七人のマッハ!!!!!!!(英題:born to fight)
CGもスタントマンも早回しもワイヤーも使わず、古式ムエタイを駆使した格闘シーンではリアルヒットにこだわった『マッハ!』で世界の注目を集めたタイのアクション映画。そのスタッフが次に撮った映画が、この『七人のマッハ!!!!!!!』なのだ。
今度は格闘技の達人だけではなく、ラグビー、サッカー、セパタクロー、テコンドー、新体操と各種スポーツのトップアスリート達が得意技を生かして悪に立ち向かうのだ!
この映画のHPや予告編を見ると、底抜けに明るい雰囲気を醸し出し、古き良き香港映画の様なテイストが感じられる。
それに、気軽に劇場に足を運んで、勧善懲悪の物語りを観て、それでスカっとして家路につけるのがアクション映画の醍醐味だと僕は思っている。だからこの映画も気軽にリラックスして観に行ったのだが・・・
決してこの映画、そんなお気楽なアクション映画ではないのだ。
物語の前半は、よく有りそうなシーンとストーリーが続き、安心して観ていられるのだが、ある時突然その安心が打ち破られる。
ある瞬間、無差別大量殺戮のシーンが始まるのだ。そこからはもうただただ悲惨なストーリーが展開し、主人公達七人のアスリートが戦う為に立ち上がるシーンも、勇ましいシーンではなく、悲壮感すら漂っている。そしてほとんど救い様の無いラストを向かえ、観客は何もすっきりせずに家路につくことになるのだ。しかも、エンドクレジットまでまともに見ると、映画の作り方自体に疑問を持ってしまうのであった・・・
そもそもこの映画、アクションがあまり面白くない。『マッハ!』はストーリーがどうでも良かったものの、トニー・ジャーのアクションシーンだけ観てれば幸せになれたのだが、今作はストーリーが悲惨だわアクションに無理が有るわで。女性同士の格闘シーンではリアルヒットすら無いんだよね。女性に対してリアルヒットが出来ないなら、女性の登場自体を削って欲しかったな。
主演のダン・チューボンは全編通して絶叫しかしていなかった気がするが、役者としてそれでいいのか?ダンよ。
2006年1月22日鑑賞