血脈について壱
血脈ってなぁーに?当山で十年に一度だけ開催する「血脈(けつみゃく)」。六十才以上の檀家さんだったら「行(ぎょう)」の方が馴染み深いと思う。前回は平成7年9月上旬に、約500名が参加して開催されました。
正式な名称は「血脈授戒会(けつみゃくじゅかいえ)」といいます。
先祖からの血が親を通じ子へ流れるように、仏法の法門が本師であるお釈迦様から日蓮聖人へ、そして私たち檀信徒へ伝承され戒を授かることをいいます。「行」と言われる由縁は、授戒のための修行会でもあるからです。
最終日の受戒式では「法号(ほうごう)=戒名」を記した血脈本尊が授与されます。
血脈について弐
「血脈」とは「授戒会」で、戒を授かることを述べたが、では「戒」とは?
仏教の戒と云えば『五戒』が有名です。
1、不殺生戒(生きものを殺さぬこと)
2、不偸盗戒(ものを偸まぬこと)
3、不邪婬戒(邪な姦婬をせぬこと)
4、不妄語戒(嘘をつかぬこと)
5、不飲酒戒(酒を飲まぬこと)
(不飲酒戒は、飲酒が他の四つの戒を破る起因になることが多い為で、薬として用いることは善しとしている。要は酒に飲まれるな!ということなのです。)
「戒」とは、人々が人として幸せに暮らす為の規範であり約束事です。
しかし、人間とはたった五つの約束事もなかなか守れないし、全てを破る人も少なくないのです。
私達が、この戒を認識し仏様の教えを受けることが「血脈授戒会」である。
そのためには、少なからずそれを受け入れる人としての器と、精神力が必要であり、「礼拝行」「唱題行」「聴聞行」という「仏子自覚」の為の修行をするのです。
血脈について参
「贈り血脈」って?
「贈り血脈」とは、亡くなるまで受戒の修行会に参加出来なかった方や、もう一度参加させてあげたかった方へ、親族が贈る血脈本尊で、申込者が「法号」を書いたお札、または位牌を持って参加する供養を主体にした修行です。