マインド・ゲーム
なんだか凄い映画を観てしまったなぁ。
制作は、『MEMORIES』や『スプリガン』、はたまた『アニマトリックス』の9編の内5編を手掛けたという「STUDIO4℃」。そして監督は「クレヨンしんちゃん」で有名(らしい)な湯浅政明。う〜ん、僕は監督にもプロダクションにも思い入れは無いけど、日本トップレベルのアニメ制作現場である事は間違いSTUDIO4℃と、定評のある劇場版クレヨンしんちゃんの湯浅監督。こりゃー絶対に凄い映画が出来上がるよなぁ。
初恋の幼馴染みである、みょんちゃんとひょんな事から再開した西。みょんちゃんと姉のヤンが経営する焼き鳥屋にやって来たのだが、姉妹の父親の借金を取りに来たヤクザに西は殺されてしまう。たった20歳で死んでしまった西は、神様に逆らって現世に舞い戻って精一杯やり直す決意をするのだが・・・
粗筋だけ見ると、あまり面白そうじゃないですね。そうなのですが、西の精一杯ぶりを見ているとなんだか清々しくなってきて、観ていて気持ちが良かったです。西を演じる今田耕司、彼の熱演が見事に西に生命を吹き込んでいます。まずは今田耕司の熱演に拍手です。そしてこの映画、声優の熱演よりも何よりも特徴的なのが、映像表現。とにかくぶっ飛んでいますな。突如登場人物の顔が声優の実写に変わるわ、絵柄頻繁に変わるわ、めまぐるしい。序盤に登場する神様は、対峙する西のイメージが固まっていないと言う理由で顔が変わる変わる。これだけで物凄い労力が必要とされているんだろうなぁ。しかも顔が変わると声も変わって、これがなかなか見事。アクションシーンのスピード感は『茄子 アンダルシアの夏』なんて比にならない程。荒唐無稽ながらに手に汗握らせる演出もたいしたものですよ。
しかし観る人を選ぶのかなぁ、この映画。少なくとも無害なファミリー向けではないし、大人が楽しめる小難しいアニメでもないし。メッセージは良かったと思うんですけどね。こんなアニメもあるのかー、と参考程度にでも観ていただきたいものです。ハマる人はハマるだろうなぁ。
2004年8月29日鑑賞