連休明けの高速バスは乗客も少なく、3列シートでゆっくりできた。
牧の原と海老名で20分ずつ休憩して、13:25には新宿に着いた。
今回の上京は3月台湾訪問以来見たかったアニメ「パッテンライ!!」鑑賞が目的だ。時節柄バスで日帰りの強行軍だ。
東京は曇り空で湿度が高くまるで梅雨のような空気だった。
ガード西を少し入り、白銀屋でカマス定食、800円。サラリーマンで混みあう人気店。
味はまあよかったが、カウンター席は厨房の油臭が流れてちょっと不快。
西口あたりも高層ビルが目立つが、路地には昭和的な店も多く、雑多な感じでよい。
東へ歩き、伊勢丹東の新宿文化ビル6Fで「パッテンライ!!」1500円の番号札をもらう。その昔ATGのあったビルだ、確か。
上映開始まで4hもあるので、とりあえず新宿御苑へ。200円。
温室が工事中で残念だが、薔薇がきれいだった。撮影者多数。
新宿門から入ると、管理事務所の隣りに木造のレトロな建物旧洋館御休所があった。外から見学。
内部は月に2回見学可らしい。明治期の建築だ。
次は玉藻池へ。ノイバラがきれい。水面には黄色っぽい浮遊物があり、なにかしら?
木々を通り抜けてバラ花壇へ。薔薇の種類も多く、華やかな雰囲気だ。いい香り。
下の池をまわりこんで池のほとりを散策。カラスが不気味。
旧御凉亭に行き当たった。中国式かと思いきや台湾の有志で建てられたとのこと。昭和のはじめころだ。
台湾檜を使用したとの説明があり、天井や柱や欄間がそれみたいだった。阿里山から切り出したのだろう。
池に張りだした回廊風の手すりが目を引く。ここからの池の眺めはほんと風流だ。一幅の絵という感じ。
新宿御苑の旧御凉亭内部
藤はぜんぜん咲いていなくて残念だった。
16:20、閉園間際まで歩いていた。
無印良品でTシャツを購入し、紀伊国屋書店で物色。美術関係でめぼしい本が数点あったが、よく吟味して買わなかった。
ドトールコーヒーでちょっと休憩。
18:35にはシネマート新宿へ。観客は少なそうだ。
「パッテンライ!!南の島の水ものがたり」はアニメだし、
地味というか宣伝もしていないし無理もない。
18:50上映開始。
内容としては台湾人と日本人の少年の場面が多い。
音楽が郷愁をさそってよかった。
八田與一の実像にどこまで迫っているのかは不明だが、アニメにしては上出来だと思った。
土木技師としての国家を超えたプライドや台湾の人たちに対する目線に、
今だに慕われている理由がわかる。
映画を見て初めて知ったエピソードもいろいろあった。
ダム工事前の農民の反発やアメリカからの大機械買付などだ。
あらためて八田與一の発想や行動力はほんとにすばらしいと思った。
ラストは烏山頭水庫の実際の風景を流した。廃屋みたいな家は八田の家族が住んだものか。
(先週の新聞で2年後にその住まいを復元し、一帯を公園として整備する、とあった)
映画は20:20ころ終わった。わざわざ東京まで見に来てよかった。
名古屋に帰るバスは23:55発車なので、時間はいっぱいある。三丁目近辺はオープンな飲食店が多い。
東へ歩いて、餃子の福包へ。ここは朝まで営業している。
焼き餃子、水餃子、キャベツ、あんかけ玉子ご飯とビール2杯で2000円ちょっととお安い。
餃子は6個で290円、味もよい。
まだまだ時間があるので、都庁の展望台へ行こう。雨が降り始めたが、地下道で行けるので大丈夫。
都庁下の一角でびっくり。そこで一夜を過ごそうとしている人たちがたくさんいる。すでに寝ている人もいた。
シュラフ使用の人もいたが、たいていは荷物が少なく、ダンボールを敷いて着の身着のままだ。
住まいを失ってまだ日が浅いのか服装も普通。なんだかな〜の光景だ。
都庁北館45階の展望台へ。23時まで開いていて観光客もたくさんいた。
ベンチで休憩し、トイレでTシャツを着替えた。22:30ころ下りた。
都庁下には人が増えていて、100人くらいいるかもしれない。正視できず足早に通り過ぎる。
23時ころ西口のマクドナルドで雨宿りだ。ここにも夜明かしするみたいな若者がなんにんもいた。これが2009年初夏の日本!
スバルビル脇にはもうバスが停車していた。
23:55に発車し、3回休憩を取るゆとり運行で、あくる朝5:20すぎに名古屋着。地下鉄東山線の始発は5:38だ。
「パッテンライ!!」と新宿御苑で充実した東京旅行だった。