RIN’s 武道大会!

はいっ!!

やってまいりました!

ついにやってきましたね〜、シロン君。

 

うん。皆がんばって欲しいね、カノトお姉ちゃん。

 

そうね〜、優勝者には、「望みの物」が与えられるって、言うから、

私としては、カインかアークかマトリが勝ってくれれば良いな。

横取りできるし。

 

・・・。お姉ちゃん、横取りって・・・・。

 

おほほほ!取り合えずがんばんなさい!皆の衆!!

武道会の始まりよ!!

 

 

会場外

 

「ポプコーン、ポップコーンはいらんかね〜。」

「安くて美味しいお弁当はいかが〜?ビールもあるよ〜!」

「たこ焼き〜!」

「餃子〜餃子、餃子〜」

「お母さ〜ん、あれ買って〜!」

「いらっしゃい、いらっしゃい!!大会では何があるかわからないよ〜?

 安全のため、かねたらいなんかどうだい!?」

「親父〜!あれが良い、あのドラゴンが良い!!」

「ふむ。これでも、カイに買っていってやろうかね?」

 

ピーンポーンパーンポーン!!

 

只今より、Aグループ、第一試合を行ないます。

見学をされるお客様は、お早めに席につかれますよう、お願い致します・・・。

・・・・・・・・。

あの、早く席についてもらわないと、試合が・・・。

ねぇ、ちょっと・・・・。

早く・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

さっさと、席に戻れって言ってるのが聞こえないの〜!!!?

 

――――――― キ――ン ―――――

 

え、やだ何?

 

お姉ちゃん!!音!!

 

え?え?ああ、何、どうなってんの??

 

お姉ちゃん違うよ!そのスイッチじゃ・・・

 

 

ぶちん

 

 

 

 

第一試合。

 

キリ VS リク

 

丸い石畳の上、互いに向かい合うキリとリク。

「よろしく」

「こちらこそ、よろしく〜。俺、武器無しだから、手加減してね?」

「あはは。無理。」

笑顔で挨拶をし終わると、二人は笑顔をしまってそれぞれ構えた。

 

短剣を2本構えたキリに対し、リクはその場に立っているだけ、

その様子に、どう仕掛けようかと迷うキリ。

そんなキリを見て、リクは小さく笑うと、キリに向かって走り出した。

速度をつけた右手をキリに向かって突き出すと、キリは体を横にしてそれをかわす。

かわすのと同時に、目の前のリクの背に向け、短剣をかざした。

振り下ろすより一瞬早く、リクは軸足を左に傾け、体を反転。

空振りをしたキリに、反動でつけた右足で蹴りつけようとするが、

キリはそれを余裕で避けた。

 

『・・・・・・。』

「今、本気で短剣刺そうとしなかった・・・?」

「まさか!刺しはしないよ、掠るだけだって!」

手をヒラヒラさせ、楽しそうに笑うキリに対し、リクは何処か、

悲しそうな、うらめしそうな顔でキリを見ている。

「ヤだなぁ、そんな顔しないでよ、苛めてるみたいじゃん。」

「酷いよ、大体、俺戦いとか好きじゃないのに、何でここにいるの?」

「あ、ほら。ラティスを守るためだと思えばさ。」

「だって、ラティ、自分の身は自分で守るんだもん。俺の出番ないよ。」

「え、え〜っと・・・。と、取り合ず、武道大会だからさ、戦わなきゃ、ね?」

 

「やだ。もうこんなことしたくない!俺、降りる!!」

 

「え?え?ちょっと、待ってよ!そんなの無しだよ!最初の試合なのに!!」

 

「知らない!俺の所為じゃないし。後はラティスにまかせる!」

 

「え〜??まってー!不戦勝なんてヤダよー!!」

 

 

 

Aグループ、第一試合。

 

キリ VS リク

 

勝者 キリ。