健康の定義、医師の誓いと患者の権利について

■チェック用語

・WHOの健康の定義
      WHO(世界保健機関)憲章の前文中にあります。
      1.健康とは、肉体的、精神的、社会的に完全に良好な状態で、単に病気
          あるいは病弱ではないということではない。
      2.最高水準の健康を享受することは、全ての人々の基本的権利のうちの
          一つである。 

・日本国憲法第25条(生存権)
      国民の健康に関する権利が保障され義務も述べられています
      1.すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
      2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の
          向上及び増進に努めなければならない。
      日本の保健衛生に関する施策はこの第25条をもとに、おしすすめられて
      います

・ヒポクラテスの誓い
     「ヒポクラテスの誓い」は医師の論理として初めて成文化されたもの。
      患者のために精いっぱい尽くす、患者の秘密を守る、差別しない、生命を
      尊重するなどを誓いました。
      ヒポクラテスは、健康と病気を自然の現象として科学的に観察し、医術を
      呪術からひき離し「病人は決して神の罰をうけた罪人ではない。罪人こそ
      一種の病人である」と弟子達に教えました。
      また病気は一種ではなくいろいろな種類があることを説き、「われわれの
      体には元々健康に戻そうとする自然の力(Physis)があり、医者はそれを
      助けるのが任務である」と述べさらに、私達の身体は四種の体液、すなわち
      血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁からなり、病気はこの体液の量的な釣り合いが
      乱れることで発症すると教えています。(四つの体液説)

・WMAジュネーブ宣言
      1948年9月、スイス、ジュネーブにおける第2回WMA総会で採択 
      1968年8月、オーストラリア、シドニーにおける第22回WMA総会で修正 
      1983年10月、イタリア、ベニスにおける第35回WMA総会で修正 
      1994年9月、スウェーデン、ストックホルムにおける第46回WMA総会で修正

      医師の一人として参加するに際し、

      私は、人類への奉仕に自分の人生を捧げることを厳粛に警う。
      私は、私の教師に、当然受けるべきである尊敬と感謝の念を捧げる。
      私は、良心と尊厳をもって私の専門職を実践する。
      私の患者の健康を私の第一の関心事とする。
      私は、私への信頼のゆえに知り得た患者の秘密を、たとえその死後においても
      尊重する。
      私は、全力を尽くして医師専門職の名誉と高貴なる伝統を保持する。
      私の同僚は、私の兄弟姉妹である。
      私は、私の医師としての職責と患者との間に、年齢、疾病や障害、信条、
      民族的起源、ジェンダー、国籍、所属政治団体、人種、性的オリエンテー
      ション、或は、社会的地位といった事がらの配慮が介在することを容認し
      ない。
      私は、たとえいかなる脅迫があろうと、生命の始まりから人命を最大限に
      尊重し続ける。また、人間性の法理に反して医学の知識を用いることはし
      ない。
      私は、自由に名誉にかけてこれらのことを厳粛に誓う。

・患者の権利に関するWMAリスボン宣言
      1981年9月/10月、ポルトガル、リスボンにおける第34回WMA総会で採択
      1995年9月、インドネシア、バリ島における第47回WMA総会で修正

      原則として次の項目を上げています。
      1.良質の医療を受ける権利
      2.選択の自由の権利
      3.自己決定の権利
      4.意識のない患者 
      5.法的無能力の患者
      6.患者の意思に反する処置
      7.情報を得る権利
      8.機密保持を得る権利
      9.健康教育を受ける権利
      10.尊厳を得る権利
      11.宗教的支援を受ける権利

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