のグループは、③のグループに比べて糖尿病の発生率が約6割も低下したことが確認され、糖尿病抑制効果に大幅な差が見られました。②のグループも糖尿病の発生率が約3割減少したことが明らかになりました(*この研究におけるメトホルミンによる糖尿病の発症リスク低減効果は、体重抑制の薬理作用によるものと推測されます)

そして今回の研究は、前回の調査をさらに延長して行われました。今回は、すべてのグループにライフスタイルの改善条件を加えました。従って、①のグループは前回のライフスタイルの改善をそのまま継続し、②と③のグループは新たにライフスタイルの改善条件を加えた形で、7年間の追跡調査を行いました。

その結果、②と③のそれぞれのグループは、①のグループに比べ、糖尿病の発生率にほとんど差がなく、いずれのグループも低く抑えられたことが明らかになりました。

研究チームは、「今回の追跡調査により、メトホルミンとプラセボのグループの糖尿病の発生率は、ライフスタイルの改善を継続してきたグループに匹敵するくらい減少したことが明らかになった」と結論づけています。

当研究所の見解

この研究で明らかにされたことは、次の2点です。

  1. ライフスタイルを改善することは、糖尿病の発生率を明らかに抑制する
  2. ライフスタイルを途中から改善しても、糖尿病の発生を抑えることができる

※1メトホルミンは、糖尿病患者の体重をコントロールするために処方される医薬品です。

出典:『ランセット 2009年11月14日号』

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