小話2. 愛のある風景
エージュ・ハーネットと孫明の場合
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愛しのエージュへ。
突然ですが告白します。
狂おしいほど、あなたに夢中です。
だから、アイム・ウェイティング・フォー・ユー
あなたが遠くに行くならば、その足下に傅きあなたにすがります。
本当はこの気持ち、ずっと心の中にしまって置くはずだったけど・・。それでは失礼します。
孫明より。
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愛しのエージュへ。
突然ですが告白します。
振り向いてくれなくてもいい。ただ、いつもそばにいてくれるのなら。
何度すれ違えば、あなたはこの愛に気づくのでしょう。
あなたを忘れ去ることが出来るなんて、どうしてわたしは思っていたのだろう。
あなたが見えない夜は嫌いです。それでは失礼します。
孫明より。
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愛しのエージュへ。
突然ですが告白します。
かけがえのない人、それはあなたです。
酷い目に遭わされてもいいの。
あなたのつれないそぶりに、恋心はむしろ燃え上がります。
今夜は帰りたくない。それでは失礼します。
孫明より。
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「…メイ。」
「なんですか?エージュ。」
「なんだこれは。」
「恋文…一般的にはラブレターと言われるものです。どれがお好みですか?」
「どれも好かん。なんだ、この妙なラブレターは。」
「私の…あなたへの思い?でしょうか。」
「その疑問形はなんだ。」
「私、こういうの苦手ですから。機械に作らせました。イマイチでしたか?」
「…人間、慣れんことはするものじゃない。」
「そのようですね。」
希崎勇介と蓮見サイリルの場合
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愛しの勇くんへ。
突然ですが告白します。
見えないけれど確かなもの。空気。未来。そしてわたしの勇くんへの想い。
青春っていいですね。ドン・チュー?
まるでロミオとジュリエットのようだね。
炎のダンサー・ラバー・ソルジャーになるよ。勇くんのためなら。それでは失礼します。
サリーより。
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「サリーがこれくれた。」
「あの女はラブレターも個性的だな…」
「何言ってんだよ、喜一。これサリーが書いたんじゃねぇよ。」
「なに!?どう見てもあいつが作った文章だろうが!かっ飛び具合が。」
「ぜってぇ違う。この手紙にはサリーの思いがこもってない!」「さすが私の勇くん!やっぱり分かってくれると思ってたの!!!」
「サリー!」
「どっからでも出てくんな、こいつ…」
「私の友達が教えてくれたサイトで作ったんだけどね、『まんまサイリルの文章だよ!見たとき笑っちゃったもん!』とか言うから『私の勇くんはこんなもんに騙されたりしないわよー!!!』って言ってね。試すみたいなことして御免ね…。」
「いや、信頼されてて嬉しいよ…サリー。それに、ちゃんと分かったし。」
「勇くん…ごめん。皆があんなに言うから、本当はほんのちょっとだけ心配だったの。でも、分かってくれてすごくすごく嬉しかった。」
「馬鹿だな、サリー。サリーが俺のために作ってくれたものを見分けられないわけないだろ?手紙でも、料理でも、何でも。」
「勇くん…!!やっぱりあたし勇くんが大好き!勇くんの為なら炎のダンサー・ラバー・ソルジャーになるよ、私!!」「…やっぱこいつが書いたんじゃねぇの?」
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