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誰もJAROに訴えなかった

ダウン・ザ・ワールド
(1994年・アスキー)

容量・16M
購入価格・980円
物語★★★★
容量★★
内容★★★
操作★★★★
絵柄★★★★
音楽★★★★★
調整★★★
特殊★★★
総合★★★
キャラ・
難易度・

ウィザップやソリッドランナー、RPGツクール…
一風変わったRPGを生み出すアスキーにしては珍しい正統派RPG。
名前は忘れましたが、某シナリオライターが5年かけて構想を練ったストーリーらしい。
の割には普通だなあ。ソツはないんだけど…。


シナリオ・ストーリー

前述の通り、シナリオ担当が5年かけて創ったお話。
非常に特徴的なのは、プレイヤーが主人公を導いていくという「反ドラクエ」的な手法をとっている点だ。

「主人公はキミ自身?何わけわかんねえこと言ってんだ?
ゲームってのはなあ、所詮ゲームの中だけの世界なんだよ!
そんなこと言ってるから、なんか事件があった時「虚構と現実の区別が出来ない」なんて
ゲームが槍玉にあげられんだよ!あ?分かったかエ○ックス?」

まあそれはともかく、主人公ガオは、まず現代にやってきて、
プレイヤーに共に旅立ってくれるよう頼んでくる。
その後は、何かにつけてプレイヤーに意見を求めてくるのだ。

「ねえ○○、どうしよう?」
「どうする○○?この人のたのみを聞いてあげるかい?


…なんか腹立つな、この喋り方。
妙に「ボクボク」してて。気持ち悪いいうねん。
それに、少しは自分で考えたらどうなんだ。別にいいけど。

とはいえ、プレイヤーが主人公を導いていくという実感は、FFのような「見せられている」
という感覚にも当てはまらない。つまり、反FFでもあるのだ。流石ニュートラルなアスキー。

「あのなあ、何か勘違いしてねえか?RPGはな、「ゲーム」なんだよ!
ウィザードリィとかウルティマとかストーリーがないからダメとか、RPGはストーリーが命とか、
そんな貴様らの評価がRPGを間違った方向に走らせたんだ!そして日本のRPGは
『戦闘に勝った御褒美に次の話を見せてあげる』ものになっちまったんだよ!
恥を知れ、ス○ウェア!」

しまった、このRPGもそういうタイプだった。
つまるところ、中途半端ということやな。

ところでストーリーそのものだが、岩の国、知恵の国など5つの国を、
妖術師メルヴィルを倒し、命のつぼみの国の姫サーラを、世界を救うために冒険する。
まあ、個人的には主人公の喋り方が気に食わんが、この話の手法はそれなりにいいとこを突いたと思う。

しかし設定自体は非常にオーソドックスなタイプなので、飛びぬけているものがないしハデさもない。
素晴らしいがエゴがないため大スターになれないスポーツ選手のようなものだ。

更に、ヒロインのキララノキョウカ(←しかしこの名前はなんとかならんか)の存在感も希薄だ。
というより、なんでガオと恋愛関係になってるの?
ソングマスターのユーリとセレナじゃないんだから。

しまった、エストポリス伝記2のマキシムとセレナも同じだった。
つまるところ、エストポリスも駄目駄目な話ってことだな(それはない)。


スクウェアスタッフはこんなこと言ってない。


システム・操作性

至ってオーソドックス。しかしあまりにもオーソドックスすぎて、スタッフの皆さん、さあ困りました。

「まいったな…なんかオリジナリティを」
「よし!タクティカルバトルだ!ATB!アクティブ・タクティカル・バトルだ!」
「よし!
これで20万本は固い!

この会話はフィクションですが、横文字をずらずら並べ立てたシステムは大抵胡散臭いもの。
このRPGも例に漏れず、マイナス面を引き出してしまった。

テンポがこわれちまってるのよ、このせいで。

位置と行動で陣形を作り、半オートバトルを行うこの戦闘、
比較的戦闘好きの俺には結構楽しめたが、やたら時間がかかる。
キャラ思考がSDガンダムGNEXTのCOM並みに馬鹿で、
思い通りの動きをしてくれない。
「練りこまれた画期的な戦闘システム」ホンマかいな。

大体この戦闘、物語を楽しむというこのゲームのコンセプトに合っていたのか。
気の短い人は結構投げ出したと思うぞ。実際評価は芳しくなかったしな。

オリジナリティならプレイヤーが主人公を導く話のタイプである程度は確立されている
あくまである程度、だが)はずだし…いや待てよ。

ストーリーが5年の歳月を費やした割に普通だった上ボリュームが薄かったため、
スカスカ感をなくすために付け加えたんじゃあるまいな。
どっちにしろ、ろくな動機じゃねえな。アスキーらしくない。

操作性もメニューの呼び出しが遅い点が気になる。
行く場所指定→自動進行は戦闘以外のゲーム感をますます失くしてるし。


グラフィック

ゲーム内のグラフィックは、ドット絵がやや大きめだが丁度良い感じの大きさで、
フィールドや戦闘はショボめだが、街やダンジョンの色づかいが素晴らしく、
なおかつ雑になりすぎず綺麗になとめているので良い。

ただ、敵のグラフィックは貧弱すぎますな。やっぱり動かしちゃうとねえ。


音楽

各地の民族音楽的な曲風であり、芸術的。もっと攻めてもいい気がするが、
少し大人しい、淡い感じのメロディのほうがこの世界観には相応しいのだろう。

っていうか松下氏がイラストを手掛けている(ファミ通の扉絵の人)RPGって、
作曲者が違っても全部こんな感じだ。雰囲気に合わせてるってことなのかなあ。
アレンジバージョンのCDではいまいちな感じの曲も迫力出てるけど…。
(アレンジバージョンCDはゲームミュージック「その他」の項で紹介)


バランス・難易度

特殊バトルシステムのため、ダメージの揺れがやや激しいが、発売当時、
「電撃スーパーファミコン」のレビュアーがやたら大げさに言っていた割には、それほどつらくなかった。

まあ、既にライトファンタジーやバズー!魔法世界の荒行に耐えてきたからな。
彼らに比べれば子供のようなものだ。

でも、やはり平均というところから見れば、イライラ度は高いものがある。
COMの頭がもう少し良ければねえ。
また、サクサク進む(戦闘のテンポは悪いが)割には、妙に金がたまりにくい。


まとめ

「奥の深いシナリオ、練りこまれた画期的な戦闘システム、それらを彩る多彩な音楽。
そして何よりも痛みをわかちあえる仲間たち…いまここにかつてない新しい物語が誕生しました」


誰もJAROに訴えなかったんでしょうか。

正直、そんなにすごいゲームじゃない。小さくまとまりすぎとる。
実際、あまり人気出なかったしねえ。

一見、誰にでも楽しめそうだが、実は戦闘好きの奴にお勧めの漢ゲーになってしまっている。
戦闘しない妖精ベルベル以外、女性キャラがパーティーに全く加わらないというのも
漢っぷりに拍車をかけている。

コケた一番の原因はそれだったりして。

(この項・了)

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