ビッグ・フィッシュ(原題:BIG FISH)

 


 キーワードはお伽話なのです。

お伽話って一体何なんだろう。そんな事は僕の人生で今まで一度も考えた事なんてありませんでした。ただ漠然と、桃太郎とか金太郎と言った昔話がお伽話なんだろうって認識していました。しかし、この映画で主人公のエドワード・ブルームが話した自分の経験談は紛れもなくお伽話でした。それも、現代を舞台にしたお伽話。「むかーしむかし」で始まる昔話をお伽話と漠然と認識していた僕なのですが、何故だかエドワードの話しを正にお伽話だと思ってしまった。不思議なものです。

 

 と言う訳で、先程映画を観終ったばかりの僕の頭の中では「お伽話」がくるくると回っています。

 

 う〜ん。ところでこの映画にはどんなメッセージが含まれていたんだろう。

ちょっと脚色した自分の人生経験を、本当の事の様に人に話して聞かせて、それを聞いた人達を楽しませるエドワード。だけど、エドワードの息子であるウィルは親父の話を嘘でくだらない話しだと言って、聞く耳を持たない。小さい頃は親父の話しが大好きだったのに。しかし、最後にウィルはエドワードにとても素敵な作り話を話して聞かせる。

 こんな粗筋で、回想シーンと現在の場面が上手い具合に入れ替わり、非常に良く出来た作品だと思いました。脚本が良いのか、若い頃のエドワードが魅力的なのか、観ているこちらはエドワードの話しにぐいぐい引き込まれて行きます。嘘にしか聞こえないエドワードのお伽話は、今時驚きもしないSFXで再現されているのですが、これが更に魅力に拍車を掛けます。

 間違いなく、これは「良い映画を観た」と言えると思うのですが、やっぱり僕にはこの映画のメッセージが伝わってこなかった。なんだか中途半端な感じがしまして。いや、別に文句を言っている訳ではないのですよ。教えてティム・バートン。

 

2004年5月29日鑑賞


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