実録ドキュメント

     格闘野郎たちの集い

 彼らは何故戦うのか?
それは誰にもわからない。
彼らは今日も、意味もなく戦い続ける…

 

 今年の盆休み、埼玉より帰省した兄は、マスクとグローブを持ってきていた。
イヤな予感…
そして兄はこう言った。 「技かけさせろ」

『プロレス技の実験台』…弟の宿命である。
しかし弟は果敢にもそんな兄に立ち向かう。

「オレを今までと同じだと思うなよ! 今年こそ下克上だ!!」

・・・それにしても弟は絵に描いたようなヘタレである(笑)。

       弟はおもむろに相手に背を向けた。
相手の虚を突いた必殺の一撃…「截拳道」の奥義である。

「さあ来い…渾身の裏拳を叩き込んでやるぜ!」

しかしあまりにもスキだらけで、簡単にバックを取られてしまう。
天山のバッファロースリーパー。最近の忍者兄お気に入り技だ。

「あっ、タンマ!ごめん、ごめんって!」

プロレス技の実験に、ギブアップという言葉は通用しない。
数秒で絞め落とされるハッスル忍者。
すがすがしいほどのヘタレぶりである。

           薄れゆく意識の中、弟は思った。

「あぁ〜、久しぶりに寿司食いてぇ〜」

弟を秒殺し、勝ち名乗りをあげる兄。
しかし、最強の戦士の称号を虎視眈々と狙う者がいた…!
                         

                        

                挑戦者現る!!



                             

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