アメリカの医療保険組織

■チェック用語

・HMO(健康保険維持機構)(Health Maintenance Organization)
      医療費抑制を目的に設立された会員制の医療保険組織。
      民間保険の一つです。

      加入者は一定の掛金を支払うだけで、ネットワーク内の医師や医療組織を
      フルに利用できます。
      ただし、あらかじめ決められた初診担当医(PCP=Primary Care Physician)
      に初診を受けることが決められていて、緊急時を除く全ての診察はPCPで
      行うことが義務付けられています。
      もし、他の病院へ行く場合には必ずPCPの許可(紹介状)が必要となり、
      勝手な判断で他の病院へ行っても保険が適用されないなど厳しい制約が
      あります。

      比較的安い保険料、医療費の自己負担が少ないため,、HMOは広く普及
      しつつありますが、HMOでは医療費を抑制するために、医師に対して、
      治療法、処方薬、検査法などの選択を制限するなどしています。
      また、患者側にも、専門医にかかりにくいこと、処方薬の選択に制限が
      あることなどに不満を感じている人もいるようです。

・PPO(Preferred Provider Organization)
      医療費抑制を目的として医師や医療機関がグループ化して設立した
      医療サービスを提供する団体。

      加入者は保険会社が提携している医師・医療機関(In-Network)で診察を
      受ける場合、自己負担が大幅に軽減されるため、かなり安い費用で診療を
      受けることが可能です。
      逆に非提携の医師・医療機関(Out-of-Network)で診察を受けた場合には
      In-Networkと比較して高めの自己負担を強いられます。

      HMOとの違いとしては、PPOでは、契約してない医師にかかることが
      可能なこと。また、処方薬品の選択幅が広い等のメリットもあります。
      その一方、被保険者の保険料、自己負担額はHMOより高額になります。

・POS(Point of Service)
      HMOとPPOを組み合わせたような内容です。
      あらかじめPCPを決定する点はHMOと同じですが、仮に非提携の
      医師・医療機関(Out-of-Network)であっても多少割高の自己負担を
      我慢すれば利用可能な点などはPPOと類似しています。

■補足
米国には現在、日本のような「国民皆保険制度」はなく、個人又は雇用者が
それぞれ、Managed Care Organization と 医療保険契約を結んでいます。

医療保険のシステムも、HMO(Health Maintenance Organization)、
PPO(Preferred Provider Organization)、POS(Point-of Service Plan)等、
いろいろあり、これらのほとんどが民間企業です。
保険料、医療費の自己負担割合、保険で認められる治療、医療サービスの範囲
など、それぞれの企業によって違いがあります。

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