生体肝移植

■チェック用語

・生体肝移植
      肝移植は心臓移植より早くて1963年に臨床例が始りました。
      その後サイクロスポリンAが臓器移植に使えるようになり、大きく飛躍しま
      す。
      脳死移植では、ドナーが不足するということで、もう一つの方向性として
      1988年にブラジルで行われた、生体移植が出てきました。

      日本では、生体移植が中心で、脳死移植はわずかです。
      最初は、小児で始まり、今では大半が成人の移植になっています。
      それまでは小児に移植する場合には、肝外側区域という約20%の肝臓を提供
      していたのですが、だんだんと、提供する相手が大きくなると、移植肝に
      ある大きさがないと生命を維持できないということから、外側区域から
      左葉切除、左葉移植ということが行われ、そのうちに、それでも成人の場合
      には足りないということで、今度は右葉移植、さらに拡大右葉移植へと、
      どんどん広がっていきました。

      レシピエントは、もちろんのこと、ドナーにとっても移植手術後のリスクは、
      かなり高いものがあります。
      レシピエントに関わる問題は、比較的多くでてくるのですが、ドナー側に
      対する安全性は、あまり扱われてこなかったというのが現状です。

・サイクロスポリンA
      免疫抑制剤。

      移植された他人の臓器は細菌やウイルスなどと同じものであり、体にとって
      は排除すべき異物ということになります。
      したがって、移植した臓器を体の中で機能させ続ける、すなわち移植臓器を
      生着させるためには、この免疫機構を抑えなくてはなりません。
      こういった免疫抑制に使用します。

      1969年以降、
      拒絶反応を引き起こす免疫細胞だけを土壌菌サイクロスポリンAが選択的に
      阻害することをスイス人微生物学者のボレル(Jean Borel)が発見しました。
      1983年に米食品医薬品局(FDA)がサイクロスポリンAを認可しました。
      以後、広く臓器移植に使用されるようになりました。

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