第61話「カレーが好きのだ 8」


カレーが大好きなのだ。

就職してから1年が過ぎようとしていたある日、全然知らない町で1人で仕事をしていた僕は、昼休み時間に、ふと見かけたココ壱に入った。カレーを食べると後からも匂いが残るので、普通は仕事中にカレーは食べない様にしているのだが、その時は他に適当な店が無かったし、そもそもやっぱりカレーの魅力に負けてしまったのでカレーを選択した。

 

 店内に入り、テーブル席につく。店員がやってくる。ココ壱ならどこでも同じだ。

「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたらボタンでお呼び下さい」

「あ、もうこのまま注文で良いです。えーと・・・あ!」

と僕は店員さんの顔を見て驚くのであった。

「え?」

と、店員さんも僕の顔を見て何かに気付いた。そして僕が問い掛ける。

「もしかして以前ココ壱○○店で働いていませんでしたか?」

ここではあえて店名を○○としているが、ここには学生時代に毎週通った店の名前が入る。

「あ、そうです。あのパソコンショップで働いていた方ですよね?」

「そうです、そうです」

 

 と、まぁ、ココ壱を巡っていると、この様な意外な再会などが有ったりするものなのである。

「懐かしいですね。えーと、あ、注文を・・・じゃぁ久しぶりついでに“いつもの!”」

「え?なんですか?」

「ぎゃふん」

 

[完]


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