実録ドキュメント

格闘野郎の集い2009

2年間の沈黙を破り、あの男が帰ってきた。

3年前、ミーに格闘家の心意気を教えられた忍者の兄は、
山に篭り精神修行の日々を送っていたのだ。
修行で何かを掴んだのか、
兄の表情は自信に満ち溢れていた。


敢えて言わせてもらおう。
俺はもはやあの頃とは別人だと。
今の俺はもう、世界中の誰にも負ける気がしない。

「ふっ…それはどうかな?」

「なんだと?」

そんな兄をあざ笑うかのように、弟ハッスル忍者が立ち塞がる。

兄「面白い。試してみるか?」

兄は弟に一瞬で倒されてしまった。

兄「な…何故だ…」

弟「ふ…老いたな兄よ」

40歳を超えた兄の肉体は格闘家としてのピークを過ぎてしまっていたのだ。
修行の旅から兄を待っていたのは過酷な現実だった。

この2年間、俺は現実から逃げていただけなのかも知れない。



兄「お…俺は一体どうしたらいいのだ」

弟「諦めるのはまだ早い。俺に任せてもらおう」

兄「何かいい方法があるというのか?」

弟「これから改造手術を行う」



ハッスル忍者による改造手術により、
兄はメカアニーとして蘇った。

兄「おお…力がみなぎる。これなら勝てるぞ…!」

そしてメカアニーは宿敵ミーに果たし状を叩きつけた。

兄「勝負だ、さあミーよ、出て来いやぁ!!」


ミー「えっ格闘? まだやってたのかニャン?」

ミーは格闘とかもう飽きていた。


弟「…ひとりでやってもつまらないよね」

兄「うん、そうだね…」



             おしまい