意識障害の評価方法、ジャパン・コーマ・スケール(JCS)

■チェック用語

・ジャパン・コーマ・スケール(JCS:Japan Coma Scale)
      国内でもっとも普及した意識障害の評価法です。
      刺激による開眼状態で大きく I、II、III の3段階に分類し、
      さらにそれぞれを3段階に細分化して全部で9段階評価をします。
      点数が大きいほど意識障害が重症です。

      I 刺激しないでも覚醒している状態

      1点:だいたい意識声明だが、今ひとつはっきりしない
      2点:見当識障害(自分がなぜここにいるのか、ここはどこなのか、
            といった状況が理解されていない状態)がある
      3点:自分の名前、生年月日が言えない

      II 刺激すると覚醒するが刺激をやめると眠り込む状態

      10点:普通の呼びかけで容易に開眼する
      20点:大きな声または体をゆさぶることにより開眼する
      30点:痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼
              する

      III 刺激をしても覚醒しない状態

      100点:痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
      200点:痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
      300点:痛み刺激に反応しない


      開眼状態で評価しにくい場合の評価基準

      R restlessness:不穏状態(ふおんじょうたい)
                       (気分や動作に落ち着きがない状態)
      I incontinence:失禁
      A akinetic mutism:無動性無言症(無動・無言で意思疎通が
                        とれないが、覚醒・睡眠のリズムがあり、
                        開眼しているときは眼球が物を追って動いたり、
                        物を見つめたりする状態)
        apallic state:失外套状態(しつがいとうじょうたい)
                       (覚醒・睡眠のリズムをある程度残し、自発的な
                        開眼が見られるが、無動、無言で意思疎通が
                        とれない状態)

      開眼状態による評価に当てはめにくいとき、開眼状態の点数に
      「開眼状態で評価しにくい場合の評価基準」を付け加えて、
      「100−R」のように表します。

[ Index ] [ Home ]