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〜優しくもシリアス、上品センスなRPG〜

ミスティックアーク
(1995年・エニックス)

容量・32M
購入価格・1000円
物語★★★★
容量★★★★★
内容★★★
操作★★★★★
絵柄★★★★★★
音楽★★★★★★
調整★★★★★
特殊★★★
総合★★★★
キャラ・
難易度・

エルナード」の続編にあたる。フィギュアにされ、神殿に封じられた
主人公は、謎の声に助け出される。このゲームは7つの世界を駆け巡り、
7つのアークを集め、元の世界に戻ることを目的とするRPGだ。

TheSFC編集部カタログでは70点、ユーザー平均8・4462。
比較的妥当な評価といえるだろう。
いたってオーソドックスなRPGだが、センス、装飾度の水準はSFCではかなり高い。


シナリオ・ストーリー

色々な特徴を持つ各世界。
他のRPGには少ない、さわやかで童話的な感覚が個性的な世界観だ。
砂(ネコ)の世界、果物の世界、子供の世界と、名前だけで中身は想像出来よう。

構成も上手い。他のRPGで、いくつもの世界を旅する作品はよくあるが、
ラストになってくるとシリアスになるに伴い暗くなりやすいもの。
ところが、このゲームは−5、6世界はそのケがあるが−最終世界は一転して
「おとぎの世界」である。
それでありながら、雰囲気自体は決してギャグ調やキッズ風が勝っておらず、
一貫してシリアスさとのバランスがとれているのも興味深い。
人々や世界観の個性もしっかりしている。

ただ、その完成された世界観に胡坐をかいたわけでもないだろうが、
イベントそのものが随分と貧弱、「お使い」ばかりだ。
しかも、露骨に「パシリ」すぎる。
ミニイベントやパズルゲームは、ファイナルファンタジーZなどと違い、
ゲームのテンポを壊さぬよう配置されているにも関わらず、だ。

しかも、パーティーキャラの個性も恐ろしく低い。
ストーリー重視で進んでいくRPGだというのに、主人公どころか、他の6人の仲間も
最後まで、ただの一言も喋らない。
彼らの人物は、マニュアルの文章によってしか知ることが出来ないのだ。
元々フィギュアである(実体化させない限りはフィギュアのまま)ことや
幻想感のようなものを強調するための、意図的なものではあろうが…。

また、最終ボスとエンディングが、壮大な世界を旅してきた割に物足りなさ過ぎる。
詳しくは伏せるが、「はぁ?」というのが正直な感想だった。
一気に力が抜けた。


システム・操作性

至ってオーソドックスだ。
7つのアークで武器、防具を強化したり、仲間フィギュアを実体化させるのは
アークの存在意義を示すためには当然やることだし、特に目新しいタイプでもない。

戦闘も意外に「普通」だ。通常攻撃に魔法や技を加え、やばくなったら回復するの繰り返し。
オートバトルは良く出来ているが、技だけは効果が全然違うものをランダムで
使用するため、やや使いづらかった。

ただ、ミニゲームの構成や配置はいい感じか。
ゲーム性が薄いのをごまかすため、もしくはよりゲーム性を強調するために、
ミニゲームを入れるケースが多いが、下手してテンポをブッ壊してしまうこともある。
このゲームでは少なくともそういうイメージはなかった。
ミニゲーム自体もをストーリーに溶け込ませている。


グラフィック

前作エルナードのシブいイメージを残したまま、質感、美麗さ、センスを倍増させ、
更に生命感を吹き込んだ。各世界の童話的な感覚をBGMと合わせ、
ゲームとして理想の形に持ってきている。

緑の世界で、色が戻ってきた街や、おとぎの世界の街の色使いは心が安らぐ。
更に、戦闘シーンもきれいになった。


音楽

センス、メロディ、音質いずれもSFCトップクラス。美しくさわやかで、
そして「楽しい」音楽がプレイヤーをミスティックアークの世界へと誘う。
曲だけ聴くとちょっと退屈な曲もあるにはあるが、ゲーム中では十分堪能出来る
BGMが揃っている。意外とバトルがカッコいいのも高ポイント。

ただ、多様性は決して低くないが、曲のクオリティの高さを考えると、1世界ごと完全に
違うフィールド、町の曲を作り、特有のダンジョン曲も入れればより完璧だったと思う。

また、ダンジョンバトルの中に、ザコ敵なのにボス敵っぽい曲や、バトルというより
クライマックス時のフィールドっぽい曲が存在していることも気になる。

それにしても残念なのは、これだけハイクオリティな作曲をする森彰彦氏が
既に故人であることだ。


バランス・難易度

序盤、多少キツめな以外は、強くなっていく実感があるバランス。
ただ、同じ敵なのに、与えるダメージ、食らうダメージに3段階ほどのバラつきがある。
ファミコンの「ディープダンジョン」のつもりか、これは。


まとめ

至ってノーマルなスタイル、そこらへんに転がっているRPGになりがちなところを、
独特の上品なセンスでコーティングした。
イベント、キャラクターの不満や、システムの貧しさはあるものの、その優しい
世界観や秀逸なグラフィック、音楽に身をまかせて、楽しんでほしい。

個人的には、32Mも使った割にこんなもんかなーという気がしないでもないが、
まあ、いいか!


(この項・了)

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