こ こが知りたい遺言・相続手続き


5-1 相 続税軽減対策

  • 配 偶者税額軽減の特例 と二次相続

配偶者の相続財産取得分が 1億6000万円以下、または法定相続分以下の場合 は、配偶者税額軽減特例により税金はゼロとなります。しか し、この特例の利用の当否については二次相続まで踏まえた節税を考えるべきです。すなわち、一時相続の時点においては、相続税を低くおさえる方法は前記の ことだけを考えればよいわけですが、二次相続のときは配偶者の税額軽減措置は利用できませんので、配偶者固有の財産も考慮にいれて、資産価値が増大するも のについては
子供へ相続させることを選択した方が結果的によい 場合があります。

  • 小規模宅地等の評価減の活用

小規模宅地等の評価減適用 を受けられる土地が複数ある場合は、どの土地に適用 するかは相続人が選択できます。したがって、評価減が一番大きくなる土 地に適用するように考えるべきです。また、相続する土地の取得者によって減額割合が異なることもあるので、二次相続も考えての節税効果を考えることが必要 でしょう。

  • 分割取得による土地評価額の引き下げ
土地については、利用 形態によって評価額が異なることがあります。したがっ て、利用形態ごとに土地を分割することにより、全体の 評価額が下がることがあります。評価額が下がれば、相続税、固定資産税等の税負担が結果として軽減されるというわけです。例えば、幹線道路に面した角地の 評価額は他の土地より高いのは一般的できですが、分割することによって角地でなくなった土地ができた場合はその土地の評価は下がるというわけです。土地は それぞれの相続人が相続した
単位で評価されるので、土地の分割取得を考 えることで節税対策になるというわけです。但し、相続税の物納をしようとする場合には、この反対で合併した方がよいということになります。
  • 不動産と取得借入金を一体とし て遺産分 割

    不動産の評価額については、その取得資金が借入金であれば、その分を控除して評価されま す。したがって、相続する場合は同じ相続人が不動産と借入金の両方を相続することで、課税評価額は当然ながら低くおさえることが可能です。
  • 相続税の納税のため物納・延納

    相続税は相続した時点での、不動産の価額をベースに課税されます。したがって、相続財産 の価値が将来にわたって増加すると予想される場合には、延納を申し出ることにより、その価 額が増加した時点で売却することができれば、結果として有利となります。しかし、この反対もあるわけですから、かなりリスキーで投機的な選択とも言えない ことはありません。事実、バブル崩壊前に発生した相続については、延納を申し出たために、その後の土地価格の暴 落により、四苦八苦している地主さんが多いとも聞きます。相続税を支払える現金がないという場合には、物納を選択することにより、将来のリスクを回避でき ます。
  • 分割後の税負担やそれぞれの相続人の収入

    相続財産につ いては、現金預貯金のようにその 時点での相続税だけで完結するものもありますが、
    不動産については、その後も毎年固定資産税が必要です。遺産分割の割合については、それらの
    税負担についても考慮にいれるべきでしょう。更には、相続人の収入金額と相続金額の合計と課税率の関係までも、財産分割をするにあったって、考慮すべきで しょう。

  • 代償分割の活用 ⇒こちらを参 照
代 償分割を利用した場合の税務上の取扱についても注 意すべき点があります。例 えば、小規模宅地等の評価減を適用した土地 を相続した相続人とそうでない相続人がいる場合、その間では相続税額の重みに違いが出てきてしまいます。そのため、相続税負担の小さな相続人が相続税負担 の多い相続人に代償財産を交付 することで実質の負担を同じにするということが可能になります。つまり、 代償分割の活用により、相続人の支払い相続税額を調整することができるわけです。


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行 政書士  くぼあきら