「婆沙羅」山田風太郎・著世はまさに混迷の極みを尽くした鎌倉時代末期(「太平記」の頃)、社会の常識の枠にとらわれず破天荒な所作や姿形をする事が生き甲斐の佐々木道誉は「婆沙羅」と呼ばれていました。 そんな佐々木道誉の目を通して「後醍醐天皇」「楠木正成」「高師直」「文観」「吉田兼好」「足利尊氏」達を描写しています。 いずれの人物も「太平記」を代表する者達ですが、 道誉に負けず劣らずの「婆沙羅」ぶりを発揮して時に道誉を慌てさせたり感心させたりします。 「婆沙羅」においては一枚上手の道誉はこれらの人物をどこか余裕を持って面白がっていましたが、 最後に現れたのが… 「太平記」を題材にした作品の中でも鬼才・山田風太郎が特異の筆力で大胆に解き明かした「裏・太平記」とも言える傑作です。 |