年頭所感

2004年がいよいよスタートした。
皆さんはどのように新年を迎えたであろうか。
新年を迎えると昨年の不具合な状態が何故かリセットできる感覚があり、今年も頑張ろうと思う事がある。
そこで、より良い年を迎える為に行っている我々の元旦の過ごし方を紹介しよう。

1月1日午前4時起床。
有志で恒例の身延山初詣を決行した。今年は長谷川伸一先生、行光先生、片田貴士先生と現在、宇都宮の文星高校に修行に出ている岩下奈央さんの4名。身延山で初詣。と、ここまではごく普通の事であるが、我々のはちょっと趣向を凝らしている。
身延山といえば日蓮宗の総本山で1274年(文永11)に日蓮聖人が山中に庵を構えたのが始まり、というのは有名である。山頂の中腹に大本堂があり、明け方前だというのに参拝客の車ですでに渋滞。
我々はその下の門前通りから巨大な三門を抜けて境内に入り、287段の石段・菩提梯を一気に全力疾走!登り終えるころには足が乳酸でパンパンになり、踊る心臓に胸が痛い。この痛みの大きさが体調のバロメーターとなる。「おっ、今年もまだまだいけるな」と自分に言い聞かせて、ちょっと体育会系のマニアックな世界?大本堂で参拝を済ませ、一息入れるとこれからが本番。

AM5:00 身延山には中腹にある大本堂から山頂の奥の院までロープウェイで行く観光コースもあるが、大本堂の脇に登山道があり、そこを登るのである。まだ真っ暗な山中を懐中電灯を頼りに普通、片道2時間半の登山コースを1時間45分ほどで登りきる。巨木の林をひた歩き、その杉の木の頂上には本当に濃く黒い空と、銀色に輝く星達の景色が印象的である。電線も明かりも何もない状況の中、何百年前とこの景色は変わらないだろう。昔の人たちも同じ思いで登ったのだなあ?!とちょっと詩人なった気分になるが、足を急がせる。年始めにこの澄んだ空気と景色を堪能しながら、新鮮な気持ちでそれぞれの想いを話すのも楽しく、心地良い。
AM6:45奥の院到着。
   左から長谷川伸一、行光、岩下奈央、片田貴士

AM7:03御来光!!いつも見ている太陽が今日は不思議に何故か違って見える。
富士山の右から登る初日の出に向かって、体から立ち上る湯気と共に合掌!年頭所感。「よしっ!今年もいいスタートがきれた!」

土産売り場でお神酒をいただいた後、朝食に温かいそばを食う。落ち着いたところで大本堂まで下る。
大本堂まで戻ると、287段の石段を今度は4つんばいになって下るのだ。
行きは足、帰りは腕の強化。1段30pほどある急勾配な石段は、一度手を滑らせたならそのまま転落。度胸も必要となる。途中、参拝客の邪魔にならぬよう気を配りながら、慎重に且つリズムカルに1段1段降りてゆく。
やってみると分かるが(やる訳ないか!)これは腕だけではなく、腹筋と背筋にも効くのだ。逆立ち状態になり、全体重を腕で支える訳だが、四つんばいになると腕に連動する胴体のバランスを保つ為に、腹筋と背筋を使う。
やっていながら爬虫類の気持ちが少し分かった気がした。






足は手の3倍から5倍のパワーがあるという。登りの足もきつかったが、下りの腕にはかなりの負荷がかかっていた。このトレーニングの後、1週間は筋肉痛が取れない事は、誰にも知られていない。(本人も忘れていた。)
帰りは下部温泉にゆっくり浸かり、汗を洗い流す。最高!!!だ。何度も湯船に沈みそうになるほどの脱力感で気持ちが良くなるが、これがやめられない。
このあと生ビールときたら・・・

この初詣を行う事は、御利益があるとか、技術が向上する為ではない。
ただ実行する事で、自分に自信や新年を迎える為の、現役としての心の準備(今年の意気込み)ができ、本当にいいスタートが切れて気持ちがいいものだ。
初詣はやらないよりやったほうがいいと思うし、どうせやるなら何か心に残る事をしたい。そんな感じである。
皆さんも熱い信念をもち、何かにチャレンジしてみてはいかが?