RIN’s 武道大会!
シロン君!あれ食べ様よ、あれ!
ほらほら、アイスクリームとか売ってるしさ!
ホットドックでも良いよ?お姉ちゃんが買ってあげる!
え?でも、あの・・・。
いいのいいの、遠慮しなくても!ほら、何が良い?
え、えっと。あの、イチゴが・・・。
おっけー。んじゃ買ってくるから、仕事頼んだわね。
え!?あ!スイッチ入ってる!!
え、えっと。
あ、あの!
び、Bグループだ、第二試合が始まります!!
・・・・・・ふええ〜ん!お姉ちゃ〜ん、早く帰ってきて〜!!
Bグループ 第二試合
アーク VS クガイ
『・・・・・・。』
無言のまま、互いに向き合う二人、
そのどちら共に不機嫌そうなのは、こんな場所に引っ張り出された所為か。
クガイは愛用の大鎌を取り出すと、斜めに構えた。
対するアークは、クガイの様子を眺めているだけの様子。
相手に向かい、素早い動作で下から上へと走らせる、その大鎌の切っ先を、
アークは二本の指に乗せた魔力の塊で容易く止めた。
まるで、吸い付くように止まった切っ先を、クガイは無表情に見つめた。
そんな様子を、何処かつまらなそうに見やるアークも無表情のままだ。
クガイは己の武器に力を加えてみるが、大鎌はピクリとも動かない。
更に力を加えると、表情だったアークの顔が微かに動くのと同時に、
大鎌を止めていた場所から、パチッと言う微かな音が鳴り、
何かが割れるような大きな音が響くのと同時に、アークは軽く身を逸らした。
力の支えを無くしたクガイが大鎌を振りきり、素早く半回転させ横になげば、
アークの作り出しだばかりの魔力は切り裂かれ、霞と消えた。
クガイが大鎌を振りかざし、攻撃を仕掛ける度、
アークはそれをかわすか、魔力でその道筋を変えるなどしつつ、
口の中で長い呪文の詠唱をしている。
攻撃の回数が増えるたび、クガイの顔には小さな焦りが見え隠れし始めた。
たっだいま〜、シロン君!はい、ストロベリーアイス。
あ、ありがとう。お姉ちゃん。
試合どう?進んで・・・・・・!!?
や、やばっ!!
み、皆様!!金たらいのご準備をお願いします!!
持っていない人は!!
あ〜!!もーいいから逃げて!!
呪文の詠唱が終わったアークが、ゆっくりと左手を掲げると、それは起こった。
「カノト。試合はこれで終わりで良いのだろ?」
・・・・・・・・・・。あ、あんた!ちょっとは加減しなさいよ!!
思いっきり、抉れてんじゃない!舞台!!
「何を言う。加減はしただろう。」
クガイさんは何処に行ったのよ!!
「私が知るわけなかろう。尻尾を巻いて何処かへと逃げたのだろう。
まあ、正しい選択だな。この距離で巻き込まれたら死んだろうからな。」
ちょっと!ここでは殺しはダメよ!!
「誰も死んでいないだろう?」
・・・・・・・。(こんの男はぁ〜!!!)
シロン君大丈夫?
腰抜けちゃった?
そーよね〜。怖いもんね〜。あんな人に近づいちゃダメだよ〜?
酷い目に有っちゃうよ〜?
近づいちゃダメだからね〜?
こくこくこくこく!!
Bグループ 第二試合
アーク VS クガイ
勝者 アーク