RIN’s 武道大会!

ピンポンパンポーン♪

CLOM:皆様、本日はRIN武道館へようこそお越しくださいました。
   各選手達の名勝負を楽しんではいただけているでしょうか?
   RINプロダクションの許可を得て、同盟条約を元に、
   本日は試合に参加し、そして現在まで勝ち抜いてきたツワモノの
   善戦を祈るイベントとして、これより我が社より人気上昇中の
   ヒロインたちによるパフォーマンスをお楽しみください。



武道館を照らしていた夕焼けはいつしか海の、地平線の彼方へと沈み
月のない夜が空を覆う。
大理石で作られた、強固な舞台に当てられるのは、
ステージの所々に設置されてあるスポットライトのみだ。

「power of life!!」

マイクから発せられた声がキーワードとなり客席から
爆発音と演出用の白い煙が激しく噴出す。

「ボクらの思いは明確な 言葉にならないまま沈んでいく♪
 感情の方が大きいけど 心を閉ざし歩くわけじゃなくても〜♪」

 大切に抱えてきた弱い心に 不器用な声がなり響く♪
 何もかもがボクらの心のうちで 歪められる前に♪」

 The power of life       make you!!
 叫んでみるんだ! 悲しいくらいに限りない空に♪
 希望も失望もこの心に 纏わりからみあう思いの全てを―――――」

形の違う2本の剣を両手に持った踊り子が前奏を歌い、
東の方角に腕を翳せば、客席の背後に設置された土台に聖炎が
灯される。
茶色の髪の少女はカインの持つエメラルドの剣に、
自分の倭刀を重ね天に掲げ、言った。
「同期同盟の名の元に、聖なる剣を携える勇者に祝福あれ!」
少女に促され、カインが客席の方に視線を向ければ
東の客席からは、一気に歓声が沸き起こった。

伴奏をはさみなりつづける応援歌。

「いつからか嘘泣きを覚え、いつしか作り笑いを覚える♪
 そうした自分を適当に偽りながら生きてたりするんだろうね〜♪

 言葉を掻き分け、心を通わせてはまだ少し戸惑いながら
 何もかもが基準のないモノなのに 歪められる前に♪

 The power of life       make you!!
 叫んでみるんだ! 今にも吸い込まれそうな空に♪
 誰かと交わす言葉がまた 現実と理想の型に跳ね返り〜

 If you wear power of life!!」

北の方角に手を指し示し、炎を灯した2人目の女性は
客席に向けて投げキッスを送ると、
黒髪の少年――――ユウの左腕を優しく掴み、こう言った。
「幸運をもつ小さな勇者に勝利の栄光あれ!!」
カイン同様に、ユウは客席を振り向いた。
すれば、先ほどと負けず劣らずの歓声場外から沸きあふれる。

「心 突き刺して行くだろう けれどもそこから逃げたくはない♪
 生きてく佳境になるまでは 全ての感情が与えてくれるから〜♪

 The power of life       make you!!
 叫んでみるんだ! 悲しいくらいに限りない空に〜♪
 上手く叫べず 例えがなる♪ 
 ここでしかできないのならそれでもいい♪

 The power of life       make you!!
 叫んでみるんだ! 今にも吸い込まれそうな空に♪
 呼び起こせ! make you! 言葉の力を♪
 まだ自分を見失っていられない〜♪

 If you wear power of life!!」
武器を持たずに登場した最後の少女は東に真っ赤な炎と灯せば、
照れながらも、盛り上がる客席に大きく手を振った。
「巨大な剣を掲げる風の勇者様に、炎の巫女は支援します!」
ギルの持つ、バスターソードに赤髪の少女は手を触れた。
視線が合えば、少女は微笑み
2人で掲げたバスターソードは炎の光で赤く染まり、
幻想的な色を鮮やかに映し出す。



歌とダンスの華やかなパフォーマンスが無事に終われば
全ての客席から盛大な拍手が沸き起こる。

マーシャ:試合はこの後、準決勝に入ります!
     3人の勇者達の活躍を最後までお見逃しのないよう、
     皆も応援、よろしくね☆
レクア :これより、休憩時間を挟み、
     その後 ギル選手VSカイン選手の試合がおこなわれます。
オボロ :勝ち上がった選手が決勝でユウ選手と戦います!
     武道会もいよいよ大洲目だよっ!
     みんな、頑張ってねっ!!

『以上、で応援大会を終了します。
 マイクを再び、放送席のカノトちゃんとシロンくんに返します!』