キル・ビルVol.2(原題:KILL BILL:Vol.2)

 


 今日この時点で、まだ『Vol.1』の感想を書いていない訳ですが、あまり気にせず行きましょう。

あまりにナンセンスで馬鹿馬鹿しくてB級映画テイストがぷんぷん匂ってきた前作は僕の中では大いにツボでして、ラストのビルの気になる台詞も含めてとても楽しみにしていました。

 

 しかし、今作は雰囲気が大きく変わってしまい、前作の様な馬鹿馬鹿しい描写が減ってしまい、随分とドラマチックな作品へと変貌していたのです。前作で殺したのは、自分を葬ろうとした殺し屋集団の元・仲間の4人とボスの内、仲間の2人。今作は残りの2人とボスのビルを殺す事が目的なのですが、前作では1人目のオーレン・イシイが所属していた組織のせいもありますが、とにかくハチャメチャな展開が見物で、その描写に嬉しい苦笑が絶えませんでした。しかし、それ以降の標的はいたって地味な物。2人目に殺したヴァニータは殺し屋を引退して普通のお母さんになっていました。ただしこれは、時系列をいじってあるので『Vol.1』の最初の復讐場面として登場し、アクションや設定に物足りなさを感じる事はありませんでした。しかし、オーレン・イシイへ復讐したシーンの後に続く今作の復讐シーンはあまりに物足りません。今回の標的である残りの2人は、酒びたりの生活をしているビルの弟やビルの愛人として生きているエルと言った感じで、かつての殺し屋時代からは考えられないすさんだ生活を送っている奴等なのです。ザ・ブライドを殺し損ねたその後から、ビルの組織は廃れて行った様子を表していると思うのですが、ちょっとこれが物足りなかったなぁ。

 

 アクションシーンは今作も面白かったです。エルとの戦闘シーンは狭いシチュエーションの中でよくもあそこまで魅せたと感心しますし、修行のシーンも面白かったです。修行シーンは前作にあった様なB級テイストシーンなのですが、こう言ったB級テイストシーンが今作はとても少なく、所々に散りばめられているだけだと中途半端に感じられてしまい、全体のバランスを崩す結果になっていた気がします。

 ところで、エンディングでは『怨み節』が日本語歌詞付きで出てきましたが、あれは一体どういう意味だったんでしょう。思わず吹き出してしまいましたよ。観客全員で合唱せよって意味かな。

 

 『Vol.3』の噂が有ります。今作がっかりした面もありますが、新作が作られるなら応援しますよ。製作は15年後と言う噂ですがね。

 

2004年5月16日鑑賞


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