記事一覧

大崩山登山

早朝、人の気配を感じ目が醒めた。まだ3時前だった。
駐車場に大型のSUV車が停まって外で二人が話しこんでいた。
熊本から祝子川渓谷にヤマメを釣りに来たそうだ。
4時に起き食事を済ませ登山ウェアに着替え登山口に向かう。
空が白み始めた5時に登山者名簿に記入をし、ヘッドライトを点け歩き出す。この時間はまだ樹林帯の中は暗く、足元がおぼつかない。15分も歩くと次第に明るくなる。40分ほどで大崩山荘(無人)に到着、中には誰もいない。ごみも無くきれいだった。
しばらく三里河原方面に歩くと湧塚コースの分岐点があり標識に従い祝子川を渡る。

アップロードファイル 23-1.jpg 朝日を浴びる岩峰群

小さな沢を何度か渡渉するといきなり急斜面となり、きつくて長い坂道の始まりとなる。いったん尾根に出てからもハードな坂道が続く。最初の岩峰「袖ダキ」に上がる。目の前に広がる断崖絶壁の景色に圧倒される。垂直に切り立った谷底は100m以上はあるだろうか。恐る恐る覗き込むが足がすくむ。

アップロードファイル 23-2.jpg 袖ダキから見る下湧塚

アップロードファイル 23-3.jpg 谷向こうの断崖(小積ダキ)

アップロードファイル 23-4.jpg この絶景を独り占め(右奥に坊主岩)

距離にすれば僅かだが一時間ほどかかって、最初に見えた岩峰の上に出る。
(連続したほぼ垂直の梯子を5個か6個?ほど乗り移る)
岩の形が面白い。トルコのカッパドキアに似てなくもない。
絶壁を岩伝いに飛び歩き一人ではしゃぐ。

アップロードファイル 23-5.jpg 奇岩の連続

アップロードファイル 23-6.jpg 中湧塚の岩峰を望む

梯子を慎重に降り先を進む。この辺りから登山道の荒れが目立つ。岩盤から剥がれた倒木が多くなり赤テープを何度も見失いそうになる。小さな上湧塚方面の標識のある辺りで急に気分が悪くなり動けなくなる。放り投げるように靴と手袋を脱ぎ捨て横たわる。一時間以上動かずにいると次第に回復した。欲を出し山頂を目指そうと思ったが、思い止まって来た道を引き返す。
時折ふらつきながらも急坂を慎重に下る。
祝子川を渡り切り登山口まであと一時間と思うと流木の上にへたり込み開放感と脱力感を同時に味わってしまった。

アップロードファイル 23-7.jpg 大崩山荘(寄らずに通過)

登山口に着いても気分の悪さは残っていた。午後3時半過ぎ、タイムリミットを考えると引き返して正解だった。
朝、会った渓流釣りの二人連れもあとに続き戻ってきた。
釣果はダメだったそうだ。
祝子川温泉「美人の湯」に入り汗を流す。
体調も戻り、何事も無かったように自宅に着いた。

コメント一覧

コメント投稿

投稿フォーム
名前
Eメール
URL
コメント
文字色
削除キー