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(ふたことみこと) |
二言美言3月31日(火) Final!![]() |
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防府が生んだ漂泊の自由律俳句の俳人「種田山頭火」 私が高校生の頃,何気なく耳にした俳句,「どうしようもない私が歩いている」は多感な年頃の者にとっては,とても衝撃的な句だった記憶がある。なんとなく,周りが自分よりも偉く感じるとき,何もかもいやになったとき,自分を見つめているとそこに「どうしようもない私」がいたのである。自らの歩く姿を,第三者的に見つめ,これから自分はどうしたらよいのだろう…,そんな不安と期待が入り交じったような思いさえ感じる。 「漂泊」といえば,定住せず決まった居を構えないことであるが,元々私は山口県の人間ではない。漂泊とまでは行かないまでも,その思いは何となくつうじるものがある。高校生の時にこの句に出会い,そして今,山頭火が生まれたこの防府の地に居を構えている。これも何かの縁なのだろうか。 「うどん供えて,母よわたくしもいただきまする」 なんと感動的な俳句なのだろう。母の墓前で詠んだ句と聞く。 朝焼けのうつくしさお別れする 山頭火 |