平成15年度第3回段級審査会

日  時:平成16年2月21日(土) AM9:00〜PM1:30

会  場:小瀬武道館 第1武道場

参加者:300名

段級審査会。
試合とは一味違った緊張感。またこの日を年間目標として稽古に励む人も多いのではないだろうか?
今までの稽古の成果が試される段級審査会は幼児から大人まで真剣な面持ちでのぞむ姿が印象的だ。



年に3回行われる県糸東会主催の段級審査会が小瀬武道館で開催された。
年々空手人口が急増する中、今年は300名余もの申し込みがあり、特に幼児、小学生が参加人数の大半を占める。一昔前では考えられない人数ではあるが、参加者の取りまとめと名簿の作成、当日の受付など父兄の協力無しでは成し得ないところである。特に甲府空友会の米島様には毎回ご苦労かけており、影の支えには本当に頭が下がる。感謝!です。
        300名余が集まった
審査委員の各3名の先生方が3グループに配置され、受審者はそれぞれの受審順に整列。
身長の低い順に並び、当然隣は違う道場の仲間。初めての経験そわそわしている人、なじみの仲間と話をしてる人、演武内容を確認している人、様々であるがいずれにしてもいつもと違う状況に「ドキドキ」している様子が伺える。
そしていよいよ審査開始。今年は、すばらしいある現象が起こった。

それは緊張の第1番目、甲府道場の雨宮竜太君。まだ幼稚園の年中さん。
「いままで年長さんから審査会に参加させていましたが、一生懸命やるので初めて年中さんから受けさせてみました。」と言うのは長谷川由美先生。
審査委員、指導者、受審者とその父兄が見守る中、本日最初の審査がスタート。コートの中で一人決められた演武を行う。時より技が止まりかけるが最後まで自分の力でやり遂げようと考え、行動する。そして見事に演武を成し遂げた時、自然と会場から拍手と歓声が沸いた。皆、自分が成し遂げたかのような不思議な一体感が生まれたのではないだろうか?こんなことは初めてである。
一生懸命な姿に感動!!
我々、ナショナルチームの選手でさえも形演武の際には緊張するものである。それいかんによっては結果を左右する大変重要なポイントであり、その克服の為に日々稽古しているのも事実である。それを考えると、幼児が道場とは雰囲気も環境も違う場所で堂々した演武を成し遂げる姿は、皆にパワーを与えてくれた事と思う。


こういったところが段級審査会の良いところではないだろうか?
たとえ結果が出なかったとしても、あの場で経験した事はこれからの人生の中で必ず役立つであろう。

社会人になってから空手を習い始めた人がよく口にする事がある。人前であれほど自分自身の気を奮い立たせる事も、緊張する事もなかなか無い。結果ではなく、審査会に出る事で努力し、成し得る事で普段の生活では味わえない達成感がある。と。
稽古もそうだが、試合や審査会を通じて技術や体力の向上はもちろん、それらをコントロールする精神力(心)が培われていくの事を感じてくれているのだと思う。

        審査委員の先生方

形の演武は本当に正直に自分自身を映しだしてくれる。
その人の演武を見れば、稽古しているかどうか、精神が集中しているか、礼儀はできているか、目付けや声の大きさ、技の正確さ、力強さでその人の臨む姿勢や体調など、一目瞭然である。
頭が真っ白になるほど緊張しすぎると自分らしさを失い、本来の力を発揮できない事がある。が、緊張はしていいと思う。というか緊張して当然だと思う。逆にそのほどよい緊張をパワーに変える事ができるようになれば尚いい。それには経験から生まれる自信を持つ事も重要である。

さあ、また稽古だ!