気分障害

■チェック用語

・気分障害
      精神的に活発になりすぎていろいろな問題が出てくる躁(そう)の
      状態を体験したことがある「双極性障害」(以前の躁うつ病)と、
      抑うつ症状だけを体験する「うつ病性障害」、
      比較的軽い症状が長期間続いている「気分変調性障害」などがあり、
      全体を気分障害と呼びます。

・双極性障害
      そうの状態があって、うつの状態が出てくるもの、以前「躁うつ病」と
      よばれていたものです。

      症状としては、
      1 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的ないつもとは
         異なった期間が、少なくとも1週間持続する(入院治療が必要な場合
	 はいかなる期間でもよい)。
      2 気分の障害の期間中、以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)が持続
         しており(気分が単に易怒的な場合は4つ)、はっきりと認められる
	 程度に存在している。

        (1) 自尊心の肥大、または誇大 
        (2) 睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)
        (3) 普段よりも多弁であるか、喋り続けようとする心迫
        (4) 観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な
	    体験
        (5) 注意散漫(即ち、注意があまりにも容易に、重要でない関係のない
	    外的刺激に転導される)
        (6) 目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の
	    増加、または精神運動性の焦燥
        (7) まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、
	    制御のきかない買い漁り、性的無分別、馬鹿げた商売への投資など
	    に専念すること)

・うつ病性障害
      「うつ病性障害」には、
      中核的なうつ病と言われる「大うつ病性障害」(Major Depressive 
      Disorder)と軽症のうつ病である「小うつ病性障害」、
      そして慢性的な軽症うつ病である「気分変調性障害」があります。

      症状としては、
      (1) 強いうつ気分
      (2) 興味や喜びの喪失
      (3) 食欲の障害
      (4) 睡眠の障害
      (5) 精神運動の障害(制止または焦燥)
      (6) 疲れやすさ、気力の減退
      (7) 強い罪責感
      (8) 思考力や集中力の低下
      (9) 死への思い

      「大うつ病性障害」と診断されるためには、このなかのうつ気分または
      興味や喜びの喪失のどちらかの症状を含む5つ以上の症状が存在して
      いる必要があります。
      それに加えて、期間(ほとんど毎日1日中、2週間以上持続)と障害の
      強さ(症状のために精神的ないしは社会的な障害が生じている)の
      基準を満たす必要があります。

      「小うつ病性障害」は、症状数が2から4の場合です。
      「気分変調性障害」は、大うつ病性の基準を満たさないうつ病症状が
      2年以上持続している場合です。

■補足
うつ病は、以前は内因が関与している内因性うつ病と、心因が強く関与して
いる心因性うつ病ないしは神経症性うつ病とに分けて考えられていました。
現在はそうした原因がはっきりしないことや、内因性うつ病でも発症の
きっかけとなる心因があることが多いことから、症状の形で分類されるように
なりました。

地域におけるうつ対策検討会報告書(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5.html

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