ブルーベリー栽培の関係法規
○ブルーベリーの品種に関係する法令(種苗法他)
ブルーベリー苗木の増殖・販売・譲渡については、品種により種苗法等の関係する法令があります。
挿し木からの増殖は楽しみのひとつですが、違反にならないよう注意する必要があります。
種苗法登録〔出願〕品種...番号ラベル等の付いた正規販売品は譲渡・再販○、増殖は譲渡や再販せず個人的な
試作・研究等に限って○です。群馬県が出したおおつぶ星等がこれにあたります。国内法のため、後の個別契約と
並んで最も厳格に適用される可能性が高く、各苗木販売業者も扱いにはかなり気を使っているようです。
なお趣味栽培での愛好家間での少量の譲渡・交換等については、登録品種であっても問題ないと解釈されているよう
です。しかし苗木の販売等、業と見なされる場合は違反になりますので、ご注意下さい。
現在、該当する品種が増えてきましたので、最新情報は農水省の品種登録情報ページでご確認下さい。
なお、アルビックや大関ナーセリー扱いの米国パテント品種、オーシャン貿易扱いのニュージーランドパテント品種に
関しては、販売業者と書面で誓約書を交わす必要があり、種苗法の解釈を超えて適用されます。正規販売品でも
許可無く譲渡や再販はできませんし、一切の増殖は禁止されています。(下記、海外のパテント品種を参照)
商標登録品種...各苗木販売業者による品種の名称独占です。スパルタン、スパータン等、各業者で名称が違うのは
このためです。商標登録だけなら登録名称を使わなければ増殖、販売等の制限は無いと思われます。
ダロー、シェラ、エチョータ、バルドウィン等、比較的最近の品種に多く、私も混乱してしまいます。
海外のパテント品種...海外の特許品種は国際条約で保護されています。(UPOV=植物の新品種の保護に関する国際
条約) ハイブッシュ系、サザンハイブッシュ系、ラビットアイ系のいくつかの品種が特許品種です。
基本的に種苗法に準じて適用されますが、個別に誓約書を交わす必要のある品種も存在し、その場合は誓約書の
内容が優先されます。海外の権利者と国内販売業者が特許の保守契約を結んでいます。
UPOV=植物の新品種の保護に関する国際条約 の中で、私たちのように趣味で栽培する場合に関わる規定として、
第十五条 育成者権の例外 育成者権は、次の行為には及ばない。
(i) 私的にかつ非商業目的で行われる行為
が明記されていますので、種苗法と同じく特許品種であっても入手し、趣味として栽培を楽しむことは可能です。
一般の品種...発表から25年が経過した品種については全ての制限はありません。発表から25年以内の品種については、
特許品種で無い場合は実際のところ制限はかけられていないようです。
店頭でよく見かけるブルークロップやジャージー、ホームベル、ウッダート等は全く問題ありません。
品種名の変更について(品種の混乱を防ぐために)
米国農務省(USDA)発表の品種については、英文品種名を変更することは認められていません。日本語での商標登録に
制限はありませんが、英文品種名を併記する場合はUSDA登録品種名を変えないことが条件になります。
私たちが品種名の付いた苗木を購入する場合は、日本語品種名ではなく英文品種名を確認することが大切になります。
実際の法律運用については、特許等を持つ権利者は特許品種であることを明示して、かつ違反に対しての対応
〔警告や告訴等〕の義務を負いますので、小規模な違反〔例えば友達にあげる〕は取り締まり様の無い実態があります。
CDやビデオの私的複製が曖昧になっているの現状と問題に似ています。しかし、HP上等で堂々と販売される例もあり、
こうした場合はいつ警告や告訴となっても不思議ではありません。いろいろと微妙な問題ですが、該当する品種の
扱いにはご注意を。
○ブルーベリー栽培の農薬使用の制限について(農薬取締法)
ブルーベリー栽培で病害虫防除のために用いることのできる農薬には平成14年以降の改正農薬取締法で細かく制限されています。
家庭の庭先での小規模な栽培も新しく規制の対象となっています。対象となる農薬以外を用いることはできないのでご注意下さい。
使用可能な農薬情報については随時変更されています。詳しくは下記HP等で調べてみて下さい。
農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課 農薬対策室のホームページ
http://www.maff.go.jp/nouyaku/