小さき勇者たち〜ガメラ〜

 


 ガメラの最新作が三重県で撮影される!

平成ガメラ三部作が大好きだった僕は、その知らせを聞いて非常に不安に思いました。

三重県での撮影といえば伊勢志摩フィルムコミッション。様々なロケのサポートを行うサービスで、ロケを通じて地域の知名度を上げ、町おこしに繋げようとしている団体です。個人的な印象ですが、こうやってロケ地を提供して貰って撮影する映画には「低予算」のイメージが付きまとってしまうのです。特撮を駆使した怪獣映画が低予算?もうそれだけで期待出来るはずがありません。

 

 舞台は三重県志摩地方。母を事故で失ったばかりの透は、赤い石の上に乗った卵を見付ける。その卵を手に取ったらすぐに殻が割れ、出てきたのは小さな亀。透は、その亀に「トト」と名付け飼う事にした。

 透の家では父親の孝介が飲食店を経営しており、ペットを飼う事が禁じられていた。ある日、孝介に見付かりそうになったトトを透が隠したその時、トトが突然宙に浮かんだのだ。そしてトトはある日突然数十センチまで成長したりと、不思議な育ち方をしたのだった。それを見ていた隣家の娘・麻衣は、トトが33年前に自らの命を引き換えに人間を守ったガメラなのではないかと思うようになった。

 そんなある日、トトが行方不明になるのと引き換えに透の町に怪獣ジーダスが上陸する。町を破壊し、人間を次々を食べていくジーダスの前に立ちはだかったのは、なんと8mに成長したトトだったのだ。トトは身長が50mはあるかというジーダスをどうにか撃破するのだが、体力を使いきって動かなくなってしまう。さらに、そのトトを国の研究機関が捕獲して名古屋の研究施設へ連れ去ってしまう。

 傷付き名古屋の研究施設で動かないトト。そんなおり、名古屋港にはジーダスの影が・・・・

 

 『逆境ナイン』も伊勢志摩を中心にしたオール三重県ロケの映画です。僕はこの映画の撮影中に丁度仕事をしていなかったので、何度かエキストラとして撮影に参加させていただきました。そしてついには高校生球児の役でワンシーンだけ出演する事にまで成功したのですが、実はこのガメラを撮影している最中も無職でして、志摩地区だけではなく名古屋でまで撮影をしたのだから、その気になればエキストラに参加出来たのです。まあ、タイミングが合わなくて実際は参加出来なかったんですけどね。ともかく、名古屋が舞台のシーンは知ってる場所が沢山出てきて面白かったなぁ。『モスラ3 キングギドラ来襲』や『ゴジラvsモスラ』でも名古屋が舞台になっていますが、今回ほど撮影場所が分かったのは初めてです。

 

 名古屋の事を良く知っている人が見て滑稽なシーンをお教えしましょう。それは赤い石を名古屋駅までリレーするシーンです。

熱田区国際会議場から病人が徒歩で名古屋駅まで行こうとする事自体滑稽ですが、ともかく国際会議場をスタートした石は、中区に有る本銀行名古屋支店の前で次の人に託されます。この時点でかなり遠回りをしています。その人が次の人に石を渡す商店街の様な所がどこだかは分かりませんでしたが、続いて石は中村区にある納屋橋の、風俗街の入り口辺りで次の人に託されます。日本銀行の前から考えると、少し名古屋駅に近付きましたが、次の人が行った先はなんと名古屋港。しかも、そこで石を受け取った人は、画面にこそ映りませんが海に向かって懸命に走り出します。海に向かって走り出したにも関わらず、次に石を受け渡す場所は、中区のナディアパーク付近。そして何とか名古屋駅に到着するのです。人間の足のみでそれだけの距離を移動したとすると、多分半日以上の時間が経過しているはずです。ガメラがやられちゃうよ・・・

 

 と言う訳で、いろんな意味で実に面白い映画でした。

ジーダスとガメラが最終決戦をする場所は、名古屋駅東口。ツインタワーのある所です。

僕が勤めている会社はモロ駅西ですが、駅西に被害は無いようでした。映画の舞台は今年の夏。今年の夏に僕の会社が潰れる事はなさそうです。

 

2006年5月14日鑑賞


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