RIN’s 武道大会!
第二試合
レアン VS ハクロ
「ふ〜ん?僕の相手は人間外?」
「・・・。確かに私は人間じゃありませんけど、そんなきっぱり・・・」
「良いじゃん。その方が楽しめそうだし。」
「はぁ。それじゃあ、よろしくお願いしますね。」
レアンは使い慣れている剣を抜き取ると、剣先を真っ直ぐにハクロへと向けた。
ハクロは、金のチェーンのように連なった六個の輪っかを斜めに構え、レアンに向き合った。
レアンが動いた。
素早く、ハクロの懐のもぐり込むと剣を下から上へと大きく振り上げた。
ハクロは、下からの切っ先を輪の端で止め、弾き返すようにしてレアンから離れた。
弾き返され、バランスを崩すレアンに、ハクロはチェーンのように己の武器を投げた。
武器だけを見れば、何の殺傷能力もなさそうな、この武器も、スピードと重さが加われば、
人の首の骨など簡単に折る事のできる武器である。
体を沈め、それを避けたレアンは投げられた輪の一つに剣を絡め、ハクロから武器を取り去った。
「・・・。」
「あんたさぁ、実は思いっきり戦いなれてないでしょ。」
「はぁ。まあ、執事の真似事ばかりしてましたから・・・」
「つっまんない。何、あんた。ダメじゃん。」
「・・・・・。ダメじゃん、とか言われても。クガイ様全部一人でやってしまわれるし・・・。」
「人に全部任せて、自分は動かない。なおかつ、それは全部人の所為?むしが良すぎるんじゃない?」
「・・・・・・・・・・。」
「だいたい、執事の真似事してる立場なら、その人を守らなきゃいけない立場なんじゃないの?」
「・・・(ぐさり)」
「て、言うか。そんな人がここでこんなことしてて良いわけ?その人の側にいなきゃいけないんじゃないの?」
「・・・。(だって、強制的にここに連れて来られるし、クガイ様は何も話しかけてくれないし・・・。)」
「あんた、大人でしょ?責任ある行動が取れないの?ダメじゃん。」
「・・・。どうせ、私は・・・・・・。」
「あ、出た。どうせ私は〜。そうやって、逃げてどうするのか知らないけど。取り合えず人の所為にするのだけは止めてよね。」
はいはいはい〜!!!
ストップストップ〜!!!!
ちょっと、試合どころじゃないじゃない!!
お兄ちゃん、かわいそう・・・・。
「ほら、あんな子供にまで同情されちゃってるよ?」
だから、止めなさいって、言ってるでしょ!!
それ以上苛めちゃだめ!!
「・・・・・。(ぐすん)」
お兄ちゃん。元気だしてね?
Aグループ 第二試合
レアン VS ハクロ
勝者 レアン