韓国遠征

大会名:第19回釜山市長杯 兼 第2回国家国際招待選手選考会

期  日:平成19年5月11日(金)〜13日(日)

場  所:韓国釜山市九得体育館

今回の遠征は全日本空手道連盟糸東会の要請により、韓国釜山における大会視察を兼ね、模範演武を行った。


釜山といえば、2002年の第14回アジアオリンピック競技大会で当時の世界チャンピオン若井敦子選手とイマケンこと今井謙一選手と3人で金メダルを取った思い出の地でもある。



           大会パンフ

成田から釜山までは飛行機で2時間かからない。同じく2002年に行われたサッカーワールドカップが日韓共同開催された理由もうなずける。時差も無く、ほとんど国内移動の感覚である。
11日午後、空港に到着すると糸東会の東海誠先生と韓国空手道連盟の方に出迎えを受け、さっそく試合会場へ。



東海先生と言えば、韓国に大変ゆかりのある方で、2002年釜山アジアオリンピックで一時、空手道が競技種目からはずされそうになった時に、影ながら多大なバックアップをして頂いた事は有名である。
そのほかに在日本大韓空手道連盟会長の林龍文先生、近畿大学空手部顧問で韓国空手道連盟副会長の原黄正男先生が来られた。皆どの先生方にも大変お世話になった事を先に述べさせて頂きたい。
       大会会場の九得体育館
大会視察
試合会場に到着すると、そのほかに見覚えのある日本人がいるではないか。
なんと中野秀人先生と、中村典彦先生である。2人とも元ナショナルチームで共に汗を流した仲であり、今や高体連でも強豪チームを創り上げている指導者としても実力者である。
今大会にはそれぞれの生徒である、在日韓国人選手の引率としてやってきたのだが、中野先輩は嵯峨野高校3年、趙台鎬君を、中村先生は柏原高校2年、清水省吾君で韓国代表選考会に参加していたのだ。
          
         優勝した清水選手                        原黄先生、優勝した趙選手、中野先生、趙選手父
左から東海先生、林先生、清水母、原黄先生、長谷川、中村先生、中野先生、趙選手、超選手父

本大会は釜山市長杯と、今年2回目となる国際大会の韓国代表選手選考会を兼ねていた。
ちなみに第3回の代表選手選考会は7月にチェジュド(済州道)にて行われる予定になっていて、その結果、今年のアジア大会や世界ジュニア&カデット大会の出場者が決定する模様。
結果は、2人とも組手の各クラスで見事優勝し、次回のチェジュド大会に望みをつないだ。

大会では組手は昔の「当てるイメージ」があったのだが、コントロールする傾向にあり、蹴りだけでなく、むしろ突き技が多く見られたことに驚いた。2002年の釜山アジアオリンピックで空手道がテレビニュースで流れた際、突きを捌きながらカウンターで中段突きを極めるシーンを見て、テコンドーには無い技に興味が沸いたと言う。
また、形に対しても非常に好印象を持った為、形競技が普及したようである。

          

組手の突き技は日本のように素早い引き手をとらない選手が多く、押し突きのような感じ。最初、在日選手の2人も戸惑いがあったがうまく対応していた。状況が違っても自分のペースを崩さないことだ。
形は糸東流と松涛館が多かった。しかし参加者は各10名程度。まだ少ない。韓国にはまだ流派というものがなく、やはり大会用に本やビデオで覚えただけの為、形に技の意味がない。指導者や審判の養成が必要だと感じた。

大会2日目
5月12日。大会2日目にはオープニングセレモニーの後で、模範演武として「セイエンチン」と「マツムラバッサイ」を演武。食い入るような視線が感じとれ、日本の形を非常に喜んでいただけたことはうれしかった。


形試合終了後、上位入賞者を対象に形セミナーを行ったが、ただ形を教えるよりも今後の稽古につながるように形の心構えを植えつけたほうがいいとの判断から、東海先生に糸東会の重要ポイントである「形の三原則」、「受けの
5原則」の説明を頂き、各ポイントを指導した。
セミナー終了後も、貪欲なまでの質問攻めに驚いた。
      セミナー選抜参加者と

今大会は在日連盟の先生方や、テコンドー連盟にも非常に強い繋がりを持つ、東海先生の存在なしでは成し得ないことであり、純粋で素晴らしい人間関係を持ちたいと私自身、人生の勉強になった。
スポンサーはテコンドーには当然多くついているが、空手道はないらしい。
空手道は国からスポーツとしてはまだ正式種目?に認定されていないようで、市民権をえてない。やはりアジアオリンピックや東アジアオリンピックなどの国の公な大会で、自国から入賞者を出すことが最良だが。今回の在日選手にも是非頑張っていただきたいものである。

釜山町並み
さて、2度目の釜山の町並みは近代化というか景色も人も変わってきたように感じた。街中の飲み屋街だったところもビルが建ち並び、若い世代向けのブティックや、ブランドショップ、ガラス張りのディスプレイもおしゃれだ。
あと¥円が弱くなっていたので物価も日本とほとんど変わらない。以前の状態から比較してしまうので財布の紐はゆるまない。
しかし、市場では相変わらずいろんなもの(魚、野菜、偽ブランド服、アクセサリーetc)を売っている商店がズラーと並び、見ているだけでも面白い。アジアの熱気を感じる。

日本では韓流がブレイクしているが(私はまだ韓ドラ見たことな〜い)確かに若い世代のファッションも、ルックスもみな整っているように思う。こちらはプチ整形が頻繁に行われているらしいが・・・(日本人の芸能人も韓国で整形するなんて話よく聞くがどうだろう?)

初めての失敗
今回の遠征で反省点がある。
海外遠征では時差はつきもの。俺流の時差対策方法は、出発前日から現地時刻をイメージして夜中も起きていることが多い。
今回は韓国という油断もあり、特に考えずいつもと同じ調子で睡眠をほとんどとらなかったのだ。

「まあ、機内で寝ればいいか!」ぐらいの気持ちでいたが、2時間足らずではあっという間である。
試合観戦中も寝不足と旅の疲れで熱っぽい。
夜、やはり発熱した為、薬をもらい厚着をして就寝。漢方のような薬の効果はてき面。
2日目朝には調子が8割方戻ってきた。しかしこれが大会だったら、どうなったのだろう?
気の緩みは禁物である。
睡眠不足は抵抗力が弱まるのだ。
  
     よく効いた風薬
韓国料理
さて韓国料理は、キムチうまい、骨付きカルビうまい、あわび粥、チヂミはモロうま。やはり本場で食べるのは最高でした。
野菜中心で辛いので、こちらの人はヘルシーだ。ふくよかな人はほとんど見かけない。あと飲食店に韓国のりがいつでも食べられるように、テーブルの上に用意してあるのは驚いた。
       
     
一度は食べたいあわび粥                  本場の分厚いちぢみは最高!

この近くて刺激的な韓国が好きになった。