パッション(原題:THE PASSION OF THE CHRIST)

 


 キリスト最後の12時間を描いたと言うこの映画。

メル・ギブソンが監督を出来る人だなんて知りもしませんでしたが、メル・ギブソンによる渾身の1作です。劇中に使われる言語は、キリストも話したアラム語で、アメリカで公開時は英語字幕を載せて上映したという気合の入れよう。そしてキリストが処刑されるまでの様子を克明に描き、そのショッキングな内容の為にアメリカでは上映中に3人も死者が出ていると言う。

 

 しかし!キリストについての知識がほぼ皆無の僕にとってこの映画は、知らないヒゲのおっさんがムチで打たれて血まみれになって十字架を背負わされて、とにかく酷い目に遭うだけの映画です。一体イエスはどういう経緯で処刑されてしまうのか、ちっとも分かりませんでした。そして群集のあの狂気。一体どうなっているんだ?顔が白くて眉毛も無いローブを纏った男が誰だったのかも結局分かりませんでした。パンフレットを見て、やっと分かったと言う始末です。

 

 内容はよく分かりませんでしたが、イエスが処刑されるまでの残虐描写は今まで観たどんな作品をも上回るでしょう。

終盤、十字架に手足を杭で打ち付けられるシーンはもう目も当てられません。上映時間が特に長いわけでもないのですが、観終わったらへとへとです。だからと言って、その残酷な描写を観て死んじゃう程ショッキングではなかったと思います。やっぱりキリスト教の国アメリカならではなのでしょうか。

ただ、信者ではない僕でも、終盤の描写は泣きたくなってきました。信者の人には本当に耐えられないのかも知れないですね。

実は、何席か隔てた左の方に座っていた男の人は、終盤なかり鼻をぐずらせていたのです。あれは風邪やアレルギーだったのか、それとも信者が故に耐えられなくて泣いていたのか。気になるところです。

 

2004年5月8日鑑賞


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