マッハ!(原題:ONG−BAK)
いやいやいや、物凄いアクション映画を観てしまいましたよ。
ストーリーは、いたって簡単。仏教との村から盗まれた仏像の首を取り戻す為に、ムエタイを極めた若者、ティンが犯人を追うと言うもの。物語の背景を描き終わるまでは退屈なシーンが続きますが、1度アクションが始まるともう凄い。CG、ワイヤー、スタントマン、早回し一切無しで、全てが生身のアクション。これらを駆使して街中の追いかけっこのシーンではジャッキー・チェンも真っ青なアクションの連続。カーチェイスあり、格闘有りとパターンは香港アクション映画の王道を行っていますが、質はどれも充分に上回っていると言えるレベル。ムエタイを使った格闘シーンではリアル・ヒッティングで、肘や膝が次々と敵の頭部に当たる当たる。観ているこちらが痛そうで辛くなる感じ。それどころか打撃を当てた側も痛いに違いないと思える格闘シーンはこの映画で初めて観ました。炎を吹く足で思い切り蹴りをかます様子は格闘ゲームでしか見られないと思っていましたよ。
これら超絶アクションの数々をこなした主演のトニー・ジャーは本当に凄い。この映画の為に古式ムエタイをマスターした努力も凄いですが、飛んだり跳ねたり走ったり滑ったり避けたりのアクションを全部生身でやってしまっただなんて、普通なら何度か死んでいてもおかしくないと思いますよ。
この映画の予告編では「一、CGを使いません 二、ワイヤーを使いません 三、スタントマンを使いません 四、早回しを使いません 五、最強の格闘技ムエタイを使います」だとかって面白おかしくやっていますけど、僕はこの宣伝の仕方は決して上手くないと思います。確かに言っている事は嘘ではないのですが、この宣伝の仕方では関心を惹き難いと思うのですよね。これらの文句を加えつつ、劇中のアクションをいくつか見せたら、観客の関心は一気に高まったのではないか?と思います。と言っても、劇場はほぼ満席でしたけどね。あー、そう言えばどうしてこの映画はほとんどが吹き替えの上映なんだろう。まー、ともかくこの映画、ストーリーはともかくアクションは必見です。マジで。
2004年7月25日鑑賞