第53話「子供は危ないぞ」


人間は楽をする為に文明を発展させてきたのだろうか。

文明の利器により、随分と生活が楽になった事は揺るぎない事実だろう。一部、変なOSを使わされて逆に大変な思いをした人もいるのだろうが、それは例外としておこう。その例外を使っている人がかなり沢山いるという事も内緒である。

例えば高い所へ行く方法を思い浮かべていただきたい。エレベーター、ロープウェイ、自動車、エスカレーター、飛行機、高い所へ行く方法を思いつくままに羅列してみたが、すぐにこれだけが思い浮かんだ。もっと考えればもっと挙げられるのだろう。ドラッグとか。

 

さて、今回の論点はエスカレーターである。あなたはエスカレーターに乗れますか?あれに対して「乗る」という使い方が正しいのかは少々疑問であるのだが、上には乗るのだから正しいのだろう。エスカレーターに上手く乗れない人は、行進が苦手な傾向にあるという内容の放送をテレビで見たことがあるのだが、僕は別にエスカレーターも行進も苦手ではないので関係のない話しである。更新は苦手だが。

 

エスカレーターが特に苦手ではない僕は、デパートへ出掛けた時などは平気でエスカレーターを利用する。先日も名古屋駅近隣の人気デパートへ出掛けた際にエスカレーターを利用した。エスカレーターに乗っている最中は、店内の広告を見ても面白くなく、意識を向ける対象が少なくなる為、どうでも良い店内放送が耳に入り易くなる。そこで大変な放送を聞いたのだ。その放送内容はこうだ。

 

「エスカレーター付近で遊ばれているお子様は大変危険ですのでご注意ください」

 

なんと、これはどういう意味なのだろうか。エスカレーター付近で遊んでいる子供は危険なのだそうだ。エスカレーター付近で遊んでいる子供は既に危篤状態なのだろうか。いや、危篤状態の子供が遊んでいるはずがないから違うだろう。エスカレーター付近で遊んでいる子供は、無邪気に遊んでいる様に見せかけて実は猟奇的な思考を持ち、いつ何時隠し持ったバタフライナイフで刺してくるか分からないから注意せよという意味なのだろうか。これなら危篤状態よりは正しい気がする。しかしそれは危険だ。そう結論付けた僕は即座にエスカレーター付近を見回したのだが、幸い遊んでいる子供はいなかった。もし子供がいたらエスカレーターを逆送してでも逃げなくてはいけないと身構えたのだが、それは杞憂に終わったようだ。しかし何故デパートはそんな危険な子供を放置しておくのだろうか。社長の孫とかなのかも知れない。それでは下手に手出しは出来ないか。

 

ちなみにこの店内放送は、他のデパートでも聞かれる事がある。名古屋だけの話しではないので皆さんも気を付けていただきたい。

 

[完]


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