県庁の星
かれこれ300本近くの映画を観ていますが、この映画で映画鑑賞至上初めての経験をしました。
なんと、上映中に突然映像と音が切れ、場内の照明が点灯したのです。この日は、とあるシネコンでこの映画を観ていたのですが、他のフロアでいたずらによって火災報知機が作動したそうです。上映事故ではなかったものの、非常に珍しい経験をしました。帰りに無料券が1枚貰えましたよ。大損害ですね。
K県県庁キャリア公務員で上昇志向の野村は、民間企業との人事交流研修のメンバーとなり、とあるスーパーに派遣される事に。そこで彼を指導するのは年下のパート店員、二宮。現状以上はどうしようもないと考えている二宮と、気になる所は次々と指摘する野村は当然対立してしまい、人事交流研修が上手く行かない。さらに野村が進めていたビッグプロジェクトから野村自身が外されてしまい・・・
この映画、観る人の立場によって見え方は随分違うのでしょうね。
二宮はパートの立場にも関わらずスーパーの中ではかなりの地位を築いています。スーパーの中では彼女に従えば間違いが無い中で、スーパーとして出来ていて当たり前なのに出来ていない部分を指摘する野村。しかし、野村のごもっともな指摘に対して二宮も納得の行く理由でその指摘は間違っていると一蹴します。
公務員ではなく「民間」の方に居る僕は最初、エリート意識の強い公務員がいかにして民間の思考に感化されていくかを描いた映画だと思っていました。確かに間違いではないのですが、民間側も野村の上昇志向に感化されていくというエピソードも含まれているのです。まぁ、こちらは必要に迫られた部分もありますけどね。
そして公務員と民間の力が合わさり1つの方向に進みだした時、奇跡が起こるのです。本当に奇跡が。
登場人物の思惑通りに事が進みすぎた気がします。本当にそこまで上手く行ったら奇跡です。限られた時間内で物語進めなくてはならないので、素早く成果を出さなくちゃいけないから仕方ないですけどね。それは良いとして、会社勤めをする人間として色々考えさせられる映画でした。主軸が充分に面白いのだから、野村と二宮の恋愛要素なんて全く必要無いのにな。
2006年2月26日鑑賞